情報の正しさを見極める方法|信じる前に確かめたい3つの視点

情報の正しさを見極める方法|信じる前に確かめたい3つの視点

ニュース、SNS、動画、AI。

今は、知りたいことがあれば、すぐに情報が見つかります。

一方で、

同じテーマなのに、書いてあることが違う。

数字が出ていると正しそうに見える。

専門家でも意見が分かれている。

そんな場面も増えました。

「結局、何を信じればいいのだろう」

と思うこともあります。

だからといって、すべてを疑っていたら何も判断できません。

大切なのは、

すぐに信じることでも、何でも疑うことでもなく、一度確かめることです。

誰が発信しているのか。

何を根拠にしているのか。

どこまでが事実で、どこからが解釈なのか。

この記事では、この3つの視点から、情報の正しさを見極める方法を考えていきます。

目次

情報は「正しい・間違い」だけでは分けられない

情報は「正しい・間違い」だけでは分けられない

情報を見るとき、

「これは正しいのか」
「間違っているのか」

と考えたくなります。

もちろん、明らかな誤りもあります。

けれど実際には、それほど単純ではありません。

数字そのものは正しいけれど、一部の期間だけを切り取っている。

調査結果は事実だけれど、対象になった人が限られている。

出来事そのものは正しいけれど、そこから導いた結論には書き手の解釈が入っている。

数年前には正しかった情報が、今では古くなっていることもあります。

つまり、

情報は「正しい・間違い」の二つだけでは分けられません。

大切なのは、

「これは本当か?」

と一度で白黒をつけることではなく、

「この情報は、どこまで確かなのだろう」

と見ることです。

そのために役立つのが、

1.誰が発信しているのか
2.何を根拠にしているのか
3.事実と解釈を分けられるか

という3つの視点です。

今回は、自分が直接見た出来事ではなく、

誰かから受け取った情報を、そのまま判断材料にしてよいか確かめる

ことに焦点を当てます。


情報の正しさを見極める3つの視点

情報の正しさを見極める3つの視点

1.誰が発信しているのかを見る

最初に確かめたいのは、

その情報が、どこから来たのか

です。

ニュース記事。

SNSの投稿。

動画。

誰かから聞いた話。

AIの回答。

目の前に出てきた時点では、どれも一つの情報に見えます。

けれど、その情報がどこから来たのかをたどってみると、見え方が変わります。

たとえば、

「利用者が急増している」

という記事があったとします。

その記事を書いた人が独自に調査したのか。

企業の発表を紹介しているのか。

行政の統計を使っているのか。

別の記事を引用しているだけなのか。

同じ「利用者が増えている」という言葉でも、元の情報によって意味は違います。

ここで大切なのは、

発信者を見ることと、肩書きを信じることは同じではない

ということです。

専門家だから正しい。

有名な人だから正しい。

大手メディアだから正しい。

反対に、

SNSだから信用できない。

個人の発信だから価値がない。

そう簡単には分けられません。

肩書きや媒体は、あくまで判断材料の一つです。

本当に見たいのは、

その人が、何をもとにその情報を出しているのか

です。

発信者の意見なのか。

実際に確認した事実なのか。

調査結果を紹介しているのか。

誰かの話を又聞きしているのか。

そこを一段戻って見ると、情報の重みが少しわかります。

BPRの現場でも、

「この作業は時間がかかる」

「この承認で仕事が止まっている」

という話をよく聞きました。

その声は、とても大切です。

ただ、そのまま結論にはしません。

実際の仕事を見る。

記録を確認する。

関係する人にも話を聞く。

そうやって、できるだけ元の事実へ戻っていました。

話してくれた人を疑うためではありません。

その人が見えている範囲と、全体で起きていることが同じとは限らないからです。

情報を見るときも同じです。

気になる情報に出会ったら、

「この情報の元はどこだろう?」

と一度だけ考えてみる。

元の記事。

元の調査。

元の発表。

最初の発信。

そこまで戻れれば、情報をそのまま受け取るのではなく、少し距離を置いて見られるようになります。


2.何を根拠にしているのかを見る

情報源を確かめたら、

次に見るのは、

その主張を何が支えているのか

です。

数字が出ている。

調査結果が紹介されている。

実際の事例が載っている。

こうした情報を見ると、それだけで信頼できそうに感じることがあります。

けれど、

根拠らしきものがあることと、その主張が十分に確かであることは同じではありません。

たとえば、

「この方法で生産性が30%上がった」

という情報があったとします。

数字だけを見ると、とても効果がありそうです。

でも、

どの仕事で測ったのか。

何人を対象にしたのか。

どれくらいの期間で比較したのか。

何と比べて30%なのか。

そこまで見ると、受け取る印象は変わります。

ある一つの仕事で出た結果なのか。

一部の人だけの結果なのか。

短期間の変化なのか。

長く続く傾向なのか。

数字が示している範囲を超えて、話が大きくなっていないかを見る必要があります。

調査結果も同じです。

「多くの人がそう考えている」

と書かれていても、

誰に聞いたのか。

何人に聞いたのか。

いつ調べたのか。

どんな聞き方をしたのか。

条件によって、結果の意味は変わります。

また、一つの事例も根拠にはなります。

ただし、

一人がうまくいったから、誰にでも当てはまるとは限りません。

ある会社で成功したから、別の会社でも同じ結果になるとは限りません。

事例は、

「こういう可能性がある」

ことは示してくれます。

でも、

「いつでもそうなる」

ところまでは示していないことがあります。

だから見るのは、

「根拠があるか」だけではなく、その根拠が主張をどこまで支えているか

です。

BPRでも、数字はよく使いました。

作業時間。

処理件数。

待ち時間。

手戻りの回数。

数字を見ると、感覚だけでは見えないことがわかります。

ただ、数字だけでは決めません。

なぜ時間がかかっているのか。

なぜその場所で止まるのか。

どんな条件のときに手戻りが増えるのか。

数字の背景まで見なければ、本当に変えるべきところはわからないからです。

情報を見るときも同じです。

数字や調査が出ていたら、

「この根拠から、本当にそこまで言えるのだろうか?」

と一度考えてみる。

それだけでも、

「数字があるから正しい」

という受け取り方から、一歩離れることができます。


3.事実と解釈を分ける

もう一つ大切なのが、

事実と、その事実への解釈を分けること

です。

情報は、

事実だけで書かれているとは限りません。

実際に起きたこと。

そこから推測したこと。

書き手が評価したこと。

これらが、一つの文章の中に混ざっていることがあります。

たとえば、

「売上は前年比10%減少した。
この商品は、消費者から支持されなくなっている」

という情報があったとします。

前半は、数字として確認できる事実です。

一方で、

「支持されなくなっている」

という部分は、その事実に対する解釈です。

もちろん、その解釈が正しい場合もあります。

でも、

価格が変わったのかもしれない。

販売店舗が減ったのかもしれない。

競合商品が増えたのかもしれない。

市場全体が縮小しているのかもしれません。

同じ事実から、別の説明ができることもあります。

ここで大切なのは、

解釈をなくすことではありません。

私たちは、事実だけを見て生活しているわけではありません。

意味を考え、理由を推測し、次の行動を決めます。

解釈は必要です。

ただし、

その解釈を事実そのものだと思ってしまうと、考える余地が狭くなります。

だから、

何が確認できる事実なのか。

そこから何を推測したのか。

どんな意味づけが加わっているのか。

一度分けてみます。

たとえば、

「会議で発言した人は2人だけだった」

というのは、確認できる事実です。

そこから、

「参加者は関心がなかった」

と考えるのは、一つの解釈です。

実際には、

考える時間が足りなかったのかもしれません。

発言しにくい雰囲気だったのかもしれません。

すでに意見が出尽くしていたのかもしれません。

一つの事実から、複数の解釈が生まれます。

BPRの現場でも、

「この承認が問題です」

という声を聞いたら、その言葉だけで判断しませんでした。

実際にどこで止まっているのか。

何回差し戻されているのか。

必要な情報は揃っているのか。

そこを確認します。

すると、

承認そのものではなく、

必要な情報が揃っていないことが原因だった、

ということもあります。

現場の声が間違っていたわけではありません。

見えていた事実に、その人なりの意味づけが加わっていたのです。

観察力の記事では、

自分が直接見たものについて、

事実と自分の解釈を分けて考えました。

今回は、

誰かから受け取った情報の中で、事実と解釈を分ける

ということです。

気になる情報を見たときは、

「これは事実だろうか。それとも、その事実への解釈だろうか」

と一度考えてみる。

その小さな確認で、自分で考える余地が生まれます。


自分が直接見た出来事について、事実と解釈を分ける方法は、
観察力の記事で詳しく紹介しています。

すべての情報を確かめなくてもいい

すべての情報を確かめなくてもいい

ここまで3つの視点を見てきましたが、

すべての情報について毎回細かく確認する必要はありません。

それでは疲れてしまいます。

大切なのは、

その情報を、何のために使うのか

です。

雑談や趣味の記事なら、そこまで深く確かめなくてもよいでしょう。

一方で、

お金。

健康。

仕事の大きな判断。

誰かを評価するとき。

これからの生き方を決めるとき。

そうした場面では、少し立ち止まる価値があります。

つまり、

情報の重要度によって、確かめる深さを変える

ということです。

情報を吟味する力とは、

すべてを疑う力ではありません。

必要なときに確かめる力です。


確かめた情報をもとに、最後にどう決めるか。判断するときの考え方はこちらで整理しています。

AIの答えも、同じように確かめる

AIを使う機会が増えると、

情報を調べる方法も変わります。

検索する代わりにAIへ聞く。

複数の記事を整理してもらう。

自分では思いつかなかった視点を出してもらう。

とても便利です。

ただ、

もっともらしく見えることと、正しいことは同じではありません。

AIの答えを見るときも、今回の3つの視点が使えます。

どんな情報をもとにしているのか。

出典を確認できるのか。

数字や調査の根拠は何か。

どこまでが確認できる事実で、どこからが整理や解釈なのか。

特に、

最新情報。

制度。

数字。

専門的な内容。

大きな判断に関わること。

こうした情報は、AIの答えだけで決めず、元の情報まで戻った方が安心です。

AIの答えを、

最終的な結論ではなく、

確かめるための入口

として使う。

これは、ニュースやSNS、人から聞いた話でも同じです。


情報そのものの正しさだけでなく、自分がどの分野を見ていないかに気づく方法もあります。

1分ワーク|気になる情報を一つだけ確かめる

最近見た情報の中から、

「本当かな?」

と少し気になったものを、一つだけ選んでみてください。

ニュースでも。

SNSでも。

誰かから聞いた話でも。

AIの回答でも構いません。

そして、次の3つだけ確認します。

1.誰が言っている?

誰が発信しているのか。

元の情報はどこにあるのか。

2.何を根拠にしている?

数字。

調査。

実例。

公的な発表。

何がその主張を支えているのか。

3.どこまでが事実で、どこからが解釈?

確認できる事実は何か。

そこから、どんな意味づけが加えられているのか。

全部調べきれなくても構いません。

「元の情報まで戻れなかった」

「根拠がよくわからなかった」

それも大切な情報です。

情報を吟味する目的は、

完全な正解を見つけることではありません。

自分が、どの程度確かな情報をもとに考えているのかを知ること

です。


情報を確かめるだけでなく、自分がどんな前提でその情報を見ているかを見直すことも大切です。

まとめ|情報を吟味するとは、一度確かめてから判断すること

情報が多い時代だからこそ、

何を信じればよいのか迷うことがあります。

そんなときに必要なのは、

すぐに信じることでも、

何でも疑うことでもありません。

一度、確かめることです。

見るのは、

1.誰が発信しているのか
2.何を根拠にしているのか
3.どこまでが事実で、どこからが解釈なのか

この3つです。

すべての情報を細かく調べる必要はありません。

大切な判断に使う情報だけでも、少し立ち止まってみる。

誰かの話を疑うのではなく、

その情報を、そのまま結論にしない。

必要なところを確かめて、

最後は自分で判断する。

すぐ信じない。
すぐ否定もしない。
一度確かめて、自分で考える。

情報が多い時代ほど、

その小さな習慣が、自分の判断を支えてくれます。


情報を吟味する力も、考える力の一つです。
思考力を高める考え方の全体像は、こちらの記事で紹介しています。

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