分析力を鍛える方法|物事を分けて比べる4つの視点

分析力を鍛える方法|物事を分けて比べる4つの視点

情報はたくさんある。

数字も見ている。

それなのに、

「結局、何が違うのか分からない」

そんなことはないでしょうか。

分析というと、

数字を細かく調べたり、

難しいデータを扱ったりするイメージがあります。

けれど、

分析の基本はもっとシンプルです。

一つの塊に見えているものを分ける。

そして、比べる。

すると、

それまで見えなかった違いや特徴が浮かび上がります。

この記事でいう分析力とは、

物事を分け、比べることで、違いや特徴を明らかにする力です。

大切なのは、

細かく分けることそのものではありません。

違いが見えるように分けること。

この記事では、

分析力とはどんな力なのか。

そして、

日常の中で「分けて、比べて、違いを見る」力をどう鍛えていけばよいのかを考えていきます。


分析力も、考えるときに使う基礎的な力の一つです。
「考える力」全体については、こちらで6つの入口に整理しています。

目次

分析力とは「分けて比べる力」

分析力とは「分けて比べる力」

分析という言葉には、

少し難しい印象があります。

数字を集める。

グラフをつくる。

データを細かく調べる。

もちろん、それも分析です。

けれど、

基本はもっと単純です。

一つの塊を分けて、比べること。

たとえば、

「最近、本が読めなくなった」

と感じているとします。

そのままでは、

「読書量が減った」という一つの現象にしか見えません。

でも、

  • 朝と夜
  • 平日と休日
  • 紙の本と電子書籍
  • 小説と実用書

に分けて比べると、

見え方が変わります。

夜は読めないけれど、朝は読めている。

実用書は進まないけれど、小説なら読める。

そう分かれば、

「自分は読書ができなくなった」

という見方そのものが変わります。

つまり、

分析の基本は、

分ける → 比べる → 違いを見る

という流れです。

ここで大切なのは、

最初から正しい分け方を見つけようとしないことです。

何を知りたいかによって、

分け方は変わります。

売上なら、

商品別に見るのか。

顧客別に見るのか。

地域別なのか。

時期別なのか。

同じ情報でも、

切り口が変われば見えるものも変わります。

だから分析力とは、

「どう分ければ違いが見えるか」を考える力でもあります。

分析しないと「全部同じ」に見えてしまう

物事を一つの塊のまま見ていると、

違いが見えにくくなります。

たとえば、

「売上が落ちた」

という結果だけを見ると、

会社全体が悪くなっているように感じるかもしれません。

でも、

商品別、

顧客別、

地域別、

時期別に分けると、

すべてが同じように落ちているとは限りません。

ある商品だけが落ちている。

特定の顧客層だけが減っている。

一つの地域だけ変化している。

そんな違いが見えることがあります。

日常でも同じです。

「最近、時間がない」

と思っていても、

一日のすべての時間が足りないわけではないかもしれません。

朝は余裕がある。

午後に予定が集中している。

人から頼まれた仕事に時間を取られている。

分けてみることで、

問題の場所が見えてきます。

分析の入口は、

難しい計算ではなく、

「本当に全部そうなのだろうか?」

と問い直すことです。

分析する前には、まず何が起きているのかを事実として捉える必要があります。
その入口になるのが観察力です。

分析力がある人は、何を見ているのか

分析力がある人は、何を見ているのか

分析力がある人は、

一つに見えるものを、

そのまま一つとして扱いません。

1. 一つの塊を分けて見る

「売上が落ちた」

「仕事が進まない」

「最近、疲れやすい」

という現象があったとします。

そのままでは、

問題が大きすぎて、どこから見ればよいか分かりません。

そこで、

「これは何に分けられるだろう?」

と考えます。

時間帯。

種類。

人。

場所。

状況。

分けることで、

一つに見えていたものの中に違いが見えてきます。

2. 同じ基準で比べる

分けただけでは、

まだ分析にはなりません。

次に必要なのが、

比べることです。

昨日と今日。

AとB。

うまくいったときと、

うまくいかなかったとき。

比較する基準をそろえることで、

違いが見えやすくなります。

数字も、

単独では意味が分かりにくいものです。

前月、

前年、

別の商品など、

比較する相手があることで、

初めて特徴が見えてきます。

3. 「何が違う?」を見る

分析では、

すぐに原因を決める必要はありません。

まず見るのは、

どこに違いがあるのかです。

量なのか。

条件なのか。

タイミングなのか。

やり方なのか。

違いを見ていくと、

「全部が悪いわけではない」

「ここだけ特徴がある」

と分かってきます。

分析とは、

正解を当てることではありません。

違いを見つけ、特徴を浮かび上がらせることです。

4. 例外を見る

もう一つ大切なのが、

他と違うところを見ることです。

ほとんどの案件が遅れているのに、

一つだけ早く終わった。

多くの商品が伸びていないのに、

一つだけ売れている。

こうした例外には、

改善や成功のヒントが隠れていることがあります。

平均だけを見ると、

違いは消えてしまいます。

だからこそ、

「なぜ、ここだけ違うのだろう?」

と見る。

分析力がある人は、

情報の量よりも、

差が生まれている場所に目を向けています。

BPRで学んだ「違いが見える分け方」を探す

私は長年、

業務改革のプロジェクトに携わってきました。

その中で、

大きな問題をそのまま考えることは、

ほとんどありませんでした。

たとえば、

「この業務に時間がかかっている」

という問題があったとします。

そのままでは、

どこに問題があるのか分かりません。

そこで、

工程別に分ける。

担当者別に分ける。

処理内容で分ける。

通常の処理と例外処理に分ける。

いくつかの切り口で比べながら、

「どこに違いがあるのか」

を見ていきます。

すると、

業務全体が遅いと思っていたのに、

実際には一つの工程だけに時間がかかっていた。

あるいは、

件数としては少ない例外処理が、

多くの時間を使っていた。

そんなことが見えてくることがあります。

ここで大切なのは、

細かく分けることそのものではありません。

分け方が悪ければ、

いくら細かくしても何も見えてこないからです。

私が意識していたのは、

「どう分ければ、違いが見えるだろう」

ということでした。

一度分けて分からなければ、

別の切り口で分ける。

時間で分ける。

人で分ける。

種類で分ける。

うまくいったものと、

うまくいかなかったものに分ける。

切り口を変えると、

同じ問題でも違う姿が見えてきます。

分析とは、

問題を細かく切り刻むことではありません。

違いが見える切り口を探すこと。

そして、

その違いから、

次に詳しく見る場所を絞ることです。

分析力を鍛える3つの習慣

分析力を鍛える3つの習慣

分析力は、

日常の中でも鍛えられます。

意識したいのは、

分ける → 比べる → 違いを見る

という流れです。

1. 「何に分けられる?」と考える

何か一つの塊に見えたら、

そのまま考え続けず、

「これは何に分けられるだろう?」

と問いを置きます。

たとえば、

「最近、忙しい」

なら、

仕事、

家事、

人との予定、

自分の時間。

あるいは、

朝・昼・夜でも構いません。

大切なのは、

正しい分類をつくることではありません。

違いが見えそうな切り口で、一度分けてみることです。

2. 「何と比べれば分かる?」と考える

次に、

比較する相手を置きます。

昨日と今日。

今月と先月。

AとB。

うまくいったときと、

うまくいかなかったとき。

分析するときは、

「何と比べれば、この情報の意味が見えるだろう?」

と考えるとよいでしょう。

3. 「どこが違う?」を見る

分けて比べたら、

一番違っているところを探します。

時間なのか。

量なのか。

条件なのか。

方法なのか。

一つだけ他と違う例外があるのか。

違いが見えれば、

次に詳しく見る場所を絞れます。

難しい分析手法を覚えなくても、

この3つの問いを習慣にするだけで、

物事を一つの塊として見る癖は少しずつ変わっていきます。

分析と「細かく分けること」は違う

分析では、

物事を分けます。

でも、

細かく分ければ、よい分析になるわけではありません。

一つの問題を、

10個、

20個、

100個に分けても、

違いが見えなければ、

情報が増えただけです。

分析で大切なのは、

分ける数ではありません。

何を知りたいのかに合わせて、意味のある切り口で分けることです。

売上を見る場合でも、

商品別なのか。

顧客別なのか。

地域別なのか。

時期別なのか。

知りたいことによって、

有効な分け方は変わります。

だから分析の前には、

一つの問いが必要です。

「何を明らかにしたいのか?」

この問いがあるからこそ、

分け方を選べます。

分析とは、

情報を細かくすることではありません。

知りたいことが見えるように、分け方を選ぶことなのです。


情報がまだ混ざっていて比較できない場合は、
まず分けたり並べたりして扱いやすくする「思考整理」から始める方法もあります。

1分ワーク|一つの問題を3つに分けてみる

最近、

少し気になっていることを一つ選んでください。

そして、

次の3つだけ考えます。

  1. これは何に分けられる?
  2. 何と何を比べれば分かる?
  3. 一番違うところはどこ?

たとえば、

「最近、集中できない」

なら、

朝・昼・夜に分ける。

集中できた時間と、

できなかった時間を比べる。

すると、

「朝は集中できるが、午後は難しい」

という違いが見えるかもしれません。

原因まで考える必要はありません。

まずは、

一つの塊に見えていたものの中に、違いを見つけること。

それだけで十分です。

まとめ|分析力は「違いを見つける力」

分析力とは、

難しいデータを扱う力だけではありません。

物事を分け、比べることで、違いや特徴を明らかにする力です。

基本は、

分ける → 比べる → 違いを見る

という流れです。

大切なのは、

細かく分けることではありません。

違いが見えるように分けること。

そのためには、

「何を明らかにしたいのか」

という問いも必要です。

分析力とは、

答えを当てる力ではありません。

どこに違いがあるのかを見つけ、次に見る場所を絞る力です。

観察した事実を分析すると、

違いが見えてきます。

その違い同士の関係を見ると、

構造が見えてきます。

さらにその奥を考えると、

洞察につながっていきます。

まずは今日、

何か一つ気になっていることについて、

「これは何に分けられるだろう?」

と考えてみてください。

その一つの問いが、

物事の見え方を変える入口になります。


分析によって見えてきた違いを、
さらに「何と何がどうつながっているか」という関係で捉えると、全体の構造が見えてきます。

構造が見えたあと、その奥にある意味や本質を考えるときに役立つのが洞察力です。

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