大人になると、
テストを受ける機会はほとんどありません。
資格試験でも受けない限り、
自分が何を知っていて、
何を知らないのかを、
あらためて確かめることは少なくなります。
ニュースは見ている。
記事も読む。
気になる話題は、それなりに追っている。
それでも、
自分が何を「知らないか」までは、意外とわかっていません。
私も最近、
AIに時事問題を出してもらってみました。
正解率は、
思っていたほど悪くありませんでした。
ところが、
ある分野ではすぐ答えられるのに、
別の分野になると急に手が止まる。
そこで気づいたのです。
知らないニュースがあるのではない。
知らない「分野」がある。
私たちは毎日、
たくさんの情報に触れています。
けれど、
すべてを同じように見ているわけではありません。
興味のある話題は読む。
詳しい分野は追いかける。
一方で、
関心の薄い分野は、
目に入っていても通り過ぎていることがあります。
その偏りは、
自分の内側から見ているだけでは、
なかなか気づけません。
そこで使えるのがAIです。
自分の関心とは関係なく、
いくつかの分野から問いを出してもらう。
すると、
普段は見えていなかった
「自分の情報の空白」
が少し見えてきます。
この記事では、
AIで時事問題テストを作り、
点数を競うのではなく、
自分の情報の偏りや、関心のクセに気づく方法
を紹介します。
AIは、
知らないことを教えてもらうだけでなく、
自分が何を見ていなかったのかを知るためにも使える
と思います。
情報は、知らないうちに自分の関心へ偏っていく

私たちは、
たくさんの情報を見ているつもりでも、
実際にはかなり選んでいます。
政治は読むけれど、
科学は流す。
経済は追うけれど、
国際情勢は浅い。
こうした偏りは、
特別なことではありません。
人にはそれぞれ、
興味の向きやすい分野があります。
問題は、
その偏りに自分で気づきにくいこと
です。
「知っているつもり」では、空白は見えない
ニュースを毎日見ていると、
「世の中のことは、それなりに把握している」
という感覚になります。
でも、
実際に問いを出されると、
その感覚が崩れることがあります。
見た覚えはある。
でも説明できない。
あるいは、
ニュース自体を知らない。
しかも、
同じ分野で何度も手が止まる。
そこで初めて、
その分野そのものを、あまり見ていなかった
と気づきます。
情報は、自分の興味に引き寄せられる
情報を選んでいるのは、
自分だけではありません。
ニュースアプリやSNSでも、
これまで見た記事や、
クリックした話題に近い情報が表示されます。
すると、
関心のある世界は詳しくなる一方で、
見ていない分野は、
ますます遠くなっていきます。
だからといって、
すべてのニュースを均等に追う必要はありません。
大切なのは、
偏りをなくすことではなく、
「自分には、こういう偏りがある」と知っておくこと
です。
そのためには、
普段の自分では選ばない問いを、
外から一度当ててもらう。
AIで時事問題テストを作る意味は、
そこにあります。
AIで時事問題テストを作る意味
時事問題テストというと、
「何問正解できたか」
に目が向きます。
でも、
今回見たいのは点数ではありません。
大切なのは、
どこで手が止まったか
です。
経済は答えられる。
政治もある程度わかる。
でも、
科学技術になると急に曖昧になる。
そうした差を見ることで、
自分の情報の偏りが見えてきます。
AIなら、自分では選ばない問いを出せる
自分で問題を作ろうとすると、
どうしても知っている範囲から選んでしまいます。
それでは、
自分の外側はなかなか見えません。
そこでAIに、
たとえばこう頼みます。
最近1週間の国内外の重要ニュースから、
時事問題を10問作ってください。
政治・経済・国際・科学技術・社会など、
分野が偏らないようにしてください。
私の関心分野に寄せる必要はありません。
正解と簡単な解説もつけてください。
ポイントは、
「自分の関心分野に寄せない」
と入れることです。
普段見ている世界の続きを出してもらうのではなく、
少し外側から問いを投げてもらう。
すると、
自分なら開かない分野も、
問題として目の前に現れます。
正解率より、「止まった分野」を見る
一問知らなかっただけなら、
たまたまかもしれません。
でも、
同じ分野で何度も手が止まるなら、
普段あまり情報を取りにいっていない可能性があります。
時事問題テストは、
知識を競うためではなく、
自分の関心の外側を見つけるための小さな測定
として使えます。
AIで情報の偏りを見つける3ステップ

やることは3つです。
1.分野を広げて、問題を作ってもらう
まず、
政治・経済・国際・科学技術・社会など、
複数の分野を指定して、
時事問題を作ってもらいます。
目的は、
難しい問題を解くことではありません。
普段の自分なら選ばない分野を混ぜること
です。
2.正解数ではなく、「どこで止まったか」を見る
問題を解いたら、
次の3つに分けてみます。
- すぐ答えられた
- 見た覚えはあるけれど、答えられなかった
- ほとんど知らなかった
特に見たいのは、
後ろの二つです。
同じ分野で何度も迷ったなら、
そこに自分の情報習慣が表れているかもしれません。
テストの役割は、
間違いを責めることではありません。
自分が普段見ている範囲を確認すること
です。
3.「なぜ知らなかったのか」を一言だけ考える
最後に、
知らなかった問題を一つ選び、
こう考えてみます。
「なぜ、自分はこれを知らなかったのだろう?」
たとえば、
科学技術の記事は、あまり開いていない。
国際ニュースは、見出しだけで済ませることが多い。
一言で十分です。
これだけで、
「知らなかった」という事実が、
自分の情報の取り方への気づき
に変わります。
問題を解く。
止まった分野を見る。
なぜ知らなかったかを考える。
この3つを通して、
自分がどんな世界を見ていて、どこを見ていないのか
が少しずつ見えてきます。
「知らない分野」に気づくと、ニュースの見え方が変わる

自分の情報の偏りに気づくと、
次にニュースを見るとき、
少しだけ視線が変わります。
「自分は科学技術をあまり見ていない」
とわかれば、
科学の記事が以前より目に入る。
「国際ニュースは浅い」
と気づけば、
たまには中身まで読んでみようと思う。
全部を追う必要はありません。
ただ、
自分の外側にある分野が見えるようになる。
それだけでも十分です。
元エンジニアでも、関心は静かに偏っていく
私自身、
時事問題テストをやってみて、
少し意外だったことがありました。
科学分野の問題で、
何度か手が止まったのです。
私はもともと、
エンジニアとして仕事をしてきました。
だから、
科学や技術の話題には、
それなりに触れているつもりでした。
でも、
実際には思っていたほど追えていない。
そのとき、
少しだけ苦笑いしました。
元エンジニアでも、関心は静かに偏っていく。
昔詳しかった分野でも、
今も自然に情報が入ってくるとは限りません。
仕事が変われば、
関心も変わる。
生活が変われば、
見る情報も変わる。
自分では気づかないうちに、
情報の地図は書き換わっていきます。
だから、
ときどき外側から問いを当ててみる意味があります。
情報を増やすより、自分の「空白」を知る
情報が多い時代に、
すべてを追いかけるのは現実的ではありません。
この実験の目的も、
情報量を増やすことではありません。
むしろ、
自分の情報の空白を知ること
です。
「ここは、ほとんど見ていないな」
とわかれば、
それだけでも構いません。
必要だと思えば、
少しだけ読んでみる。
今の自分には必要ないと思えば、
そのままでもいい。
重要なのは、
自分が何を見ていないのかを知ったうえで選べること
です。
思考を広げるというと、
新しい知識を増やすことを想像しがちです。
でも、
自分が普段見ていなかった方向に、
一度だけ目を向ける。
それも、
思考が広がる瞬間だと思います。
AIは、
新しい情報を教えてくれるだけでなく、
自分の視野の端を見つけるためにも使える。
時事問題テストは、
そのための小さな実験です。
情報の偏りに気づくと、自分が無意識に持っている前提も見えやすくなります。
AIを使って自分の「当たり前」を言葉にする方法はこちらで紹介しています。

1分ワーク|3問だけ、自分の情報の空白を探す
まずは、
3問だけ試してみてください。
AIに、
最近1週間の国内外の重要ニュースから、
時事問題を3問作ってください。
政治・経済・国際・科学技術・社会など、
私の関心に偏らないように分野を選んでください。
難しすぎない一般ニュースレベルにしてください。
正解と簡単な解説もつけてください。
と聞きます。
そして、
正解数ではなく、
どの問題で手が止まったか
を見ます。
もし気になる問題があったら、
最後に、
「なぜ、私はこのニュースを知らなかったのだろう?」
と一度だけ考えてみてください。
深く分析する必要はありません。
まずは、
「ここが自分の情報の空白なのかもしれない」
と気づく。
それだけで、
次にニュースを見るときの視線が、
少し変わるかもしれません。
まとめ|AIは「知らない自分」を見つけるためにも使える
時事問題テストで見たいのは、
何問正解できたかではありません。
自分がどの分野を見ていて、どの分野を見ていないのか。
その偏りです。
AIに、
自分の関心とは少し離れた分野から問いを出してもらう。
そこで手が止まったところを見る。
そして、
「なぜ知らなかったのだろう」
と一度だけ考える。
それだけで、
普段は見えていなかった
自分の情報の空白
が見えてきます。
知らないことがあるのは当然です。
すべてのニュースを追う必要もありません。
大切なのは、
知らないことを減らし続けることではなく、
自分が何を見ていないのかを知っておくこと
だと思います。
AIは、
答えを教えてもらうためだけの道具ではありません。
自分では選ばない問いを投げてもらうことで、
自分の視野の外側に気づくための相手
としても使えます。
次にAIを開いたとき、
3問だけ時事問題を出してもらってみてください。
正解数ではなく、
「自分はどこで止まったか」
を見る。
小さなテストですが、
自分が見ている世界を少し広げるきっかけとして、試してみる価値はあると思います。
AIは、答えを得るだけでなく、
別の視点を増やしたり、自分では気づかなかった考え方を見つけたりするためにも使えます。
AIを「考える相手」として使う方法はこちらでまとめています。


