AIに別の立場から考えてもらう|視点を増やす3つの方法

AIに別の立場から考えてもらう|視点を増やす3つの方法

何かを考えるとき、私たちはどうしても自分の視点から始めます。

自分で調べたこと。
これまで経験してきたこと。
自分なりに考えて、納得したこと。

それらをもとに判断するので、最初の答えが自分中心になるのは自然なことです。

ただ、自分の中では筋が通っていても、相手から見ると違って見えることがあります。

私も会社員時代、業務改革や新しい仕組みを考えるとき、

現場の担当者、周囲の関係者、反対する人、顧客など、

できるだけ違う立場の意見を聞くようにしていました。

立場が変わると、見えるものも変わるからです。

今なら、その前段階にAIを使えます。

AIに別の立場から考えてもらうことで、自分だけでは見えなかった視点を増やすことができます。

この記事では、その方法を3つに分けて紹介します。


AIを答えを出す道具ではなく、考える相手として使う基本的な方法は、こちらの記事で整理しています。

目次

なぜ自分の視点だけでは足りないのか

なぜ自分の視点だけでは足りないのか

自分の視点から考えること自体は、悪いことではありません。

むしろ、最初はそこから始めるしかありません。

自分で情報を集め、考え、仮説をつくる。

その過程は必要です。

ただし、

自分の中で筋が通っていることと、相手が納得することは同じではありません。

たとえば、業務を効率化する仕組みを考えたとします。

全体としては時間を減らせる。
コストも下がる。

数字だけを見れば、良い案に見えます。

しかし、現場の担当者から見ると、

「入力する項目が増える」

「今までより使いにくい」

と感じるかもしれません。

管理する側には便利でも、実際に使う人には負担になることがあります。

顧客も同じです。

こちらが価値だと思っていることを、顧客も同じように感じているとは限りません。

また、反対する人にも、その人なりの理由があります。

単に変化を嫌っているのではなく、

過去に似た取り組みが失敗していたり、
こちらが気づいていないリスクを見ていたりすることもあります。

立場が変われば、見ているものも変わります。

だからこそ、

自分の考えを深めるだけでなく、自分とは違う立場から見直すこと

が大切になります。


自分とは違う意見を、否定するのではなく

思考を広げる材料として見る方法については、こちらでも紹介しています。

私は現場で、違う立場の声を聞いていた

会社員時代、業務改革や新しい仕組みを考えるとき、

私はできるだけ一人で結論を出さないようにしていました。

まずは自分なりに調べます。

現状を整理し、課題を考え、仮説をつくる。

ただ、その段階ではまだ、

自分から見た答え

にすぎません。

そこで、ある程度考えがまとまったら、いろいろな立場の人に話を聞いていました。

現場の担当者。
周囲の関係者。
管理する立場の人。
反対する人。
顧客。

それぞれ、見ているものが違います。

特に、反対する人の意見は大切でした。

せっかく考えた案に、

「それではうまくいかない」

と言われれば、気持ちよくはありません。

それでも、

なぜ反対するのか

を聞いていくと、自分では見えていなかった問題が出てくることがあります。

一部の業務だけ負担が増える。

過去に似た失敗がある。

こちらが見落としているリスクがある。

そうした意見を聞きながら、最初の案を少しずつ修正していきました。

今なら、この「別の立場から見る」という作業の入り口にAIを使えます。

もちろん、AIが現場担当者や顧客の本音を代弁してくれるわけではありません。

ただ、

「現場ならどう見るだろう」

「顧客ならどこに疑問を持つだろう」

と考えるきっかけを増やすことはできます。

AIに別の立場から考えてもらう3つの方法

AIに別の立場から考えてもらう3つの方法

1.まず「誰の立場で見るか」を変える

最初は、難しく考える必要はありません。

今、自分が考えているテーマについて、

「この立場から見ると、どう見えますか」

とAIに聞いてみます。

たとえば、新しい業務の仕組みなら、

この案を、実際に毎日使う現場担当者の立場から見てください。
負担になりそうな点、疑問に感じそうな点を挙げてください。

と聞く。

商品やサービスなら、

初めて使う顧客の立場から見てください。

でもよいでしょう。

立場が変わると、見るポイントが変わります。

現場担当者なら、

  • 手間が増えないか
  • 実際に運用できるか
  • 使いにくくないか

を見るでしょう。

顧客なら、

  • 自分にどんな価値があるか
  • 分かりやすいか
  • 本当に必要か

を見るかもしれません。

反対する人なら、

  • どこに無理があるか
  • どんなリスクがあるか
  • 何を見落としているか

を指摘するかもしれません。

ここで大切なのは、AIに正解を出してもらうことではありません。

自分とは違う場所に立ったとき、何が見える可能性があるのか。

それを探します。

出てきた意見が正しいかどうかは、あとで確かめればよいのです。

まずは、

「そこは考えていなかった」

と気づければ、それだけでも思考は広がっています。

2.同じテーマを複数の立場で見比べる

一つの立場から見ただけでも、視点は増えます。

さらに有効なのは、

同じテーマを、複数の立場から見比べること

です。

たとえば、一つの案について、

  • 現場担当者
  • 管理者
  • 顧客
  • 反対する人

の4つの立場から意見を出してもらう。

すると、立場によって重視するものが違うことが見えてきます。

現場担当者は、

「実際に使えるか」

を見る。

管理者は、

「全体として効率がよいか」

を見る。

顧客は、

「自分にとって価値があるか」

を見る。

反対する人は、

「どこに無理があるか」

を見る。

同じ案でも、論点が違います。

自分一人で考えていると、どうしても自分が重要だと思っているところに目が向きます。

しかし、立場を変えて見比べると、

自分が見ていなかった論点が横に並んで見えてきます。

たとえば、

この案について、
現場担当者、管理者、顧客、反対する人の4つの立場から、
それぞれ「期待すること」「不安に思うこと」「確認したいこと」を挙げてください。

と聞いてみる。

すると、

「効率化できるか」

だけを考えていたところに、

「現場の負担はどうか」

「顧客の使いやすさはどうか」

「変えることで失うものはないか」

といった別の問いが加わります。

AIにたくさん答えを出してもらうのではありません。

見る場所を増やす。

そう考えると分かりやすいと思います。


複数の視点から出てきた意見を、

次に「何を考えるべきか」という論点へ整理したいときは、こちらの方法も使えます。

3.最後に「自分はどう考えるか」に戻る

AIにいろいろな立場から意見を出してもらうと、視点は増えます。

ただし、ここで終わってはいけません。

現場担当者の視点。
管理者の視点。
顧客の視点。
反対する人の視点。

どれももっともらしく見えてくることがあります。

すると今度は、

「結局、どれを重視すればいいのだろう」

と迷うこともあります。

視点を増やすことと、判断をAIに任せることは別です。

AIは、

「こういう見方もある」

と広げることはできます。

しかし、

何を優先するのか。
どの意見を取り入れるのか。
自分はどう考えるのか。

を決めるのは自分です。

私は会社員時代も、さまざまな人の意見を聞いたあと、

そのまま多数決のように決めていたわけではありません。

現場の声を聞く。

反対意見も聞く。

顧客の立場も考える。

そのうえで、

「では、何を大切にして決めるのか」

をもう一度考えていました。

AIを使うときも同じです。

たとえば、

  • 自分がこれまで見落としていた視点はどれか。
  • それを踏まえて、自分の考えはどう変わるか。
  • それでも変えない部分はどこか。

と考えてみます。

いろいろな視点を見たうえで、

最後は「私はどう考えるか」に戻る。

ここまでやって、AIを使った思考拡張になるのだと思います。


いろいろな意見を見たあとに、自分の考えへ戻る方法は、こちらの記事で詳しく整理しています。

AIの視点は「正解」ではなく「仮説」

AIに別の立場から考えてもらうと、

「なるほど、そういう見方もあるのか」

という意見が出てきます。

ただし、

AIが出した視点を、そのまま相手の本音だと思わないこと

は大切です。

たとえば、

「顧客なら、ここに不満を感じるでしょう」

とAIが答えても、実際の顧客が本当にそう思っているとは限りません。

AIが出す別視点は、

答えではなく仮説

として扱うくらいがよいと思います。

たとえば、

AIに、

「現場担当者ならどこに困りそうか」

と聞く。

そこで出てきた論点をもとに、

実際の現場へ、

「この点はどうですか」

と確かめる。

そうすると、何も準備せずに話を聞くよりも、確認したいポイントが見えやすくなります。

AIで視点を広げる。
実際の人に確かめる。
そして、自分で判断する。

この順番です。

AIだけで完結させる必要はありません。

むしろ、

AIで仮説を増やし、現実で確かめる。

そんな使い方が合っていると思います。


広げた視点をもとに、最終的な選択や判断へ進みたいときは、AIで判断基準を整理する方法も使えます。

1分ワーク|AIで視点を増やしてみる

今、考えていることを一つ選んでみてください。

仕事でも、企画でも、文章でもかまいません。

  1. そのテーマに関係する立場を3つ挙げる 
  2. AIに、それぞれの立場から気になる点を出してもらう 
  3. 自分になかった視点を一つ選び、「それを踏まえて私はどう考えるか」を一文にする

これだけです。

立場を変える。
見え方を比べる。
最後は自分に戻る。

まずはこの3つだけでも、考え方はかなり広がります。

まとめ|AIは「違う場所から見る」ためにも使える

何かを考えるとき、私たちはどうしても自分の経験や知識をもとに考えます。

それは自然なことです。

ただ、自分の視点だけでは見えないものもあります。

現場の担当者から見ればどうか。
顧客から見ればどうか。
反対する人から見ればどうか。

立場が変われば、見えるものも変わります。

今は、その前段階としてAIを使えます。

AIに別の立場を与え、

自分とは違う場所から同じテーマを見てもらう。

それだけでも、見落としていた論点や違和感に気づけることがあります。

ただし、AIの視点は正解ではありません。

あくまで仮説です。

だからこそ、

AIで視点を広げる。
必要なら実際の人に確かめる。
最後は自分で考える。

この順番が大切です。

AIを使う目的は、自分の考えをなくすことではありません。

自分だけでは見えなかったものを加えたうえで、もう一度自分の考えに戻ること。

そこに、AIを使った思考拡張の面白さがあると思います。

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