仕事で同じミスを繰り返してしまう。
次こそは気をつけようと思っていたのに、また同じところで間違えてしまった。
そんな経験はありませんか。
仕事でミスをすると、まず考えるのは
「もっと注意しなければ」ということかもしれません。
確認する回数を増やしたり、チェックリストを作ったりすることもあるでしょう。
もちろん、それも大切な方法です。
しかし、何度も同じミスが起きるなら、
仕事の進め方そのものに原因があるのかもしれません。
私は会社員時代、25年以上にわたって業務改革に取り組んできました。
そのなかで、仕事のミスを減らすために、さまざまな改善を行ってきました。
例えば、手元の資料と入力画面で情報の並びが違う場合、
資料の並びを変えるだけで入力ミスを減らせることがあります。
大切なのは、ミスをした人に注意を促すだけでなく、
なぜミスが起きるのかを考えることです。
この記事では、実際の業務改善の経験をもとに、
仕事で同じミスを繰り返さないための3つの工夫を紹介します。
この記事でわかること:
ミスが起きる原因を見つけ、仕事の流れを見直して、同じミスを防ぐための具体的な方法。
仕事で同じミスを繰り返すのはなぜ?

仕事のミスには、
知識や経験の不足、確認漏れなど、さまざまな原因があります。
しかし、仕事の進め方そのものに、
ミスを起こしやすい原因が隠れていることもあります。
例えば、紙の資料を見ながら、システムに情報を入力する仕事を考えてみましょう。
資料に書かれている情報と、入力画面の項目の並びが違っていたらどうでしょうか。
資料のあちこちを見ながら、入力する項目を探さなければなりません。
何度も視線を移すうちに、
違う数字を入力したり、項目を一つ飛ばしてしまったりするかもしれません。
また、必要な情報が別々のタイミングで届く仕事もあります。
先に届いた情報だけを入力し、残りはあとから追加する。
こうした作業では、追加する項目を忘れたり、
入力済みの情報と取り違えたりする可能性があります。
このような場合、担当者が注意していても、間違いが起きやすい状況は変わりません。
私が業務改革で大切にしてきたのは、
ミスが起きた作業だけでなく、その前後の仕事の流れまで見ることでした。
なぜ、その順番で作業しているのか。
なぜ、何度も同じ情報を扱わなければならないのか。
こうした疑問を持って仕事を見直すと、
今まで当たり前だと思っていた手順のなかに、改善できるところが見えてきます。
仕事のミスを減らす3つの工夫
① ミスが起きる原因を見つける
同じミスを繰り返さないためには、
まず、どこで、なぜミスが起きているのかを調べることが大切です。
ここで気をつけたいのは、
ミスが見つかった場所と、ミスの原因がある場所は、必ずしも同じではないということです。
例えば、私が会社員時代に取り組んだ基幹系システムの再構築では、
入力された情報の間違いが問題になっていました。
当時の仕事は、担当者が決められたルールに従って情報を作成し、
その結果を紙に記入してから、システムへ手入力するという流れでした。
一見すると、システムへの入力ミスが問題のように見えます。
しかし、実際に仕事の流れを調べると、もっと前の段階でも間違いが起きていました。
担当者が情報を作成する時点でミスをすることがあり、
さらに紙からシステムへ入力するときにもミスが発生していたのです。
つまり、入力するときだけ注意しても、情報を作成する段階のミスは防げません。
このように、ミスの原因を調べるときは、
問題が見つかった作業だけでなく、そこに至るまでの流れをたどる必要があります。
身近な仕事でも同じです。
入力した数字が間違っていたなら、入力操作を間違えたのか、元の資料に誤りがあったのか。
それとも、必要な情報がわかりにくい形で届いていたのか。
原因によって、必要な対策は変わります。
まずは、繰り返しているミスを一つ取り上げて、
そのミスがどの作業で生まれたのかを考えてみましょう。
仕事の流れを順番に書き出してみるだけでも、
今まで気づかなかった原因が見えてくることがあります。
仕事の流れを整理したい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

② 仕事の流れを変えて、ミスを起こりにくくする
ミスが起きる原因がわかったら、次は仕事の流れを見直します。
ここで大切なのは、確認作業を増やす前に、
ミスが起きにくい方法へ変えられないか考えることです。
私は会社員時代、ちょっとした仕事の進め方を変えることで、
ミスを減らす改善を数多く行ってきました。
例えば、手元に届く資料と、システムに入力する項目の並びが違っている場合です。
資料の上から順番に入力できれば簡単なのに、
入力画面の順番に合わせて資料のあちこちを探さなければならない。
こうした仕事では、資料を作成する担当者に相談し、
入力しやすい順番に情報を並べてもらうように変更したことがあります。
それだけでも、入力する人が迷う場面を減らせます。
また、必要な情報が別々の時期に届く仕事もありました。
先に届いた情報を入力して、あとから残りを追加する。
これでは、同じ案件を何度も開いたり、入力漏れが起きたりする可能性があります。
そこで、必要な情報がそろってから入力するように、仕事のプロセスを変更しました。
もちろん、すべての情報がそろうまで待てない仕事もあります。
納期や後工程への影響を考えながら、変更できるかどうかを判断する必要があります。
もう一つ、大きな改善の例があります。
先ほど紹介した基幹系システムの再構築です。
この仕事では、担当者が決められたルールに従って情報を作成し、
紙に記入したあと、システムへ入力していました。
そこで、一定のルールで情報を作成する部分をシステム化し、
紙への記入と転記をなくしました。
人が何度も情報を扱う作業を減らすことで、
それまで発生していたミスの原因そのものを取り除くことができたのです。
これらの改善に共通しているのは、
ミスをしないように頑張るのではなく、ミスが起きやすい作業を変えていることです。
大規模なシステム改革をしなくても、日常の仕事で見直せることはあります。
資料の並びを変えられないか。
作業する順番やタイミングを変えられないか。
同じ情報を何度も書いたり、入力したりしていないか。
いつもの仕事をこうした視点で眺めてみると、
意外なところに改善の余地が見つかるかもしれません。
自分だけでは変更できない場合も、
関係する人に相談しながら、小さなところから見直してみることが大切です。
仕事の流れを見直すには、自分の作業だけでなく、前後の仕事とのつながりを知ることも大切です。
以下の記事 では、その考え方を紹介しています。

③ それでも残るミスを、確認の仕組みで防ぐ
仕事の流れを見直しても、すべてのミスを防げるわけではありません。
人が判断したり、手作業で情報を扱ったりする以上、間違いが起きる可能性は残ります。
そこで必要になるのが、確認の仕組みです。
例えば、チェックリストを使って確認項目の抜け漏れを防ぐ。
重要な数字については、別の人にも確認してもらう。
こうした方法は、ミスを防ぐための有効な手段です。
ただし、私が業務改善で大切にしてきたのは、
確認の仕組みは、できるだけ最後に考えるということでした。
なぜなら、確認する作業を増やしても、
ミスが発生する原因そのものは残っている場合があるからです。
例えば、手元の資料と入力画面の並びが違うためにミスが起きているなら、
入力後のチェックを増やす前に、資料の並びを変えられないか考えます。
それでも間違いやすい項目が残るなら、そこを重点的に確認する仕組みを設ければよいのです。
また、チェックリストを作る場合も、何でも確認項目にすればよいわけではありません。
本当に間違えやすいところや、
間違えると大きな影響が出るところを考え、必要な項目に絞ることが大切です。
確認項目が多すぎると、チェックすること自体が負担になり、
形式的な作業になってしまうこともあります。
ダブルチェックも同じです。
二人で確認すれば必ずミスを発見できるわけではありません。
何を、どのように確認するのかが曖昧では、同じ間違いを見逃す可能性があります。
大切なのは、確認する回数を増やすことではなく、
何を防ぐための確認なのかを明確にすることです。
まず、ミスが起きる原因を取り除けないか考える。
それでも残るミスに対して、必要な確認の仕組みを設ける。
この順番で考えることで、
仕事の負担をむやみに増やさず、ミスを防ぐ方法を見つけやすくなります。
仕事を始める前の確認によって、やり直しを減らす方法もあります。
詳しくは、以下の記事で紹介しています。

ミスを防ぐ仕組みは、一度つくって終わりではない

仕事の流れを見直し、ミスを防ぐ仕組みをつくったら、それで終わりではありません。
大切なのは、実際にミスが減ったかどうかを確かめることです。
例えば、資料の並びを入力画面に合わせて変更した場合、以前より入力しやすくなったか。
同じような入力ミスが減っているか。
こうしたことを、実際に作業する人に聞いてみるのもよいでしょう。
また、ある作業を改善したことで、
別のところに負担が生まれていないかも確認したいところです。
例えば、入力する人にとっては便利になっても、
資料を作成する人の作業が大幅に増えてしまったら、
仕事全体としてよい改善になったとは限りません。
一つの作業だけでなく、前後の仕事も含めて考えることが大切です。
そして、思ったほどミスが減らなければ、もう一度原因を調べてみます。
最初に考えた原因が違っていたのかもしれません。
あるいは、別のところにも原因が残っているのかもしれません。
私は会社員時代、仕事を改善したあとも、
「もっとよいやり方はないか」と考え続けてきました。
一度の改善ですべてが解決するとは限りません。
小さな変更を試し、結果を確かめ、必要ならまた見直す。
その繰り返しによって、仕事の進め方は少しずつよくなっていきます。
ミスを防ぐ仕組みも、実際の仕事に合わせて育てていくものだと思います。
まとめ|同じミスを繰り返したら、仕事の流れを見直してみる
仕事で同じミスを繰り返すと、
つい「もっと気をつけなければ」と考えてしまいます。
しかし、注意するだけでは、同じミスを防げないこともあります。
今回紹介したのは、次の3つの工夫です。
- ミスが起きる原因を見つける
- 仕事の流れを変えて、ミスを起こりにくくする
- それでも残るミスを、確認の仕組みで防ぐ
大切なのは、最初からチェックする回数を増やすのではなく、
ミスが起きる原因を取り除けないか考えることです。
資料の並びを変える。
作業する順番を見直す。
不要な転記をなくす。
そんな小さな工夫でも、仕事は改善できることがあります。
もし、何度も繰り返しているミスがあれば、その作業の前後を少し振り返ってみてください。
「もっと注意する」以外にも、できることが見つかるかもしれません。

