考えを図解すると見えてくる|全体像をつかむ3つのステップ

考えを図解すると見えてくる|全体像をつかむ3つのステップ

「考えていることはあるのに、全体像がうまくつかめない」

「人に説明しようとすると、話が長くなってしまう」

そんなとき、私はよく図にして考えていました。

会社員時代、プロジェクトの構想や業務の流れを整理するときも、

まず大きく3つくらいに分ける。

そして、それぞれをどこに置くか考える。

たとえばプロセスなら、

上流工程。
自工程。
下流工程。

構造なら、

下にインフラ。
その上にツール。
一番上に業務。

そんなふうに並べてみると、それまで頭の中だけでは見えにくかった関係が見えてきます。

「ここが土台になっている」

「この問題は、自工程だけの話ではない」

「業務の問題に見えるけれど、本当はその下のツールに原因がある」

といったことにも気づきやすくなります。

私は、きれいな図をつくろうとしていたわけではありません。

会議中にホワイトボードへ、その場で四角や線を書きながら考えることもよくありました。

大切なのは、見栄えではありません。

何を、どこに置くかを考えること。

位置を決めようとすると、

何と何が同じなのか。

何が前で、何が後なのか。

何が土台で、何がその上にあるのか。

自然と考えることになります。

図解とは、考えたことをきれいに見せるための技術だけではありません。

要素を分け、位置を決め、関係を置いてみることで、自分自身が全体像を理解するための方法

でもあります。

この記事では、考えを図解しながら全体像をつかむための3つのステップを紹介します。

目次

図にすると、考えの関係が見えてくる

図にすると、考えの関係が見えてくる

文章で考えていると、どうしても一つずつ順番に追うことになります。

でも、実際の仕事や問題は、そんなに単純ではありません。

前後の流れがあり、

上下の階層があり、

いくつもの要素が影響し合っています。

たとえば、業務上の問題を考えるときも、

目の前で起きていることだけを見ていると、

その原因が上流にあるのか、

自分たちの工程にあるのか、

下流とのつながりにあるのか、

分かりにくいことがあります。

そこで、いったん図にしてみます。

上流工程。
自工程。
下流工程。

あるいは、

インフラ。
ツール。
業務。

というように、要素を置いてみる。

すると、

「これは同じ階層ではない」

「この要素は、こちらの土台になっている」

「ここからここへ情報が流れている」

といった関係が見えてきます。

図解のよさは、

複数の要素と、その関係を同時に見られること

にあります。

頭の中だけでは、一つずつ別々に考えていたことも、

図にすると一枚の中に並びます。

すると、

どこがつながっているのか。

どこが切れているのか。

どこに重なりがあるのか。

全体を見ながら考えられるようになります。

そして、もう一つ大切なのは、

図に置こうとすると、自分がまだ分かっていない部分にも気づける

ことです。

「これは上なのか、下なのか」

「これは前なのか、後なのか」

「この二つはどうつながっているのか」

位置を決めようとして迷うところは、

まだ自分の中でも関係が整理できていないところかもしれません。

つまり図解は、

考えを整理したあとに描くものではありません。

図にしながら、考えそのものを整理していく方法

でもあるのです。


複雑なものを要素と関係に分けて見る考え方については、「構造把握力」の記事でも詳しく整理しています。

考えを図解する3つのステップ

考えを図解する3つのステップ

図解するとき、最初から細かく描こうとすると、かえって複雑になります。

私がよくやっていたのは、

まず大きく分ける。

次に、位置を決める。

最後に、つながりを見る。

という流れです。

図解というより、

考えを配置していく

感覚に近かったと思います。

1.まず大きく3つくらいに分ける

最初にするのは、細かく分類することではありません。

まずは、

「大きく分けると、どんなまとまりになるか」

を考えます。

私は、3つくらいに分けることがよくありました。

たとえば、業務のプロセスなら、

  • 上流工程
  • 自工程
  • 下流工程

という3つに分ける。

構造を見るなら、

  • インフラ
  • ツール
  • 業務

という3つに分ける。

もちろん、何でも必ず3つに分ければよいわけではありません。

大切なのは、

最初から細部に入りすぎず、まず全体を置ける大きな枠をつくること

です。

細かい要素ばかり見ていると、

それぞれは分かっても、

全体として何が起きているのか見えにくくなります。

そこで、一度大きなまとまりにしてみる。

そうすると、

「これはどこに属するのか」

「この二つは同じグループなのか」

と考えやすくなります。

まず大きく分けることで、

複雑だったものが少し扱いやすくなるのです。


複雑なものをいったん分けて考えるときには、「分析力」の考え方も役立ちます。

2.位置を決めて並べる

次に、

分けたものをどこに置くか考えます。

ここが、図解の中でも特に大切なところです。

たとえば、プロセスなら、

上流工程
↓
自工程
↓
下流工程

という流れで置く。

構造なら、

一番下にインフラ。

その上にツール。

一番上に業務。

というように置く。

位置を決めると、

ただ分類しただけでは見えなかった関係が出てきます。

何が土台なのか。

何がその上に乗っているのか。

何が前で、何が後なのか。

何が同じ階層にあるのか。

こうしたことを考えざるを得なくなるからです。

私もホワイトボードに書きながら、

「これはここではないな」

「こちらの下に置いた方がいい」

と、その場で何度も位置を変えていました。

きれいに描くことより、

何をどこに置けば、その関係が一番よく見えるか

を考えていたのだと思います。

位置を考えること自体が、

構造を考えることになります。

3.つながりと問題点を見る

位置が決まったら、

次に、それぞれがどうつながっているかを見ます。

必要なら、

線や矢印を書き加えます。

すると、

どこから情報が来るのか。

どこへ渡っていくのか。

何が何に依存しているのか。

どこで流れが止まっているのか。

が見えやすくなります。

ここで大切なのは、

問題が見えている場所と、原因がある場所は同じとは限らない

ということです。

たとえば、

自工程で問題が起きていても、

実は上流から渡される情報に原因があるかもしれません。

業務上の問題に見えても、

その下にあるツールやインフラに原因があることもあります。

図にして関係を見ると、

目の前の問題だけではなく、

その周囲まで含めて考えられるようになります。

つまり図解は、

問題を一つの点として見るのではなく、

全体の関係の中で見るための方法

でもあります。

図解すると、問題の場所が分かりやすくなる

図解すると、問題の場所が分かりやすくなる

問題が起きると、どうしても目の前の現象に意識が向きます。

エラーが出た。

作業が遅れている。

入力ミスが多い。

問い合わせが増えている。

すると、その場所を直そうとします。

もちろん、それで解決することもあります。

でも、実際には、

問題が起きている場所だけを見ても、

本当の原因が分からないことがあります。

私も業務を見直すときは、

その工程だけを見るのではなく、

上流から何が入ってきて、

自工程で何をして、

下流へ何を渡しているのか

を図にして見るようにしていました。

すると、

自工程で起きている問題が、

実は上流から渡される情報の不足によるものだったり、

下流側の条件に合わせるために、

途中で無理な処理が増えていたりすることがあります。

構造を考えるときも同じです。

業務だけを見るのではなく、

その下にあるツールやインフラまで分けて置いてみる。

すると、

業務ルールの問題だと思っていたものが、

実はシステムの制約だった。

あるいは、

ツールの問題だと思っていたものが、

そもそもの業務設計に原因があった。

ということも見えてきます。

図にすると、

どこで問題が起きているのか。

どこから影響が来ているのか。

どこを変えると、ほかにも影響が出るのか。

を全体の中で考えやすくなります。

目の前の現象だけを追うのではなく、

少し引いて全体を見る。

そのために、図はとても役に立つのです。


問題をどこから捉え、どう解いていくかについては、「問題解決の考え方」でも整理しています。

図解は、人に説明するときにも強い

図解は、自分の考えを整理するときだけではありません。

人に説明するときにも、とても役に立ちます。

文章だけで説明しようとすると、

「まずここがあって、次にこれがあって、その下にこういう仕組みがあって……」

と、どうしても長くなります。

聞く側も、

「今、全体のどこを話しているのか」

が分からなくなることがあります。

そんなとき、一枚の図があると話が変わります。

たとえば、

上流工程。
自工程。
下流工程。

を並べておけば、

「今話しているのは、自工程のここです」

と指しながら説明できます。

構造なら、

インフラ。
ツール。
業務。

を上下に置いておくことで、

「この問題は業務そのものではなく、その下のツールに関係しています」

と伝えやすくなります。

私も会議では、ホワイトボードにその場で図を書きながら説明することがよくありました。

きれいな資料を用意するよりも、

話しながら四角を書き、

線を引き、

必要なら位置を変える。

その方が、参加している人と同じ図を見ながら考えられます。

ここで大切なのは、

図が説明の完成品ではなく、対話の土台になること

です。

人によって、頭の中に描いている全体像は違います。

同じ言葉を使っていても、

想像している範囲や関係が違うこともあります。

でも、一枚の図を見ながら話せば、

「ここは違う」

「この関係も入れた方がいい」

「この部分は、実は別の流れになっている」

と、その場で認識を合わせやすくなります。

つまり図解は、

情報を分かりやすく伝えるためだけではなく、

同じ全体像を見ながら考えるための共通の土台

にもなります。

きれいな図をつくる必要はない

図解というと、

見やすい資料をつくること。

きれいな図を描くこと。

色やアイコンを使って、分かりやすく見せること。

そんなイメージを持つかもしれません。

もちろん、それも図解の一つです。

でも、考えるための図解なら、

そこまで整っている必要はありません。

私も実際には、

ホワイトボードにその場で四角を書き、

線を引き、

必要なら消して、

また書き直す。

そんな使い方をしていました。

見栄えは、それほど気にしていません。

大切なのは、

何をどこに置くかを考えること

だからです。

上なのか。

下なのか。

前なのか。

後なのか。

同じグループなのか。

別の階層なのか。

位置を決めようとすると、

それぞれの関係を考えることになります。

そして、

「ここではない気がする」

「この二つは同じ並びではない」

という違和感も出てきます。

その違和感が、

考えを見直すきっかけになります。

紙に手書きでもいい。

ホワイトボードでもいい。

四角と線だけでもいい。

最初は雑でもかまいません。

図は、完成品でなくていい。
考えながら変えていく途中の図でいい。

そう考えると、

図解は特別なスキルではなく、

誰でも使える思考の道具になります。


言葉にすると考えの輪郭が見え、図にするとその関係が見えやすくなります。

言葉にする方法については、「考えを言語化する3つのステップ」も参考になります。

1分ワーク|考えていることを3つに分けてみる

最後に、今考えていることを一つだけ図にしてみましょう。

紙でも、ノートでも、ホワイトボードでもかまいません。

次の順番で十分です。

  1. 今、整理したいテーマを一つ決める
  2. それを大きく3つくらいに分ける
  3. 上下・左右・前後のどこに置くか決める
  4. 必要なら線や矢印でつなぐ
  5. 「どこが曖昧か」「どこに問題がありそうか」を見る

大切なのは、きれいに描くことではありません。

まず、

何をどこに置くか

を考えてみることです。

位置を決めようとすると、

「これは同じ並びでいいのか」

「こちらが土台ではないか」

「この二つは、実は直接つながっていないのではないか」

といったことが見えてきます。

うまく置けないものがあれば、

そこはまだ関係が整理できていない部分かもしれません。

そんなときは、無理に完成させなくても大丈夫です。

一度置いてみて、

違和感があれば動かしてみる。

線を引いてみて、

違うと思えば消してみる。

図解も、言語化と同じように、

いったん形にして、違和感を見ながら直していけばいい

のだと思います。

まとめ|図にすると、考えの構造が見えてくる

考えていることはあるのに、全体像がつかみにくい。

人に説明しようとすると、話が長くなる。

問題が起きている場所は見えても、原因がどこにあるのか分からない。

そんなときは、いったん図にしてみると考えやすくなります。

今回紹介したのは、

  1. まず大きく3つくらいに分ける
  2. 位置を決めて並べる
  3. つながりと問題点を見る

という3つのステップです。

図解するときに大切なのは、きれいに描くことではありません。

何をどこに置くかを考えること。

前なのか、後なのか。

上なのか、下なのか。

同じ階層なのか。

土台になるものなのか。

そうした位置関係を考えることで、要素同士の関係が見えてきます。

そして関係が見えると、

どこで流れが止まっているのか。

どこに無理があるのか。

どこから影響が来ているのか。

問題も全体の中で捉えやすくなります。

図解は、人に説明するためだけの技術ではありません。

自分の考えを外に出し、全体を見ながら考えるための方法

でもあります。

紙に四角と線を書くだけでもいい。

ホワイトボードに、その場で書きながら考えてもいい。

完成した図でなくてもかまいません。

言葉にすると、考えの輪郭が見えてくる。

図にすると、その考え同士の関係が見えてくる。

考えが複雑になったときほど、

一度、外に出して眺めてみる。

それだけで、見え方が変わることがあるのだと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次