AIで構造把握力を広げる|複雑な問題をつながりで捉える3ステップ

AIで構造把握力を広げる|複雑な問題をつながりで捉える3ステップ

問題について考えているのに、

なぜか全体が見えない。

一つひとつのことは分かっている。

情報も集めている。

それでも、

「結局、どこを見ればいいのだろう」

と迷うことがあります。

そんなときに必要になるのが、構造把握力です。

構造把握力とは、

一つひとつの情報を見るだけではなく、

何と何がつながっているのかを見ながら、全体の形をつかむ力

です。

私は長く、BPR(業務改革)の仕事をしてきました。

その中では、

人、業務、情報、システムなどを一度外に出し、

関係をつなぎ直しながら、

問題の全体像を考えることを何度もしてきました。

当時は、

この作業を自分の頭と紙を使って行っていました。

今なら、

その途中にAIを加えることができます。

自分では結ばなかった要素。

見落としていた関係。

別の角度から見たつながり。

そうしたものをAIに増やしてもらい、

もう一度、自分で全体を見る。

大切なのは、

AIに構造を決めてもらうことではありません。

自分が見ている構造の外側を、

AIとの対話で少し広げることです。

この記事では、

要素を出す → 関係を広げる → 全体に影響する場所を見る

という3つのステップで、

AIを使って構造把握力を広げる方法を考えてみます。

目次

構造把握力とは「点」ではなく「関係」を見る力

構造把握力とは「点」ではなく「関係」を見る力

構造把握力とは、

要素同士の関係を見て、全体の形をつかむ力

です。

私は、

点 → 関係 → 全体

という流れで考えています。

目の前にある情報を、

一つずつ理解するだけでは、

全体が見えるとは限りません。

何と何がつながっているのか。

どこから影響を受け、

どこへ影響しているのか。

そこを見ることで、

バラバラだった情報に位置づけが生まれます。

これは、

単に情報を整理することとは少し違います。

情報整理が、

情報を分けたり並べたりして扱いやすくすることだとすれば、

構造把握は、

その情報の間にあるつながりや影響を見ること

です。

構造把握力そのものの考え方や、

日常で鍛える方法については、

別の記事で詳しく整理しています。

ここでは、

その構造を見る力にAIを加えると、

何が変わるのかを考えていきます。


構造把握力の考え方と鍛え方の記事はこちら

BPRでは、構造が見えるまで何度も組み替えていた

私は長年、BPR(業務改革)のプロジェクトに携わってきました。

新しいプロジェクトを考えるとき、

最初から全体像が見えていたわけではありません。

まず、

頭に浮かぶキーワードを紙に書き出します。

人。

業務。

課題。

システム。

顧客。

制約。

そして、

関係がありそうなものを線で結ぶ。

位置を変える。

書き足す。

違うと思えば、また組み替える。

そうやって、

自分の中で構造が見えるまで何度も考えていました。

すると、

あるところで、

「ああ、こういうことか」

と見える瞬間があります。

それまで別々に見えていたものがつながり、

何が全体を動かしているのか。

どこが詰まっているのか。

どこを変えると、ほかにも影響が広がるのか。

そんなことが見えてきます。

BPRでは、

一つの部署や一つの作業だけを改善しても、

全体として良くならないことがあります。

だからこそ、

部分ではなく、

人・仕事・情報・システムのつながりを見ること

が重要でした。

私にとって構造把握とは、

情報をきれいに整理することではありません。

バラバラに見えていたものをつなぎ直し、全体の形が見えるまで考えること。

そして、

最初から正しい構造を描こうとしないこと。

まず置く。

つなぐ。

違えば組み替える。

この繰り返しが、

構造を見るための基本でした。

AIを入れると「自分が考えた構造」の外側が見えてくる

AIを入れると「自分が考えた構造」の外側が見えてくる

構造を考えるとき、

自分一人でも、

ある程度まではつながりを見つけられます。

経験があるほど、

「これは、たぶんここにつながっている」

「以前も似たような問題があった」

と考えやすくなります。

これは強みです。

一方で、

経験があるからこそ、

見方が固定されることもあります。

BPRの仕事でも、

過去の経験は大きな助けになりました。

ただ、

似ているように見える問題でも、

実際の構造まで同じとは限りません。

そこで今なら、

AIに別のつながり方を出してもらえます。

たとえば、

自分が考えた要素を渡して、

「ほかに関係していそうなものはありますか」

「直接ではなく、間接的につながっているものはありますか」

「別の視点から見ると、どんな構造が考えられますか」

と問いかけてみます。

すると、

自分では線を引かなかったところに、

新しいつながりが見えることがあります。

同じ問題でも、

人の動きから見る。

情報の流れから見る。

時間の流れから見る。

判断や承認の流れから見る。

見る角度が変われば、

構造の見え方も変わります。

ここに、

AIを使う意味があると思っています。

AIが出したものは、

あくまで、

別のつながり方の候補

です。

自分だけでは考えなかった関係を増やし、

その中から、

「この見方は少し気になる」

というものを拾う。

そして、

もう一度、自分で全体を見直します。

構造把握をAIで広げるとは、

AIに見取り図を完成させてもらうことではありません。

自分が描いた見取り図の外側に、別の線を増やしてみること。

それによって、

今までとは少し違う全体像が見えてくることがあります。

AIで構造把握力を広げる3ステップ

AIで構造把握力を広げる3ステップ

では、

実際にAIをどう使えば、

構造の見方を広げられるのでしょうか。

私なら、

次の3ステップで考えます。

1.関係しそうな要素を出す

最初にするのは、

AIに構造を聞くことではありません。

まず、

自分が見えている要素を出します。

たとえば、

「仕事に時間がかかっている」

という問題なら、

作業。

担当者。

情報。

前工程。

後工程。

システム。

ルール。

確認。

承認。

など、

関係しそうなものを書き出します。

この段階では、

きれいに整理する必要はありません。

原因を決める必要もありません。

大切なのは、

現実の中で自分が見えている材料を、いったん外に出すこと

です。

紙に書いても構いません。

そのままAIに渡してもよいでしょう。

たとえば、

この問題について、今見えている要素は次の通りです。
まだ原因は決めず、この材料をそのまま使って考えたいです。

と伝えます。

最初から、

「原因は何ですか」

「どこを直せばよいですか」

と答えを求めない。

まずは、

構造を見るための材料を置きます。

2.AIで要素同士の「関係」を広げる

次に、

AIに要素同士の関係を増やしてもらいます。

ここが、

AIを使うことで広げやすい部分です。

たとえば、

この要素同士には、どんなつながりが考えられますか

と聞いてみます。

さらに、

直接ではなく、間接的に影響している関係はありますか

人・情報・仕組み・時間という別の視点から見ると、どんなつながりが考えられますか

と問いを変えてみてもよいでしょう。

同じ問題でも、

見る角度によって構造は変わります。

人の動きから見る。

情報の流れから見る。

仕事の順番から見る。

判断や承認の流れから見る。

すると、

自分では結んでいなかった要素同士に、

新しい線が見えることがあります。

ここで大切なのは、

AIが出した関係を全部採用しないことです。

見るのは、

「このつながりは考えていなかった」

と思うものです。

一本でも、

新しい線が加われば、

それだけで全体の見え方が変わることがあります。

3.「ここが変わると、何が動く?」を見る

関係が少し広がったら、

最後は自分で全体を見ます。

ここで考えるのは、

「ここが変わると、何が動くだろう」

という問いです。

ある要素を一つ変えたとき、

ほかの要素にも影響が広がるのか。

複数の場所につながっているところはないか。

流れが止まっているところはないか。

一つ変えるだけで、

いくつかの問題が一緒に動きそうな場所はないか。

そんなふうに見ていきます。

たとえばAIには、

この中で、一つの要素が変わったときに、ほかへ影響が広がりやすそうな場所をいくつか挙げてください

と聞いてみてもよいでしょう。

ただし、

そこで出てきたものを、

そのまま「重要な場所」と決める必要はありません。

AIが示したものは、

あくまで候補です。

最後は、

実際の仕事や状況を思い浮かべながら、

「本当にここが動くと、ほかも変わるだろうか」

と自分で考えます。

構造把握で大切なのは、

正しい答えを一つ選ぶことではありません。

要素を置き、関係を広げ、全体への影響を見る。

この往復をしながら、

自分なりの見取り図を少しずつ描き直していくことです。

AIが描いた構造より、現実のつながりを優先する

AIを使うと、

とてもきれいな構造が返ってくることがあります。

要素が整理され、

関係も分かりやすい。

「なるほど」と思える説明です。

けれど、

きれいに説明できることと、現実に合っていることは別です。

実際の仕事では、

形式上は関係しているように見えても、

ほとんど影響していないことがあります。

逆に、

資料やルールには表れていなくても、

ある人の判断や、

実際の仕事の進め方が、

全体に大きく影響していることもあります。

BPRの仕事では、

こうした違いを確かめるために、

現場を見る。

人に話を聞く。

仕事の流れを追う。

ということを繰り返していました。

AIを使うようになっても、

ここは変わりません。

AIが示した構造を見ながら、

「このつながりは、本当にあるだろうか」

「実際には、どう影響しているのだろう」

と考え直します。

違っていれば、

構造を描き直せばよいのです。

構造把握は、

一度つくった見取り図を守ることではありません。

現実に合わせて、何度でも組み替えること。

AIは、

その組み替えの候補を増やしてくれます。

でも、

最後に構造を確かめる材料は、

やはり現実の中にあります。

構造が見えてきたあと、

「では、本当に変えるべきものは何だろう」

と一段深く考えたいときは、

AIで洞察を深める方法につながります。


AIで洞察を深める方法はこちら

1分ワーク|AIと「つながり」を一つ増やしてみる

最後に、

短く試してみます。

今、少し気になっている問題を一つ選んでください。

仕事でも、

日常のことでも構いません。

まず、

その問題に関係しそうな要素を

3〜5個だけ書き出します。

人。

作業。

情報。

仕組み。

時間。

思いつくもので十分です。

次に、

その内容をAIに渡して、

こう聞いてみます。

この要素同士について、私が見落としている可能性のあるつながりを3つ挙げてください。
正解を決めず、別の見方として示してください。

返ってきた答えの中から、

「このつながりは考えていなかった」

と思うものを一つだけ選びます。

そして最後に、

自分で考えてみます。

「もし、ここが変わったら、ほかに何が動くだろう?」

答えを決めなくても構いません。

一つ、新しい線が見えれば十分です。

その線をきっかけに、

全体の見え方が少し変わることがあります。

まとめ|AIは「構造を決める相手」ではない

構造把握力とは、

要素同士の関係を見ながら、

全体の形をつかむ力

です。

私はBPRの仕事で、

紙に要素を書き出し、

線でつなぎ、

違えば何度も組み替えながら、

構造を考えてきました。

今なら、

その途中にAIを加えることができます。

AIに増やしてもらうのは、

答えではありません。

自分では気づかなかったつながりや、

別の角度から見た関係です。

そして最後は、

その構造が現実に合っているかを、

自分で確かめる。

AIが構造を代わりに考えるのではなく、人間が構造を見る力をAIで広げる。

それが、

AIで構造把握力を広げるということだと思います。

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