仕事の手戻りを減らす方法|やり直しを防ぐ3つの確認

仕事の手戻りを減らす方法|やり直しを防ぐ3つの確認

上司から頼まれた資料を、時間をかけて作り上げた。

ところが、完成した資料を見せると、

「思っていたものと違う」「こういう内容にしてほしかった」と言われ、

最初からやり直すことに。

そんな経験はありませんか。

仕事の手戻りは、作業のミスだけで起こるわけではありません。

そもそも何のための仕事なのか、どのような成果物が求められているのか。

そこが十分に共有されていないまま作業を進めると、

完成してから認識の違いに気づくことがあります。

私自身、大企業で25年以上、さまざまな業務の進め方を見直す仕事に携わってきました。

その経験からも、

仕事の目的や完成イメージが共有されていないことは、手戻りを生む大きな原因だと感じています。

また、必要な情報が揃っていなかったり、

途中で条件が変わったことを知らずに作業を続けたりすることも、やり直しの原因になります。

こうした手戻りを減らすには、仕事を始める前の確認と、進めている間の情報の捉え方が大切です。

この記事では、仕事の手戻りを減らすために確認したい3つのことと、

途中で条件が変わったときの対応について、会議資料の作成を例に解説します。

目次

仕事の手戻りが発生するのはなぜ?

仕事の手戻りが発生するのはなぜ?

仕事の手戻りとは、一度進めた作業を、前の段階に戻ってやり直すことです。

例えば、上司から会議用の資料作成を頼まれたとします。

必要なデータを集め、グラフを作り、説明文を加えて、ようやく資料が完成しました。

ところが、上司に見せると

「今回は現状を説明するのではなく、今後の対応方針を決めるための資料が欲しかった」

と言われてしまいます。

これでは、資料の構成から考え直さなければなりません。

こうした手戻りが発生するのは、必ずしも作業の進め方が悪いからではありません。

仕事を始める前に、必要なことが十分に共有されていない場合があるからです。

特に、次のような状態では手戻りが起こりやすくなります。

  • 目的や趣旨が曖昧なまま進めている
    何のための仕事なのかが共有されず、作業の方向性がずれてしまう。
  • 成果物のイメージが一致していない
    どのような内容や構成が求められているのかを確認せず、完成してから認識の違いに気づく。
  • 必要な情報が揃っていない
    不足している情報を推測で補ったり、仮の数値を使ったりして、あとから大幅な修正が必要になる。

もちろん、仕事の途中で状況や条件が変わり、修正が必要になることもあります。

ただし、条件の変更そのものと、変更に気づかず古い条件のまま作業を続けてしまうことは別です。

手戻りを完全になくすことはできません。

それでも、仕事を始める前に確認すべきことを明確にし、

途中の変化にも目を向けることで、避けられるやり直しは減らせます。

では、具体的に何を確認すればよいのでしょうか。

仕事の手戻りを減らす3つの確認

仕事の手戻りを減らすには、

作業を始める前に、いくつかのことを確認しておく必要があります。

ここでは、会議資料の作成を例に、3つの確認ポイントを紹介します。

① 仕事の目的・趣旨を確認する

仕事を依頼されたら、

最初に確認したいのは「何のために、その仕事をするのか」という目的です。

例えば、上司から「来週の会議で使う資料を作ってほしい」と頼まれたとします。

しかし、それだけでは、どのような資料を作ればよいのかわかりません。

現状を報告する会議なのか、

問題点を共有する会議なのか、

それとも今後の対応方針を決める会議なのか。

会議の目的によって、資料に盛り込む内容は大きく変わります。

そこで、まずは次のようなことを確認します。

  • 何のための会議なのか
  • 誰が参加するのか
  • 参加者に何を伝えたいのか
  • 会議で何を決めたいのか

大切なのは、単に資料を作ることではなく、

その資料によって何を実現したいのかを理解することです。

目的がわかれば、どの情報が重要なのか、

どこを詳しく説明すべきなのかも判断しやすくなります。

反対に、目的が曖昧なままでは、どれだけ丁寧に資料を作っても、

求められている内容から外れてしまうかもしれません。

仕事を始める前に、まず目的と趣旨を共有する。

これが、無駄な手戻りを減らすための最初の確認です。

② 成果物のイメージを確認する

仕事の目的がわかったら、

次に確認したいのは、どのような成果物を作るのかということです。

会議資料であれば、ページ数や形式だけでなく、

「何をどのような順番で伝えるのかというストーリー(構成案)」まで考えることが大切です。

例えば、今後の対応方針を決めるための会議なら、次のような構成が考えられます。

  1. 現状はどうなっているのか
  2. 何が問題になっているのか
  3. どのような対応が考えられるのか
  4. 今回の会議で何を決めたいのか

この段階では、細かなデータや説明文まで作り込む必要はありません。

まずは資料の全体像を考え、「この流れで説明しようと思います」と上司に確認します。

すると、

「問題点よりも、対応策の比較を詳しく説明してほしい」

「最初に結論を示してほしい」

といった意見が出てくるかもしれません。

構成案の段階であれば、こうした変更にも大きな手間をかけずに対応できます。

一方、資料を最後まで作り込んでから方向性の違いに気づくと、

データの整理やグラフの作成までやり直すことになりかねません。

大切なのは、完成した資料を見せて初めて認識を合わせるのではなく、

作り始める前に、完成イメージを共有しておくことです。

もちろん、最初から細部まで決める必要はありません。

まずは全体のストーリーを共有し、方向性が合っていることを確かめてから、

具体的な内容を作り込んでいきましょう。


資料の構成が複雑な場合は、全体の流れを簡単な図にしてみるのも一つの方法です。

考えを図にして整理する方法は、以下の記事で紹介しています。

③ 必要な情報が揃っているか確認する

仕事の目的と成果物のイメージが共有できたら、

次は、その成果物を作るために必要な情報を確認します。

会議資料であれば、構成案に沿って、どのようなデータや情報が必要なのかを洗い出します。

例えば、今後の対応方針を決める資料なら、次のような情報が必要になるでしょう。

  • 現状を説明するための実績データ
  • 問題点を明らかにするための情報
  • 対応策を比較するための費用や効果
  • 判断するうえで必要な条件や制約

ここで大切なのは、

必要な情報が、必要なときに使える状態になっているかということです。

例えば、対応策を比較するための費用がまだ確定していない場合、

そのまま仮の数値で資料を作り込むと、あとから大幅な修正が必要になるかもしれません。

だからといって、すべての情報が揃うまで仕事を止める必要はありません。

まず、確定している情報と、まだ確定していない情報を分けて考えます。

そして、未確定の情報については、誰が、いつまでに確認できるのかを把握しておきます。

そのうえで、確定している情報を使って進められる部分から作業する。

仮の数値を使う場合も、その前提を明確にし、あとから差し替えられるようにしておきます。

また、必要な情報が予定どおりに揃わない場合は、早めに関係者と相談することも大切です。

情報が不足していることに気づかず、推測で作業を進めてしまうと、

完成してから大きなやり直しが発生することがあります。

何がわかっていて、何がまだわかっていないのか。

それを明確にするだけでも、仕事の進め方は変わります。

必要な情報を確認し、揃っていないものを把握したうえで作業を進める。

これが、情報不足による手戻りを減らすための3つ目の確認です。


必要な情報がどの業務から、どのように渡されるのかを整理したい場合は、
業務フローを描く方法も役立ちます。

仕事の途中で条件が変わったら?

仕事の途中で条件が変わったら?

仕事を始める前に、目的や成果物のイメージ、必要な情報を確認していても、

途中で状況が変わることはあります。

例えば、会議資料を作成している途中で、

会議の参加者が変更になったり、新しいデータが出てきたりする場合です。

こうした変化が起きること自体は、決して悪いことではありません。

問題なのは、条件が変わったことに気づかず、以前の前提のまま仕事を進めてしまうことです。

せっかく資料を完成させたのに、

「実は会議の方針が変わったんだ」と言われたら、大きなやり直しになってしまいます。

そうならないためには、

仕事を進めながら、条件の変化にアンテナを立てておくことが大切です。

例えば、会議資料であれば、次のようなことを意識します。

  • 会議の目的や議題に変更はないか
  • 参加者や判断する人が変わっていないか
  • 使用するデータに新しい情報はないか
  • 関係部署の方針や予定に変更はないか

もちろん、すべての情報を常に追いかける必要はありません。

自分が担当する仕事に影響しそうな情報は何かを考え、

その情報がどこから得られるのかを把握しておきます。

上司や関係者との会話、定例会議、共有される資料などにも、

仕事の前提が変わる手掛かりがあります。

気になる情報があれば、自分から確認してみることも必要です。

そして、変化に気づいたら、まず自分の仕事にどのような影響があるかを考えます。

資料の一部を修正すればよいのか。それとも、ストーリーそのものを見直す必要があるのか。

早い段階で気づけば、関係者と相談しながら、修正する範囲や進め方を調整できます。

条件の変化をなくすことはできません。

しかし、変化に早く気づくことで、無駄な作業を減らすことはできます。

仕事は、最初に決めたとおりに進むとは限りません。

だからこそ、目の前の作業だけに集中するのではなく、

その仕事を取り巻く状況にも目を向けておきたいものです。

まとめ|仕事の手戻りは事前の確認と変化への気づきで減らせる

仕事の手戻りを減らすためには、作業を始める前に、必要なことを確認しておくことが大切です。

今回紹介したのは、次の3つの確認です。

  1. 仕事の目的・趣旨を確認する
    何のための仕事なのか、何を実現したいのかを共有する。
  2. 成果物のイメージを確認する
    完成形だけでなく、内容やストーリーまで共有する。
  3. 必要な情報が揃っているか確認する
    確定している情報と未確定の情報を分け、進め方を考える。

そして、仕事を始めてからも、条件の変化にアンテナを立てておくことが欠かせません。

手戻りを完全になくすことはできませんが、

認識の違いや情報不足による無駄なやり直しは減らせます。

大切なのは、目の前の作業をただ進めるのではなく、

何のために、何を、どのような条件で作るのかを理解しておくことです。

仕事を始める前の少しの確認と、進めながらの小さな気づき。

その積み重ねが、無駄な手戻りを減らし、

仕事をより良く進めることにつながっていくのではないでしょうか。

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