「なぜ、あのとき気づかなかったのだろう」
「あんな判断をしなければよかった」
「こうしておけば、失敗しなかったのに」
失敗したことを何度も思い出して、後悔してしまうことはありませんか。
私も、そんな経験を何度もしてきました。
会社員時代、25年以上にわたって業務改革のプロジェクトリーダーを務めてきました。
多くの成果を上げてきた一方で、判断を誤ったこともあります。
プロジェクトの責任者ですから、最終的な責任は自分にあります。
「あのとき、別の判断をしていれば」
そんな思いが頭から離れず、しばらく落ち込むこともありました。
実は、会社を辞めた今でも、思い出す失敗があります。
でも、どれだけ後悔しても、起きてしまったことは変えられません。
そこで私は、失敗したことを前提に、今から何ができるのかを考えるようにしてきました。
失敗をカバーする方法を探しているうちに、別の可能性が見えてくることがあります。
そして、その可能性が見えてくると、落ち込んだ気持ちも少しずつ軽くなっていきました。
失敗を忘れる必要はありません。
大切なのは、失敗した後に何ができるかを考えることです。
この記事では、私自身の経験をもとに、
失敗を引きずってしまうときに試したい3つのコツを紹介します。
失敗を引きずってしまうのはなぜ?

失敗したことを何度も思い出してしまうのは、
過去の判断を悔やむ気持ちがあるからではないでしょうか。
「あのとき、別の方法を選んでいれば」
「もう少し慎重に考えていれば」
そんなふうに、過去に戻ってやり直したくなることもあります。
特に、自分の判断によって周囲に迷惑をかけてしまったときは、簡単には割り切れません。
私も業務改革のプロジェクトリーダーとして、さまざまな判断をしてきました。
その中には、今でも悔やんでいるものがあります。
「こういう仕様にしておけばよかった」
「なぜ、あのとき気づかなかったのか」
「なぜ、あんな判断をしてしまったのか」
プロジェクトでは、自分の判断が多くの人の仕事に影響します。
だからこそ、うまくいかなかったときには責任を感じますし、
しばらく落ち込むこともありました。
ただ、後悔している間にも、仕事は進んでいきます。
起きてしまった問題が、自然になくなるわけではありません。
もちろん、失敗した原因を振り返ることは大切です。
同じ失敗を繰り返さないためにも、何がまずかったのかを考える必要があります。
しかし、原因を振り返ることと、
「なぜあんなことをしたのだろう」と自分を責め続けることは違います。
どれだけ考えても、過去の判断そのものを変えることはできません。
失敗を思い出すことと、その失敗から前に進めないことは、同じではないのです。
大切なのは、後悔する気持ちを無理に消そうとするのではなく、
起きたことを受け止め、そこからどうするかを考えることだと思います。
失敗を引きずるときに試したい3つのコツ
① 失敗した事実を受け止める
失敗したときは、まず、起きてしまったことを受け止めることが大切です。
とはいえ、すぐに気持ちを切り替える必要はありません。
私も失敗すれば、しばらく落ち込みます。
「なぜ、あんな判断をしてしまったのか」
「もう少し考えていれば、防げたのではないか」
そんな後悔が、何度も頭に浮かびます。
プロジェクトの責任者として、
落ち込んでいる場合ではないとわかっていても、気持ちは簡単には切り替わりません。
ただ、どれだけ悔やんでも、すでに起きてしまったことは変えられません。
そこで私は、後悔していることと、実際に起きたことを分けて考えるようにしていました。
例えば、仕事で判断を誤った場合です。
「もっと慎重に考えるべきだった」という後悔はあります。
しかし、現実に起きているのは、その判断によって仕事に問題が生じているということです。
まずは、その問題がどのようなものなのかを確かめる必要があります。
そのために、次の2つを整理してみましょう。
- 実際に何が起きたのか。 どんな問題が生じ、何に影響しているのか。
- すでに変えられないことは何か。 過去の判断や、起きてしまった出来事など。
こうして整理すると、後悔する気持ちと、
今向き合うべき問題を分けて考えやすくなります。
もちろん、失敗の原因を振り返ることも必要です。
ただし、それは自分を責め続けるためではなく、
何がまずかったのかを理解し、次に生かすためです。
失敗した事実を受け止めることは、
失敗を正当化したり、諦めたりすることではありません。
起きてしまったことを認め、
今の状況から何ができるのかを考えるための出発点なのです。
起きた出来事と、自分がそこに加えた意味を分けて考える方法は、以下の記事でも詳しく紹介しています。

② 失敗を前提に、今からできることを考える
失敗した事実を受け止めたら、次は、今から何ができるのかを考えてみましょう。
「あのとき、こうしておけばよかった」
そう考えても、過去の判断を変えることはできません。
それよりも、今の状況をどう立て直すかに目を向けることが大切です。
私もプロジェクトで失敗したときは、
責任者として、いつまでも後悔しているわけにはいきませんでした。
すでに問題が起きているのですから、それを前提に仕事を進める必要があります。
そこで私は、失敗をカバーする方法を必死に考えるようにしていました。
「この問題を、どうすれば解決できるだろう」
「影響をできるだけ小さくするには、何ができるだろう」
「今の状況から、どんな対応ができるだろう」
考える対象を、過去の判断から、これからの対応へと移していくのです。
例えば、仕事で失敗したときには、次の3つを考えてみます。
- 今、最も困っていることは何か。
- 失敗によって生じた問題の中で、優先して対応すべきことを見つける。
- これ以上、問題を大きくしないために何ができるか。
- 必要な報告や関係者への連絡など、すぐにできる対応を考える。
- 今から取り戻せることは何か。
- 修正できる部分や、別の方法で補える部分を探す。
問題が起きたときは、すぐに対応しなければならないこともあります。
そんなときは、気持ちが落ち着くのを待つのではなく、必要な対応から始めます。
もちろん、すぐに解決策が見つかるとは限りません。
それでも、できることを一つずつ考えていくと、少しずつ状況が見えてきます。
私の場合、失敗をカバーする方法を考え始めると、
落ち込んだ気持ちも少しずつ軽くなっていきました。
何かできることが見つかると、
「まだ何とかなるかもしれない」と思えるようになるからです。
つまり、気持ちが前向きになったから、次の方法を考えられたわけではありません。
次にできることを考えているうちに、気持ちも少しずつ前を向いていったのです。
失敗した直後から、無理に明るく考える必要はありません。
まずは、今からできることを一つ探してみる。
それが、後悔から次の行動へと進むきっかけになることもあります。
③ 当初の方法にこだわらず、別の可能性を探す
失敗をカバーする方法を考えるときは、
当初のやり方にこだわらず、別の可能性を探してみましょう。
うまくいかなかった方法が、目的を実現する唯一の方法とは限らないからです。
私が取り組んだ業務改革プロジェクトでも、そんな経験がありました。
あるとき、デザイナーが作成するデータに、
実現上の制約を設けていなかったことがありました。
その結果、設計者にとっては、
そのままでは実現できないデータができてしまったのです。
当然、設計者からは不満が噴出しました。
私はその場にいなかったのですが、
話を聞いたときは「まずかったかな」と思いました。
実際に仕事を進める設計者たちに、
悪いことをしてしまったという気持ちもありました。
しかし、その後、
この問題をどうすればよいのかと考えているうちに、
別の可能性が浮かんできました。
そもそも、デザイナーが求めているのは、
そのデータが表しているものではないだろうか。
だとすれば、データをそのまま再現できなくても、
デザイナーの要求に近づける方法はあるのではないか。
これは、ニーズとシーズの問題だと考えました。
デザイナーが実現したいことと、設計者が技術的に実現できること。
その間をどう埋めるかを考えればよいのではないかと思ったのです。
この可能性には、比較的早い段階で気づきました。
ただ、思いついたからといって、すぐに確信が持てたわけではありません。
本当にその考え方でよいのか。
どんな方法が考えられるのか。
3日ほど考え続けるうちに、その方向で進める価値があると確信するようになりました。
そこで、設計者たちに考え方を伝えました。
デザイナーのデータをそのまま再現することが目的ではない。
デザイナーが本当に求めているものに、どうすれば近づけられるのか。
そこに設計者の工夫があるのではないか、と。
すると、設計者たちも、その考え方を面白がってくれました。
「このデータは実現できない」と考えるのではなく、
「どうすれば要求に近づけられるか」と考えるようになったのです。
もちろん、デザイナーの要求を完全に満たせるわけではありません。
それでも、近づける方法は一つではありません。
設計者たちがさまざまな工夫を考えるようになり、
当初の案よりもアイデアが広がっていきました。
この経験から、失敗したときほど、本来の目的に立ち返ることが大切だと感じました。
最初の方法がうまくいかなかったからといって、その目的まで諦める必要はありません。
別の方法で、同じ目的に近づけるかもしれないからです。
例えば、仕事や日常生活で予定していた方法がうまくいかなかったときも、次のように考えてみます。
- そもそも何を実現したかったのか。
- 失敗した方法ではなく、本来の目的を確かめる。
- 別の方法で、その目的に近づけないか。
- 最初の案にこだわらず、違う進め方を考える。
- 今ある条件の中で、何ができるか。
- 完全には実現できなくても、少しでも近づける方法を探す。
もちろん、別の方法を考えれば、必ず良い結果になるわけではありません。
取り返しのつかない失敗もありますし、
どんなに考えても、十分にカバーできないこともあります。
また、今回の事例でも、最初から実現上の制約を考えておくべきだったという反省は残ります。
それでも、起きてしまった状況を前提に、別の可能性を探すことはできます。
そして、ときには、当初考えていなかった新しいアイデアが生まれることもあるのです。
失敗した方法にとらわれず、本来の目的から考え直す。
そこに、新しい可能性を見つけるきっかけがあるのだと思います。
目の前の問題だけでなく、本来実現したい姿から考える方法については、
以下の記事で詳しく紹介しています。

失敗を忘れなくても、前に進むことはできる

失敗したことを、いつまでも覚えているのは悪いことなのでしょうか。
私は、そうは思いません。
25年以上、業務改革のプロジェクトリーダーを務めてきましたが、
会社を辞めた今でも、過去の失敗を思い出すことがあります。
「あのとき、もう少し考えていれば」
「なぜ、あんな判断をしてしまったのだろう」
そんな思いが、ふと頭に浮かぶのです。
もちろん、今さら何かを変えられるわけではありません。
それでも、当時の判断を悔やむ気持ちが、完全になくなったわけではないのです。
ただ、失敗を忘れられないことと、その失敗から前に進めないことは違います。
私も、失敗するたびに落ち込みました。
しかし、その後は、起きてしまったことを前提に、何とかカバーする方法を考えてきました。
そして、必死に考えているうちに、別のアイデアが浮かぶこともありました。
最初は「どうしよう」と思っていたことが、
「こうすれば何とかなるかもしれない」に変わっていく。
その可能性が見えてくると、気持ちも少しずつ軽くなっていきました。
もちろん、すべての失敗を取り戻せるわけではありません。
いくら考えても、元には戻せないこともあります。
それでも、失敗した後に何をするかは、まだ自分で選べます。
今できる対応をする。
別の方法を探す。
そして、次に同じ失敗を繰り返さないようにする。
失敗した過去は変えられなくても、
その後の行動まで決まってしまうわけではありません。
失敗から立ち直るとは、失敗したことを忘れることではなく、
その失敗があっても、次に進めるようになること。
私は、そう考えています。
過去の失敗を悔やむ気持ちが残っていても、これからの可能性まで失われたわけではないのです。
まとめ|失敗した後にできることを考えよう
失敗したことを何度も思い出し、後悔してしまうことは誰にでもあると思います。
無理に忘れようとしたり、すぐに気持ちを切り替えようとしたりする必要はありません。
大切なのは、失敗した後に何ができるのかを考えることです。
今回紹介した3つのコツは、次のとおりです。
- 失敗した事実を受け止める
- 失敗を前提に、今からできることを考える
- 当初の方法にこだわらず、別の可能性を探す
私も失敗するたびに落ち込み、後悔してきました。
しかし、起きてしまったことを前提に、
カバーする方法を考えているうちに、
新しい可能性が見えてくることもありました。
そして、その可能性が見えることで、
気持ちも少しずつ前向きになっていったのです。
もし今、過去の失敗を悔やんでいるなら、
まずは「今から何ができるだろう」と考えてみませんか。
失敗した過去は変えられなくても、
そこから先にできることは、まだ残っているかもしれません。

