人生の節目に立つと、
「これから、何をするのか」
と聞かれることがあります。
退職したあと。
仕事を変えたあと。
これまで大きかった役割が、一段落したあと。
自分でも、
「これから何者になればいいのだろう」
と考えることがあります。
会社員なら、会社名や役職があります。
仕事をしていれば、
「何をしている人なのか」
を説明しやすい。
でも、その役割がなくなると、
自分の輪郭まで少し薄くなったように感じることがあります。
そんなとき、新しい肩書きや目標を早く見つけたくなります。
次は何をするのか。
どんな活動をするのか。
何者として生きていくのか。
ただ、人生の後半では、
これから何者になるかを、最初から決めなくてもいいのではないか
と思うようになりました。
私自身、退職したあとに、
「次はこれをする人になる」
と最初から決めていたわけではありません。
本を読む。
文章を書く。
AIを使って考える。
運動する。
気になる場所へ出かける。
そんなことを少しずつ続けているうちに、今の生活の形ができてきました。
先に名前があったのではなく、
続けてきた行動のあとから、今の自分が見えてきた
という方が近い気がします。
何者になるかを決めてから動く。
そんな順番だけでなくてもいい。
気になることを試す。
続くものを残す。
合わないものはやめる。
その中で、
「自分は今、こういうことを大切にしているんだな」
と気づいていく。
この記事では、
人生後半の自分を急いで定義しないための3つの考え方
について考えてみます。
なぜ「何者か」を決めたくなるのか

これまで大きな役割を持っていた人ほど、その役割がなくなったあとに、
「自分は何をしている人なのだろう」
と考えやすくなります。
会社員なら、会社名があります。
役職があります。
職種があります。
それだけで、自分の立ち位置をある程度説明できます。
でも、退職したり、働き方が変わったりすると、その説明が急になくなります。
すると、
「何をしているのか」
だけでなく、
「自分は何者なのか」
まで分からなくなったように感じることがあります。
肩書きがあると、自分を説明しやすい
肩書きは、とても便利です。
「会社員です」
「管理職です」
「プロジェクトリーダーです」
そう言えば、相手にもある程度イメージしてもらえます。
自分自身も、
「自分はこういう役割を持っている」
と確認できます。
だから、その肩書きがなくなると、少し不安になります。
次は何を名乗ればいいのか。
どんな役割を持てばいいのか。
新しい目標をつくらなければいけないのではないか。
そう考えたくなるのも自然なことだと思います。
ただ、ここで急いで新しい肩書きを決める必要はありません。
肩書きは、自分を説明する一つの方法ではありますが、
自分そのものではないからです。
役割が終わっても、自分までなくなるわけではない
会社員だった。
リーダーだった。
管理職だった。
親だった。
誰かを支える立場だった。
こうした役割は、自分の人生の大切な一部です。
でも、役割には終わる時期があります。
環境が変われば、続けなくなる役割もあります。
そのとき、
「以前の役割がなくなったから、自分には何も残っていない」
と考える必要はありません。
役割がなくなっても、
経験は残っています。
考え方も残っています。
興味も残っています。
これから試したいこともあります。
むしろ、今までの肩書きが少し薄くなったからこそ、
「自分は本当は何に時間を使いたいのか」
「何をしているときに、自分らしいと感じるのか」
を見やすくなることもあります。
何者かを急いで決める前に、
今の自分が何に動いているのかを見る。
そこから始めてもいいと思います。
これまでの役割や価値観が、今の自分にも合っているとは限りません。
役割・豊かさ・時間の使い方を見直したいときは、こちらの記事も参考になります。

これから何者になるかを決めなくていい3つの考え方

人生の節目では、
「次は何をするのか」
を早く決めたくなります。
でも、最初から肩書きや役割を決めなくても構いません。
大切なのは、
今の自分が何に関心を持ち、何を続けているのかを見ることです。
ここでは、人生後半の自分を急いで定義しないための3つの考え方を紹介します。
1.肩書きより、今やっていることを見る
新しい肩書きを考える前に、
まず、
今、自分が何をしているか
を見てみます。
本を読んでいる。
文章を書いている。
歩いている。
新しいことを試している。
誰かに頼まれたわけではないのに、続けていることがある。
そこには、今の自分の関心が表れています。
私自身、退職したあとに、
「これからは、こういう人になる」
と決めていたわけではありません。
本を読む。
ブログやnoteを書く。
AIを使って考える。
運動する。
歴史のある場所へ出かける。
そうしたことを続けているうちに、
「自分は、学ぶことや考えることを大切にしているんだな」
「書くことも、今の生活の一部になっているな」
と見えてきました。
最初に名前をつけたのではなく、
行動を続けたあとに、自分の形が見えてきた
という感覚です。
「何者になるか」
を考える前に、
「今、何をしているか」
を見る。
そこから始めてもいいと思います。
2.一つの肩書きにまとめようとしない
人生後半になるほど、
経験や関心は一つではありません。
仕事で身につけたことがあります。
趣味があります。
学びたいことがあります。
体を整えたい気持ちもあります。
新しく試してみたいこともあります。
それなのに、
「結局、自分は何者なのか」
と一つの言葉にまとめようとすると、苦しくなることがあります。
たとえば、
「書く人」
と決めたら、
書くこと以外は本筋ではないように感じる。
「第二の仕事を見つける人」
と考えたら、
仕事にならない活動は意味がないように感じる。
でも、本当にそうでしょうか。
書くこともする。
読むこともする。
運動もする。
旅もする。
新しい技術も試す。
その全部が、今の自分でも構いません。
一つの肩書きにまとめなくても、生活は成り立ちます。
むしろ、いろいろな関心を持っているからこそ、
思いがけないつながりが生まれることもあります。
人生後半は、
一つの役割に自分を閉じ込めるより、
いくつかの関心を持ちながら、自分の形をつくっていく
ほうが自然なこともあります。
3.続けたあとに、名前をつければいい
何かを始めるとき、
「これは何になるのか」
「将来につながるのか」
と考えたくなることがあります。
でも、最初から意味や名前を決めなくても構いません。
気になるからやってみる。
面白いから続ける。
少し合わないと思ったらやめる。
その繰り返しの中で、何が残るのかを見る。
続けているうちに、
「これは自分にとって大切なことなんだな」
と気づくことがあります。
書き続けていたら、発信することが生活の一部になった。
本を読み続けていたら、学ぶことが自分の軸になった。
運動を続けていたら、体を整えることを大切にしていると分かった。
そうやって、
行動のあとから、意味や名前がついてくる
こともあります。
何者になるかを決めてから動く。
そんな順番だけではありません。
動く。
続ける。
振り返る。
そして、
「今の自分は、こういうことを大切にしているのかもしれない」
と気づく。
その順番でも、十分です。
気になることがあっても、自分に合うかは考えているだけでは分からないことがあります。
そんなときは、小さく試して確かめる方法もあります。

何者かになろうとすると、選択肢が狭くなることもある

「自分はこれをする人になる」
と決めることには、良い面もあります。
進む方向がはっきりする。
迷いが減る。
行動しやすくなる。
ただ、早く決めすぎると、
その肩書きに合わないことを、自分から遠ざけてしまうことがあります。
たとえば、
「これからは文章を書く人になる」
と決めたとします。
すると、
文章に直接つながらないことは、やらなくていいように感じるかもしれません。
運動する。
旅に出る。
歴史を調べる。
新しい技術を試す。
一見すると、書くこととは関係がないように見えます。
でも、あとから振り返ると、
そうした経験が文章の材料になったり、
自分の考え方を広げたりすることがあります。
人生後半では、
まだ意味が分からないことを試せる余地も残しておきたいものです。
「これは何につながるのか」
を最初から決めすぎない。
「自分はこういう人だから」
と行動を狭めすぎない。
少し気になるなら、やってみる。
続かなければやめてもいい。
思っていた以上に面白ければ、続ければいい。
まだ形が決まっていない時期には、曖昧さそのものが余白になります。
その余白があるからこそ、
これまでの自分なら選ばなかったことにも手を伸ばせます。
何者になるかを急いで決めないことは、
何も決めないことではありません。
むしろ、
これから変わる可能性を残しておくこと
なのだと思います。
少し気になることを、いきなり新しい役割にせず、一定期間だけ試してみる方法もあります。
自分との相性を確かめたいときは、30日チャレンジという考え方も使えます。

「今はこうしている」で十分
「今、何をしているのですか」
と聞かれたとき、
少し答えに困ることがあります。
以前なら、
「会社員です」
「この仕事をしています」
と答えればよかった。
でも、役割が変わると、
短い言葉で説明しにくくなります。
そんなとき、無理に新しい肩書きをつくらなくてもいいと思います。
「今は、本を読んだり文章を書いたりしています」
「AIを使いながら、いろいろ試しています」
「興味のあることを少しずつやっています」
それで十分です。
ここで大切なのは、
未来の自分まで決めてしまわないことです。
「私はこういう人です」
と固定するのではなく、
「今は、こうしています」
と現在形で考える。
そうすると、
あとから関心が変わっても、
自然に方向を変えやすくなります。
人生の段階が変われば、
興味も変わります。
大切にしたいことも変わります。
使いたい時間も変わります。
それなら、自分の説明も変わっていい。
今日の自分を、これから先ずっと続ける必要はありません。
今の自分をそのまま言葉にして、先のことは少し開けておく。
そんな状態でもいいのではないでしょうか。
退職後に何をするか一つに決められないときは、
仕事の代わりを探すより、自分なりの一日の組み合わせをつくる方法もあります。

1分ワーク|肩書きではなく、今やっていることを見る
ここまで読んだら、今の自分について3つだけ書いてみます。
- 最近、自然に続けていること
- つい時間を使ってしまうこと
- 誰に頼まれなくてもやっていること
立派なことでなくても構いません。
本を読む。
歩く。
文章を書く。
人と話す。
新しいことを調べる。
何となく続いていることの中に、今の自分の関心が表れていることがあります。
そのうえで、
「この3つを続けたら、自分はどんな方向へ進んでいくだろう」
と考えてみます。
ここでも、答えを決めなくていいです。
「こうかもしれない」
くらいで十分です。
大切なのは、
何者になるかを決めることではなく、
今の自分がどこへ動いているのかを見ることです。
まとめ|何者になるかは、あとから見えてくることもある
人生の節目では、
「これから何をするのか」
「次は何者になるのか」
を決めたくなります。
肩書きがあると、自分を説明しやすくなります。
進む方向も見えやすくなります。
でも、人生後半では、
最初から自分を一つの言葉で決めなくてもいいと思います。
今回紹介したのは、次の3つです。
- 肩書きより、今やっていることを見る
- 一つの肩書きにまとめようとしない
- 続けたあとに、名前をつければいい
何者になるかを先に決める。
そんな進み方もあります。
一方で、
気になることを試す。
自然に続くものを残す。
合わないものはやめる。
そうしているうちに、
「自分は、こういうことを大切にしているんだな」
と見えてくることもあります。
私自身も、退職後に最初から今の生活を描いていたわけではありません。
本を読む。
書く。
AIを使う。
運動する。
出かける。
そんなことを続けているうちに、今の形ができてきました。
だから、
何者になるかは、先に決めるものではなく、続けたあとに見えてくることもある。
そう考えています。
人生後半は、
新しい肩書きを急いでつくるより、
今の自分が何に心を動かされているのかを見る。
そして、気になることを少しずつ試してみる。
その積み重ねの先に、
今の自分らしい形が見えてくるのかもしれません。

