仕事の教え方がわからない人へ|部下や後輩を育てる3つのコツ

仕事の教え方がわからない人へ|部下や後輩を育てる3つのコツ

部下や後輩に仕事を教えるとき、

どこまで説明すればよいのか、迷うことはありませんか。

丁寧に教えたつもりでも、なかなか仕事を覚えてもらえない。

何度も同じことを質問されたり、自分で判断できずに手が止まってしまったりする。

かといって、細かく指示し続けていては、

いつまでも一人で仕事を進められるようになりません。

仕事を教えるのは、意外と難しいものです。

私は会社員時代、25年以上にわたってBPR(業務プロセス改革)に取り組み、

多くの部下や後輩と一緒に仕事をしてきました。

そのなかで大切にしていたのは、

最初に必要なことをしっかり教え、その後はできるだけ本人に任せることです。

まず、仕事の目的や全体像を説明する。

次に、具体的な手順や成果物の水準を伝える。

そして、実際に仕事を任せ、本人に考えてもらう。

もちろん、任せっぱなしにするわけではありません。

成果物を確認し、必要なときには相談にも乗ります。

この記事では、私が実践してきた経験をもとに、

部下や後輩に仕事を教えるための3つのコツを紹介します。

仕事を教える目的は、手順を覚えてもらうことだけではありません。

自分で考え、判断しながら仕事を進められるようになってもらうことだと思います。

目次

仕事の教え方が難しいのはなぜ?

仕事の教え方が難しいのはなぜ?

部下や後輩に仕事を教えるとき、

つい自分が普段やっている手順を、そのまま説明してしまうことがあります。

「まず、この資料を確認して、次にこの情報を入力する。そして、最後にここをチェックする」

教える側にとっては、当たり前の流れかもしれません。

しかし、教わる側は、その仕事を初めて経験することもあります。

手順は理解できても、なぜその作業が必要なのか、

何のために行っているのかまでは、わかっていないかもしれません。

そうなると、教わったとおりに進めることはできても、

少し状況が変わっただけで判断に迷ってしまいます。

また、仕事の完成形がわからないことも、教わる側にとっては難しい点です。

例えば、「この資料を作っておいて」と頼まれても、

どの程度まで詳しく書けばよいのか、

何を重視すればよいのかがわからなければ、手が止まってしまいます。

教える側には完成形が見えていても、教わる側には見えていないのです。

だからといって、すべてを細かく指示すればよいわけでもありません。

その場では仕事が進んでも、いつまでも指示を待つようになってしまうかもしれません。

私が仕事を教えるときに大切にしていたのは、

手順だけでなく、自分で考えるための判断基準を伝えることでした。

何のための仕事なのか。

どのような成果を出す必要があるのか。

それがわかっていれば、想定していなかったことが起きても、目的に立ち返って考えられます。

では、具体的に何を、どのような順番で教えればよいのでしょうか。

次から、私が実践してきた3つのコツを紹介します。

仕事の教え方|部下や後輩を育てる3つのコツ

① 仕事の目的と全体像から説明する

私が部下や後輩に仕事を教えるとき、

最初に説明していたのは、仕事の目的と全体像です。

具体的な作業手順から教えることは、ほとんどありませんでした。

まず、この仕事は何のために行うのか。

そして、仕事全体の中で、どのような役割を担っているのか。

そこから説明するようにしていました。

例えば、他部署から必要な情報を集めて、会議資料を作成する仕事があったとします。

単に「この情報を集めて、資料にまとめてほしい」と伝えるだけでは、

どの情報が重要なのか判断できないかもしれません。

そこで、最初に会議の目的を説明します。

何を決めるための会議なのか。

その判断には、どのような情報が必要なのか。

さらに、作成した資料が、会議でどのように使われるのかも伝えます。

そうすれば、単に情報を集めるのではなく、

会議で判断するために必要な情報を考えながら仕事を進められます。

私はBPR(業務プロセス改革)に取り組むなかで、

仕事を一つひとつの作業としてではなく、

前後の仕事とのつながりで捉えることを大切にしてきました。

部下や後輩に教えるときも、同じ考え方です。

自分が担当する仕事の前には、どのような仕事があるのか。

自分が作った成果物は、次に誰が、何のために使うのか。

こうした関係も説明していました。

仕事の目的と全体像がわかっていれば、

教わった手順どおりに進まないことが起きても、自分で考える手がかりになります。

例えば、必要な情報がそろわなかったときも、

何のためにその情報が必要なのかがわかれば、別の方法で確認できないか考えられます。

もちろん、最初からすべてを理解してもらう必要はありません。

まずは、その仕事の目的と、前後の仕事とのつながりがわかれば十分です。

手順を覚える前に、何のためにその仕事をするのかを理解してもらう。

私は、それが仕事を教えるときの最初の一歩だと考えています。


仕事の全体像を理解する方法については、以下の記事でも詳しく紹介しています。

② 手順だけでなく、成果物の水準まで見せる

仕事の目的と全体像を説明したら、次は具体的な仕事の進め方を教えます。

ここでは、作業の手順だけでなく、

どのような成果物を作ればよいのかまで伝えることを大切にしていました。

例えば、会議資料を作成する仕事なら、

まず必要な情報をどこから集め、どのように整理するのかを説明します。

その際にも、なぜその作業が必要なのかを、仕事の目的と結びつけて伝えます。

そして、実際に作成した資料を見せます。

完成した資料を見ることで、

どの程度の内容が必要なのか、

どのような形にまとめればよいのかが、具体的にわかるからです。

ただし、完成した資料を見せるだけでは十分ではありません。

私は、その資料のどこが重要なのかも説明していました。

例えば、会議で判断してもらうための資料なら、

結論や判断材料となる数字が重要になります。

その数字は何を意味しているのか。どのような情報を根拠にしているのか。

また、資料を読む人が、何を理解できればよいのか。

そうした点を、実際の成果物を使いながら説明します。

完成した形を見せるだけでなく、なぜその形になっているのかを伝えることが大切です。

もちろん、過去の成果物をそのまま真似してほしいわけではありません。

仕事の目的が変われば、必要な情報や資料の構成も変わることがあります。

だからこそ、成果物の重要な部分を理解してもらい、

自分で考えて作れるようになってほしいのです。

もう一つ、私が意識していたのは、

求める水準をできるだけ具体的に伝えることです。

「わかりやすくまとめてほしい」

「しっかり確認してほしい」といった言葉だけでは、人によって受け取り方が違います。

どの情報は必ず必要なのか。

どこまで確認できていればよいのか。

どのような状態なら仕事が完了したといえるのか。

こうしたことを、実際の成果物を見ながら共有しておきます。

そうすれば、本人も何を目指して仕事を進めればよいのかがわかります。

仕事の完成形と、その中で大切にすべきことを具体的に示す。

それが、部下や後輩に仕事を任せるための準備になると思います。


仕事を始める前に、目的や成果物の完成イメージを確認することは、

手戻りを減らすことにもつながります。

詳しくは以下の記事で紹介しています。

③ 実際に任せて、自分で考えてもらう

仕事の目的と全体像を理解し、

具体的な手順や成果物の水準もわかったら、

次は実際に仕事をしてもらいます。

私は、最初に必要なことを説明したら、

できるだけ早い段階で本人に任せるようにしていました。

自分で考え、判断する経験を積むことが、仕事を覚えるうえで大切

だと考えていたからです。

例えば、部下が資料を作成したときには、成果物を確認していました。

ただし、細かく修正を指示することは、あまりしませんでした。

「ここはいいね」

「この部分は、もう少し考えた方がいいかな」

そんなふうに、良い点や気になった点を伝える程度です。

もちろん、明らかなミスがあれば指摘します。

しかし、それ以外は、どう直すかを本人に考えてもらいます。

質問されたときも、すぐに答えを教えるのではなく、

「この仕事の目的から考えると、どう思う?」

と問いかけることがよくありました。

最初に目的や全体像を説明しているのは、

こうした場面で自分の判断基準として使ってほしいからでもあります。

もう一つ、私がよく実践していたのが、

他部署との打ち合わせを早い段階で一人で任せることです。

最初のうちは一緒に打ち合わせに参加し、進め方を見てもらいます。

しかし、ある程度わかったら、次からは本人に一人で行ってもらいました。

その際、事前に必ず確認していたことがあります。

それは、目指すべき成果と、最低限得てきてほしい成果です。

例えば、他部署と仕事の進め方を調整するなら、できれば合意まで得てきてほしい。

しかし、合意が難しい場合でも、何が問題になっているのか、

相手がどのような条件を求めているのかは確認してきてほしい。

そうしたことを事前に話し合ってから、送り出していました。

打ち合わせでは、予想していなかった質問や反論を受けることもあります。

その場に私がいれば、つい助けてしまうかもしれません。

しかし、一人で行けば、本人がその場で考え、対応しなければなりません。

私は、この経験が人を大きく成長させると感じていました。

そして、打ち合わせが終わったら、どのような結果になったのかを聞きます。

うまく進められたときには、

「やるね」

と褒めることもありました。

一方、思うように進まなかったときには、何があったのかを聞きます。

相手から予想外の指摘を受けたのなら、

「そこを突かれちゃったんなら、しょうがないね」

そんなふうに話すこともありました。

失敗したからといって、責めることはしませんでした。

大切なのは、何が起きたのかを理解し、次に生かすことだからです。

もちろん、相手の経験や仕事の難しさによって、任せる範囲は考える必要があります。

判断を誤ると大きな問題になる仕事まで、いきなり一人に任せるわけではありません。

それでも、いつまでも教える側が先回りしていては、本人が判断する機会は増えません。

最初に必要なことを教えたら、あとは本人に考えてもらう。

そして、結果を確認しながら、少しずつ任せる範囲を広げていく。

私は、そうした経験の積み重ねが、自分で仕事を進める力につながると考えています。

教えすぎず、任せっぱなしにもしない

教えすぎず、任せっぱなしにもしない

私自身、若いころは、仕事をあまり教えてもらえませんでした。

十分な説明もないまま仕事を任され、

自分で考えながら進めることが多かったのです。

わからないこともありましたし、失敗することもありました。

それでも、自分で調べたり、周囲の人に聞いたりしながら、

少しずつ仕事を覚えていきました。

今振り返ると、その経験が、

自分で考えて仕事を進める力につながった面もあると思います。

ただし、だからといって、部下や後輩にも同じ経験をさせればよいとは考えていません。

仕事の目的も、求められる成果もわからないまま任されるのは、

本人にとって負担が大きいものです。

だから私は、最初に必要なことはきちんと教えるようにしていました。

そのうえで、本人が考えられる部分は、できるだけ任せる。

教えるべきことは教え、考えるべきことは本人に考えてもらう。

この区別を大切にしていました。

また、仕事を任せることと、責任を手放すことは違います。

部下が仕事をしている間も、上司として結果を確認し、

要なときには支える責任があります。

そして、十分に仕事ができるようになったと思えたら、

細かく確認することも減らしていきました。

あとは本人に任せ、困ったときに相談に乗る。

そうすることで、本人も自分なりの仕事の進め方を見つけられるようになります。

教える側がいつまでも答えを持ち続ける必要はありません。

教わる側が自分で考え、時には教える側が思いつかなかった方法を見つけることもあります。

私は、それも人に仕事を任せる楽しさの一つだと思っています。

仕事を教えることは、自分と同じやり方をする人を増やすことではありません。

自分で考え、自分なりに仕事を進められる人を育てること。

そのために、最初は教え、少しずつ任せていくことが大切なのだと思います。

まとめ|仕事のやり方だけでなく、考え方も伝えよう

部下や後輩に仕事を教えるとき、

手順を丁寧に説明するだけでは、十分ではないことがあります。

大切なのは、本人が仕事の目的を理解し、

自分で考えながら進められるようになることです。

今回紹介したのは、次の3つのコツです。

  1. 仕事の目的と全体像から説明する
  2. 手順だけでなく、成果物の水準まで見せる
  3. 実際に任せて、自分で考えてもらう

最初に必要なことを教えたら、実際に仕事を経験してもらう。

うまくいったことは認め、失敗したときには原因を一緒に考える。

仕事を教える目的は、自分と同じやり方を覚えてもらうことではありません。

自分で考え、自分なりに仕事を進められるようになってもらうことだと思います。

もし今、部下や後輩への教え方に迷っているなら、

まずは仕事の目的と全体像を伝えることから始めてみてはいかがでしょうか。

そのうえで、少しずつ本人に任せる機会を増やしていく。

教える側が一歩引くことで、本人が成長する機会も生まれるのだと思います。

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