職場や日常生活で、周囲からよく相談される人がいます。
困ったときに「あの人に聞いてみよう」と思ってもらえる人です。
そんな人を見て、
自分も誰かに頼られたり、
相談されたりする存在になりたいと思ったことはありませんか?
でも、相談される人になるには、豊富な知識や経験が必要なのでしょうか。
もちろん、専門的な知識や経験が役立つ場面もあります。
ただ、何でも知っていて、どんな問題にも答えられる人でなければ、
相談されないというわけではないと思います。
私自身、会社員時代には、さまざまな立場の人から相談を受ける機会がありました。
その経験を振り返ると、
大切だったのは、すぐに正解を示すことよりも、
相手が何を求めているのかを理解し、その人に合った関わり方をすることだったように思います。
そして、そうした関わり方の土台にあるのは、日頃からの信頼関係です。
相談される人になるために大切なのは、
何でも解決できることではなく、相手が安心して話せる関係をつくることではないでしょうか。
この記事では、私自身の経験も振り返りながら、
相談される人になるために大切にしたい3つの心がけを紹介します。
相談される人には、どんな特徴がある?

誰かに相談したいと思ったとき、
私たちは何を基準に相談相手を選んでいるのでしょうか。
その分野に詳しい人や、経験が豊富な人に相談することもあるでしょう。
一方で、知識や経験だけで相談相手を選んでいるわけではないと思います。
例えば、どれほど詳しい人でも、
こちらの話を十分に聞かずに意見を押しつけられると、
次は相談しにくくなるかもしれません。
反対に、すぐに答えが出なくても、話を聞いてもらい、
一緒に考えてもらえるだけで、気持ちや考えが整理されることもあります。
相談する側が求めていることは、そのときの状況によって違います。
気持ちを聞いてほしいときもあれば、具体的な意見がほしいときもあります。
自分では問題を整理できず、一緒に考えてほしい場合もあるでしょう。
つまり、相談される人には、単に話を聞くのが上手なだけでなく、
相手が何を求めているのかを理解しようとする姿勢があるのではないでしょうか。
そして、もう一つ大切なのが、日頃からの関わり方です。
相談されるかどうかは、相談を受けたときの対応だけで決まるものではないと思います。
普段の何気ないやり取りの中で、
「この人なら話しても大丈夫」と思える関係が少しずつできていく。
そうした信頼の積み重ねも、相談しやすさにつながるのではないでしょうか。
では、具体的にどのようなことを心がければよいのでしょうか。
次からは、私自身の経験を振り返りながら、3つに分けて考えていきます。
相談される人になるための3つの心がけ
① 安心して話せる信頼関係をつくる
相談される人になるために、
まず大切なのは、相手が安心して話せる関係をつくることだと思います。
そのために必要なのは、特別な会話の技術だけではありません。
普段から、相手にどう接しているかが大切です。
私が会社員時代に心がけていたことの一つは、
相手の立場や所属部署によって態度を変えないことでした。
役職が上の人であっても、若い担当者であっても、一人の人として向き合う。
もちろん、それぞれの立場に応じた礼儀や配慮は必要です。
ただ、相手によって話を聞く姿勢を変えたり、
意見を軽く扱ったりすることは避けるようにしていました。
また、相談された内容を、むやみに他の人へ話さないことも大切にしていました。
相談には、仕事上の問題だけでなく、人間関係や個人的な事情が含まれることもあります。
安心して話してもらうためには、相手の話を慎重に扱う必要があります。
ただし、自分だけでは対応できないことや、関係者との情報共有が必要なこともあります。
その場合は、相談者に確認しながら進めることが大切です。
もう一つ心がけていたのは、わからないことを、わからないと伝えることです。
相談されたからといって、何でも答えられるわけではありません。
自分の専門外のことや、十分な知識がないこともあります。
そんなときに、無理に答えを出そうとすると、かえって相手を迷わせてしまうかもしれません。
私は、わからないことは正直に伝え、
必要であれば、その分野に詳しい人や適任者を紹介するようにしていました。
相談されたことに何でも答えるよりも、
相手にとって必要な助けにつなげることの方が大切な場合もあります。
こうした日頃の小さな対応が、すぐに何かの成果になるわけではありません。
それでも、一つひとつのやり取りを誠実に重ねることが、
安心して相談できる関係につながっていくのではないでしょうか。
② 相手が何を求めているのかを考える
相談を受けたとき、私が意識していたのは、
相手が何を求めているのかを理解することでした。
一口に相談といっても、その内容はさまざまです。
気持ちを聞いてほしい相談もあれば、
具体的な意見や解決策を求めている相談もあります。
また、知識を教えてほしい場合もあれば、
自分の考えを一緒に整理してほしい場合もあります。
そのため、私は相談の内容によって、対応の仕方を変えるようにしていました。
例えば、強い感情を伴う相談では、まず聞くことに徹します。
相手が不満や悩みを抱えているときに、
途中で意見を挟んだり、
すぐに解決策を示したりしても、うまく伝わらないことがあります。
そんなときは、相手が自分の気持ちを十分に話せるように、
最後まで聞くことを大切にしていました。
一方、仕事上の判断など、論理的な意見を求められる相談では、対応が変わります。
相手の状況を理解したうえで、
自分の知識や経験から、率直に意見や解決策を伝えます。
相手が具体的な助言を求めているのに、話を聞くだけでは十分ではないからです。
また、何かを教えてほしいという相談なら、
相手がどこまで理解しているのかを考え、
その人の視点からわかるように説明することも大切です。
自分にとって当たり前のことでも、相手にとっては初めて聞く内容かもしれません。
専門的な言葉を並べるより、
相手が理解できる言葉で伝える方が役に立つでしょう。
相談に対する適切な対応は、いつも同じとは限りません。
話を聞くことが必要なときもあれば、はっきりと意見を伝えた方がよいときもあります。
また、最初は気持ちを聞いてほしかった人が、
話すうちに具体的な助言を求めることもあるでしょう。
だからこそ、自分が何を話すかを考える前に、相手が何を求めているのかを考える。
その姿勢が、相談する側にとっての話しやすさにつながるのではないでしょうか。
相談では、自分と相手の考え方が違うこともあります。
そんなときの向き合い方については、以下の記事でも紹介しています。

③ 相手が自分で決められるように支える
相談の中には、
相手自身も何に困っているのか、うまく整理できていない場合があります。
「どうしたらいいかわからない」「考えがまとまらない」といった相談です。
そんなとき、私はまず、質問しながら現状を整理するところから始めていました。
今、どのような状況なのか。
何が問題になっているのか。
何に困っていて、どうなればよいと考えているのか。
一つずつ確認しながら、相手と一緒に問題を明確にしていきます。
考えがまとまらないときには、頭の中にあることを一つずつ整理する方法も役立ちます。
具体的な進め方は、以下の記事で紹介しています。

ここで大切なのは、自分が一方的に問題を決めつけないことです。
相談する側には、その人なりの事情や考えがあります。
話を聞きながら質問を重ねることで、
最初は見えていなかった問題が明らかになることもあります。
問題が整理できたら、次はどうするかを一緒に考えます。
私は、自分の考えを伝えるだけでなく、
相手がどのように考えているのかを聞きながら、選択肢を探すようにしていました。
また、その選択によって、少し先に何が起こりそうかも考えます。
例えば、ある方法を選んだ場合、
目の前の問題は解決しても、別のところに負担が生まれるかもしれません。
反対に、すぐには成果が出なくても、
長い目で見ればよい方向につながる場合もあります。
こうした可能性を一緒に考えることで、
目の前の問題だけでなく、その先も見据えて判断できるようになります。
ただし、最後にどうするかを決めるのは、相談してきた本人です。
私がよいと思う方法でも、相手にとって最善とは限りません。
その人自身が納得して選ぶことが大切だと思います。
そして、相手が決めたことについて、
自分にできることがあれば、実行をサポートするようにしていました。
相談は、答えを伝えたら終わりとは限りません。
一緒に考え、相手が自分で決め、必要に応じてその後も支える。
相手の代わりに答えを出すのではなく、相手が自分で前に進めるように関わること。
私は、そうした姿勢も、相談される人にとって大切なのではないかと考えています。
選択肢があっても、どう決めればよいかわからないことがあります。
そんなときの考え方については、以下の記事も参考になります。

相談される人は、何でも解決できる人ではない

会社員時代を振り返ると、私はさまざまな人から相談を受けていました。
同じ部署の人だけでなく、他部署の人から相談を持ちかけられることもありました。
ときには、自分より役職が上の人から相談されることもあり、
「なぜ私のところに相談が来るのだろう」と不思議に思ったこともあります。
もちろん、相談されたことに、いつも答えられたわけではありません。
それでも相談してもらえたのは、なぜだったのでしょうか。
今になって振り返ると、
何でも解決できるからではなく、
まずは話を聞き、一緒に考える相手として見てもらえていたのかもしれません。
相談する側にとって、最初から答えがわかっている必要はないこともあります。
何が問題なのか整理できていないとき、
誰に聞けばよいのかわからないとき、
あるいは自分の考えを誰かに聞いてほしいとき。
そんなときに、まず話してみようと思える相手がいるだけでも、
次の一歩につながることがあります。
そして、相談を受ける側も、すべてを自分で引き受ける必要はありません。
自分にできることと、できないことがあります。
それを見極めながら、相手にとって必要な関わり方を考えればよいのだと思います。
相談される人とは、何でも解決できる人ではなく、
困ったときに一緒に考えてみたいと思ってもらえる人なのかもしれません。
振り返ってみると、私も相談される人になろうと、特別に意識していたわけではありません。
目の前の相手が何に困っているのかを考え、自分にできることをしてきた。
その積み重ねが、結果として相談してもらえる関係につながっていたのかもしれません。
まとめ|相談される人は、信頼を積み重ねている
今回は、相談される人になるために大切にしたい3つの心がけを紹介しました。
- 安心して話せる信頼関係をつくる
- 相手が何を求めているのかを考える
- 相手が自分で決められるように支える
相談される人になるために、
何でも知っていたり、すべての問題を解決できたりする必要はありません。
大切なのは、相手の話に耳を傾け、
その人が何を求めているのかを理解しようとすることです。
そして、必要なときには一緒に考え、相手が自分で前に進めるように支える。
そうした関わり方が、少しずつ信頼につながっていくのだと思います。
ただ、相談される人になろうと、特別に振る舞う必要はないのかもしれません。
普段から相手の立場を尊重し、一つひとつのやり取りに誠実に向き合う。
相談されることは、その積み重ねの結果なのではないでしょうか。
まずは、目の前の人の話を大切にすることから始めてみたいですね。

