定年後にやることがない人へ|毎日の過ごし方をつくる3つの考え方

定年後にやることがない人へ|毎日の過ごし方をつくる3つの考え方

定年後、時間はあるのに、何をすればいいかわからない。

そんな戸惑いを感じる人は、少なくないと思います。

会社員の頃は、仕事が一日の大部分を決めてくれていました。

起きる時間があり、出かける時間があり、やるべき仕事がある。

人と会い、何かを判断し、一区切りつけば達成感もあります。

ところが仕事を離れると、それまで当たり前だった一日の枠がなくなります。

自由な時間が増えたはずなのに、

「今日は何をしよう」
「これから毎日、どう過ごせばいいのだろう」

と考えるようになることがあります。

私自身、会社を辞めてから、時間の使い方は大きく変わりました。

仕事をしていた頃は、予定の多くが外から決まっていました。

しかし退職後は、自分で決めなければ一日が始まりません。

最初から、「これをやって生きていこう」という大きな答えがあったわけでもありませんでした。

読書をしたり、歩いたり、文章を書いたり。

興味のあることを少しずつ試しながら、今の過ごし方ができてきました。

その中で感じるようになったのは、

定年後に必要なのは、仕事の代わりになる何かを一つ見つけることではない

ということです。

大きな生きがいや、夢中になれる趣味がすぐに見つからなくてもかまいません。

いくつかの活動を組み合わせながら、自分なりの一日をつくっていけばいい。

この記事では、定年後に「やることがない」と感じたときに、

毎日の過ごし方をつくるための3つの考え方を紹介します。

目次

定年後に「やることがない」と感じるのは自然なこと

定年後に「やることがない」と感じるのは自然なこと

定年後に「やることがない」と感じると、

「趣味を持った方がいいのかな」
「何か夢中になれることを見つけないと」

と考えるかもしれません。

もちろん、趣味を見つけることも一つの方法です。

ただ、定年後の戸惑いは、単に趣味がないから起きるわけではないと思います。

仕事には、私たちが思っている以上に多くの役割があります。

たとえば、

  • 一日の時間を区切る
  • 人と関わる
  • 自分の役割を持つ
  • 誰かから必要とされる
  • 新しい問題に向き合う
  • 成果や達成感を得る

といったことです。

会社員の頃は、それらを意識しなくても、仕事の中で自然に得ていました。

朝になれば会社へ行く。

会議があれば人と話す。

課題があれば考える。

締め切りがあれば、それに向かって動く。

自分で一日の仕組みを一から考えなくても、仕事そのものが生活の大きな枠になっていたのです。

ところが定年になると、その枠が一度になくなります。

増えるのは、自由な時間だけではありません。

時間の使い方を自分で決める自由も、一緒に増えます。

これはうれしいことでもありますが、

長く会社員として生活してきた人にとっては、意外に難しいことでもあります。

予定がない。

誰かから頼まれることもない。

今日やらなければ困ることも、それほどない。

そんな日が続けば、

「何をしたらいいのだろう」

と思うのは不思議なことではありません。

だから、すぐに大きな生きがいを見つけようとしなくてもいいと思います。

まず考えてみたいのは、

仕事がなくなったことで、自分の生活から何が抜けたのか

ということです。

人とのつながりなのか。

役割なのか。

刺激なのか。

達成感なのか。

生活のリズムなのか。

そこが見えてくると、「何をすればいいか」も少し考えやすくなります。

次からは、定年後の毎日を自分でつくっていくための3つの考え方を見ていきます。

定年後の毎日をつくる3つの考え方

定年後の毎日をつくる3つの考え方

1.仕事がなくなって、何が空いたのかを見る

「定年後にやることがない」と感じたとき、

最初にやりたくなるのは、空いた時間を何かで埋めることかもしれません。

旅行をする。

趣味を始める。

資格を取る。

地域の活動に参加する。

どれもよい選択です。

ただ、その前に一度考えてみたいことがあります。

それは、

仕事がなくなったことで、自分の生活のどこが空いたのか

です。

同じ「暇になった」という感覚でも、中身は人によって違います。

人と話す機会が減って寂しいのかもしれません。

何かを任されることがなくなり、役割がなくなったと感じているのかもしれません。

毎日考えることが減り、刺激が足りないのかもしれません。

予定がなくなり、生活のリズムが崩れたのかもしれません。

長く仕事の成果を追いかけてきたことで、達成感を得る機会が減った人もいるでしょう。

ここを分けずに、

「とにかく何か始めよう」

とすると、自分が本当に求めているものと違う活動を選んでしまうことがあります。

たとえば、人とのつながりが欲しいのに、

一人でできる趣味ばかり増やしても、物足りなさは残るかもしれません。

反対に、一人の時間を楽しみたいのに、人付き合いを増やしすぎれば疲れてしまいます。

だから、まずは「やること」を探す前に、

自分は何がなくなって困っているのか

を見てみます。

難しく考える必要はありません。

紙やノートに、

「仕事を辞めてから減ったものは何だろう」

と書いてみるだけでも十分です。

時間の区切り。

人との会話。

責任。

緊張感。

刺激。

達成感。

外出する理由。

自分なりに思いつくものを書いてみます。

すると、「やることがない」という一つの悩みが、少し細かく見えてきます。

そして、悩みが細かくなれば、次に試すことも考えやすくなります。

大切なのは、

空いた時間を埋めることではなく、空いたものを知ること。

ここから、定年後の毎日のつくり方を考えていきます。


もし「何を大切にして、これからどう過ごしたいのか」まで考えたくなったら、
人生の方向性そのものを整理してみるのも一つです。

2.やりたいことを一つに決めようとしない

定年後の過ごし方を考えるとき、

「何か夢中になれるものを見つけたい」

と思うことがあります。

生きがいになる趣味。

長く続けられる活動。

これからの人生の中心になるもの。

もちろん、そうしたものが見つかれば素晴らしいことです。

ただ、最初から一つに決めようとすると、かえって動けなくなることもあります。

「本当にこれでいいのか」
「もっと自分に合うものがあるのではないか」
「途中で飽きたらどうしよう」

と考え始めるからです。

私自身、退職後すぐに「これが自分の生きがいだ」と言えるものがあったわけではありません。

本を読む。

歩く。

文章を書く。

AIを使って考える。

ギターを弾く。

運動する。

興味が向いたものを、少しずつ試してきました。

続いたものもあれば、続かなかったものもあります。

でも、それでよかったと思っています。

大切なのは、

最初から正解を決めることではなく、自分に合うかどうかを確かめていくこと

だからです。

たとえば、

「歴史に少し興味がある」

と思ったら、まず一冊読んでみる。

おもしろければ、史跡を訪ねてみる。

「何か作ってみたい」

と思ったら、小さな作品を一つ作ってみる。

「体を動かしたい」

と思ったら、いきなり本格的な運動を始めるのではなく、まず20分歩いてみる。

このくらいで十分です。

やってみて、

「これはもう少し続けたい」
「思ったほど楽しくなかった」
「一人より誰かとやる方がよさそうだ」

と分かれば、それも発見です。

定年後は、会社員時代のように「これをやらなければならない」ということが減ります。

だからこそ、

少し気になることを、自分で選んで試せる

という自由があります。

やりたいことは、頭の中だけで探しても見つからないことがあります。

実際にやってみることで、自分の反応が見えてきます。

だから、一つの大きな答えを探すより、

小さな候補をいくつか持って、試しながら残していく

くらいがちょうどいいと思います。

一つに決めなくてもいい。

途中で変えてもいい。

やめてもいい。

そう考えると、少し動きやすくなります。

そして、残ったものが少しずつ、自分なりの毎日の一部になっていきます。


気になることをいきなり大きく始める必要はありません。
まず小さく試して、自分に合うかを確かめる方法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

3.自分なりの「一日の組み合わせ」をつくる

いくつかのことを試してみると、

「これは続けたい」
「これは朝の方がやりやすい」
「これは毎日でなくてもいい」

と、自分なりの感覚が見えてきます。

そこまできたら、次は一つ一つの活動をバラバラに置くのではなく、

自分なりの一日の組み合わせをつくる

ことを考えてみます。

定年後は、自由な時間が増えます。

ただ、毎日その場で「今日は何をしよう」と考えていると、意外に疲れます。

やることを詰め込みすぎる必要はありませんが、

「朝はこれをする」
「午後はこんなふうに過ごす」

という大まかな型があると、一日は過ごしやすくなります。

私の場合は、

朝に本を読む。

そのあと歩く。

午前中は文章を書く。

午後はAIを使った制作をする。

ギターを弾く。

筋トレやエアロバイクで体を動かす。

というように、いくつかの活動を組み合わせています。

もちろん、毎日すべて同じではありません。

外出する日もあります。

何もしない時間が長い日もあります。

本ばかり読んでいる日もあります。

それでも、

自分の中に大まかな一日の型がある

ことで、時間を持て余す感覚はかなり減りました。

ここで大切なのは、予定をいっぱいにすることではありません。

むしろ、

自分が心地よく続けられる活動を、無理のない形で並べること

だと思います。

たとえば、

考える時間。

体を動かす時間。

何かを作る時間。

人と関わる時間。

何もしない時間。

こうした時間を、自分に合う割合で組み合わせていきます。

人によっては、毎日外へ出る方が調子がいいかもしれません。

反対に、一人で静かに過ごす時間が多い方が落ち着く人もいます。

大切なのは、誰かの理想的な過ごし方をまねすることではありません。

自分が「今日も悪くなかった」と思える一日をつくること。

定年後というと、

「新しい生きがいを見つける」
「第二の人生の目標を持つ」

といった大きな話になりがちです。

もちろん、それも一つの考え方です。

ただ私は、もっと小さく考えてもいいと思っています。

一冊の本を読む。

少し歩く。

何かを書く。

好きな音楽を聴く。

行ったことのない場所へ出かける。

そんな小さな活動を組み合わせながら、

自分で一日をつくれるようになることそのものが、定年後の新しい生活なのかもしれません。


一日の中で「考える・動く・休む」をどう配置するかまで整えたい場合は、
時間そのものを設計する考え方も参考になります。

私自身も、退職後すぐに答えがあったわけではない

私自身、会社を辞めたあと、最初から今の生活ができていたわけではありません。

会社員の頃は、仕事が一日の中心にありました。

朝起きる時間も、外へ出る理由も、人と会う予定も、ある程度は仕事が決めてくれていました。

ところが退職すると、その前提がなくなります。

時間は増えました。

でも、その時間をどう使うかは、自分で決めなければなりません。

最初から、

「これからはこれをやっていこう」

と一つに決めていたわけでもありませんでした。

むしろ、少しずつ試しながら、自分に合うものを残していったという方が近いです。

本を読む。

朝に歩く。

文章を書く。

AIを使って考えたり、作ったりする。

ギターを弾く。

筋トレやエアロバイクで体を動かす。

ときには、歴史に関心を持って実際にその場所へ出かける。

そうした活動を一つずつ増やすうちに、自分なりの一日の形ができてきました。

今振り返ると、特に大きかったのは、

仕事の代わりになる一つのものを探さなくなったこと

だと思います。

会社員時代は、仕事が生活の大きな柱でした。

だから退職後も、

「次の柱になる何かが必要なのではないか」

と考えやすい。

でも、実際には一つでなくてもいい。

読むこと。

考えること。

書くこと。

作ること。

体を動かすこと。

出かけること。

それぞれは小さくても、組み合わせると一日になります。

そして、その一日が積み重なると、自分なりの生活になっていきます。

もちろん、今の過ごし方が完成形だとは思っていません。

興味が変われば、やることも変わります。

体力が変われば、時間の使い方も変わるでしょう。

新しく試したいことが出てくれば、それを加えることもあります。

だから私は、定年後の生活は、

一度決めて完成させるものではなく、少しずつつくり直していくもの

だと思っています。

今日をどう過ごすか。

今、何に少し興味があるか。

何をやっていると、自分の調子がいいか。

そんなことを確かめながら、自分の生活をつくっていけばいいのだと思います。

定年後の過ごし方は、あとから変えていい

定年後の過ごし方は、あとから変えていい

一度つくった過ごし方も、ずっと同じである必要はありません。

最初は楽しかったことが、だんだん合わなくなることもあります。

反対に、以前はあまり興味がなかったことが、急におもしろく感じることもあります。

体力も変わります。

人との付き合い方も変わります。

関心の向く先も変わっていきます。

だから、定年後の生活は、

一度決めた形を守るものではなく、その時々の自分に合わせて見直していくもの

と考えた方が自然です。

たとえば、

毎日やっていたことを週に数回に減らす。

続けていた趣味をいったんやめる。

新しく興味を持ったことを加える。

外へ出る時間を増やす。

逆に、一人で過ごす時間を増やす。

そんな小さな調整で十分です。

大切なのは、

「せっかく始めたから続けなければ」

と考えすぎないこと。

続けること自体が目的になると、

せっかく自由になった時間が、また新しい義務のようになってしまいます。

定年後は、会社員時代よりも、自分で時間の使い方を選べます。

だからこそ、

今の自分に合っているか

を、ときどき確かめてみる。

合わなくなったら少し変える。

それでいいと思います。

生活を整えるというと、理想の一日を完成させることのように感じるかもしれません。

でも実際には、

試す。

続ける。

少し変える。

やめる。

また別のことを試す。

その繰り返しで、自分なりの過ごし方が育っていきます。

定年後の生活も、人生と同じように更新していくものです。

完成形を急がず、今の自分に合う形をその都度つくり直していけばいいのだと思います。


以前は合っていたものでも、今の自分には合わなくなることがあります。
そんなときは、続けることだけでなく、手放して選び直すことも必要です。

まとめ|定年後は「何をするか」より「どんな一日をつくるか」

定年後に時間が増えると、

「何かやることを見つけなければ」
「生きがいになるものを持たなければ」

と思うことがあります。

でも、最初から大きな答えを出す必要はありません。

まずは、

  1. 仕事がなくなって、何が空いたのかを見る
  2. やりたいことを一つに決めず、小さく試す
  3. 自分なりの一日の組み合わせをつくる

この3つから始めれば十分です。

定年後は、会社員時代のように、誰かが一日の予定を決めてくれるわけではありません。

そのぶん、

自分で毎日をつくっていく自由があります。

本を読む。

少し歩く。

何かを書く。

体を動かす。

出かける。

人と話す。

何もしない時間を持つ。

一つ一つは小さなことでも、それらを自分に合う形で組み合わせれば、一日はできていきます。

大切なのは、

仕事の代わりになる何かを一つ見つけることではありません。

今の自分が心地よく過ごせる時間を、少しずつ増やしていくことです。

最初から完成形をつくる必要もありません。

やってみて、違えば変える。

合わなくなれば手放す。

また気になることがあれば試してみる。

そんなふうに、定年後の生活も少しずつ更新していけばいいのだと思います。

「今日は何をしよう」と迷ったときは、

大きな生きがいを探す前に、

今日はどんな一日なら、自分なりに悪くなかったと思えるだろう。

そんな問いから始めてみてもいいかもしれません。

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