AIで構想力を広げる|ありたい姿から未来の全体像を描く3ステップ

AIで構想力を広げる|ありたい姿から未来の全体像を描く3ステップ

何かを変えようとするとき、

「どう実現するか」

を考える前に、

「最終的に、どんな状態になっていたいのか」

を描く必要があります。

たとえば業務改革なら、

入力作業を減らす。

システムを連携する。

承認を早くする。

人の役割を見直す。

こうしたものは、すべて手段です。

本当に考えたいのは、その先です。

現場では、どんな働き方になっているのか。

管理者は、何を見て判断しているのか。

顧客には、どんな変化が起きているのか。

情報や業務は、どうつながっているのか。

こうしたありたい姿を、一つの全体像として描く。

それが構想です。

私もBPRの仕事をしていたとき、

個別の施策を考える前に、まず未来の全体像を描くことを大切にしていました。

業務。

人。

情報。

システム。

顧客。

それぞれが未来ではどんな状態になっているのか。

そして、それらがどうつながっているのか。

最終的には、一枚の絵にしていました。

ただ、構想にも自分の経験や得意な見方が影響します。

現場の姿は描けていても、顧客の視点が弱い。

業務は描けていても、管理者の姿がない。

今の延長線上だけで未来を考えている。

そんな抜けが生まれることがあります。

そこで使えるのがAIです。

AIに構想をつくらせるのではありません。

自分が描いたありたい姿に対して、

「別の立場から見ると、何が足りないか」

「この未来像に抜けている状態はないか」

「今の前提を外すと、どんな未来が考えられるか」

と問いかける。

そうすることで、自分だけでは描かなかった未来の姿に気づけます。

自分でありたい姿の骨格を描き、AIで未来を見る角度を増やし、最後は自分で全体像を決める。

今回は、そんなAIの使い方を考えてみます。


構想を描く前には、
複数の具体から共通点を見つけ、解決の方向となるコンセプトを考えることも重要です。

AIで共通点や切り口を増やす方法は、以下の記事で紹介しています。

目次

構想とは、ありたい姿を全体で描くこと

構想とは、ありたい姿を全体で描くこと

構想というと、

「何をやるか」

を考えることだと思われがちです。

でも、その前に必要なのは、

「どんな状態を目指すのか」

を描くことです。

たとえば、

システムを入れ替える。

入力を減らす。

承認を早くする。

役割を変える。

これらは手段です。

その先で、

現場はどう働いているのか。

管理者はどう判断しているのか。

顧客はどんなサービスを受けているのか。

部門をまたぐ仕事は、どんな状態になっているのか。

こうした複数の視点をつなぎ、

未来の全体像として描きます。

私がBPRで構想を一枚の絵にしていたのも、このためでした。

文章だけでは、それぞれの未来像が別々に見えます。

一枚にすると、

「現場の働き方は変わっているのに、管理者だけ今のままではないか」

「業務はつながっているが、顧客から見た姿がない」

「情報の流れは描けているが、判断の姿が曖昧だ」

といった抜けに気づきやすくなります。

構想とは、

単に理想を言葉にすることではありません。

複数の立場や要素から見ても、一つの未来としてつながっている状態を描くこと

だと思います。

そして、この「複数の視点から未来を見る」ところに、AIを使う価値があります。


構想そのものの考え方や、
目指す状態・要素同士のつながり・現在から未来への道筋をどう描くかは、
別の記事で詳しくまとめています。

AIを使うと、ありたい姿の抜けや別の可能性に気づける

構想を考えるとき、

自分では十分に描けているつもりでも、

あとから見ると、

「この視点が抜けていた」

と気づくことがあります。

その理由の一つは、

自分が普段見ている範囲の中で未来を描いているから

です。

たとえば、

現場の働き方は描けている。

でも、顧客から見た姿が弱い。

業務は描けている。

でも、管理者がどんな状態で判断するのかが曖昧。

今の問題を解決する未来像はある。

でも、数年後の変化まで考えていない。

そこでAIに、

このありたい姿を、現場・管理者・顧客の立場から見たとき、抜けている状態はありませんか

と聞いてみます。

すると、

現場では、必要な情報を探し回らなくても仕事が進む。

管理者は、問題が起きてから報告を受けるのではなく、状況の変化を早く把握できる。

顧客は、社内の部門の違いを意識せず、一貫した対応を受けられる。

といった未来像が出てくるかもしれません。

さらに、

「今の組織構造を前提にしなければ、どんな未来が考えられますか」

「顧客体験を最優先すると、どんな姿になりますか」

「3年後を想定すると、何が変わっていますか」

と聞けば、

別の前提や時間軸から構想を見ることもできます。

AIの役割は、正しい未来を選ぶことではありません。

自分がまだ描いていない未来の候補を増やすこと

です。


ありたい姿を考えるときは、
その前に「どんな方向へ問題を解くのか」というコンセプトがあると、構想の軸がぶれにくくなります。

具体から共通点を取り出し、コンセプトへつなげる考え方は、以下の記事でまとめています。

AIで構想力を広げる3つのステップ

AIで構想力を広げる3つのステップ

AIを構想に使うときも、

最初から、

「理想の未来を考えてください」

と任せる必要はありません。

私は、

ありたい姿の骨格を描く
→ AIで抜けや別の可能性を広げる
→ 必要な未来像を選び、一つにまとめる

という順番が使いやすいと思います。

1.まず自分で「ありたい姿」の骨格を描く

最初に考えるのは、

未来で、どんな状態になっていたいのか

です。

ここでは、施策から考えません。

たとえば、

「システムを連携する」

ではなく、

「必要な情報が一度入力されれば、その後の業務へ自然につながっている状態」

と描きます。

「承認を早くする」

ではなく、

「必要な人が必要な情報を見ながら、その場で判断できる状態」

と考えます。

つまり、

何をするかではなく、どうなっていたいか

を先に置きます。

そのとき、

  • 現場ではどんな状態になっているか
  • 管理者は何を見て判断しているか
  • 顧客はどんな変化を感じているか
  • 情報や業務はどうつながっているか

を、自分なりに描いてみます。

最初から完璧である必要はありません。

「こんな未来にしたい」

という骨格があれば十分です。

2.AIで、ありたい姿の「抜け」と「別の可能性」を探す

骨格を描いたら、AIを使います。

ここで考えるのは、

どう実現するかではありません。

未来像そのものに、足りない視点がないか

です。

たとえば、

「この未来像を、現場・管理者・顧客の立場から見たとき、何が抜けていますか」

と聞きます。

さらに、

「今の組織や役割を前提にしないなら、どんな姿が考えられますか」

「顧客から見て理想的な状態は何ですか」

「将来、環境が変化したときにも成立する未来ですか」

と問いかけてもいいでしょう。

こうすると、

人。

業務。

情報。

顧客。

組織。

時間軸。

と、未来を見る角度が増えていきます。

ここで重要なのは、

AIからたくさんの案を集めることではありません。

自分の構想に対して、

「この視点は抜けていた」

と気づくことです。

一つでもそれが見つかれば、AIを使う意味は十分にあります。

3.必要な未来像を選び、一つの全体像にまとめる

最後は、

AIが出した未来像をそのまま足すのではなく、自分で選びます。

この視点は本当に必要か。

自分たちが目指したい未来と合っているか。

他の未来像と矛盾していないか。

全体として一つの方向につながっているか。

こうしたことを確認します。

そして、

現場。

管理者。

顧客。

情報。

業務。

将来の変化。

といった視点を、一枚の中に置いてみます。

すると、

「顧客の姿だけが弱い」

「現場は変わっているのに、管理者の役割が昔のまま」

「今は成立するが、将来の変化には弱い」

といったことが見えてきます。

そこで再び構想を整える。

必要ならAIに、

「この全体像に矛盾はありませんか」

「別の立場から見て、不自然なところはありますか」

と聞いてもいいでしょう。

ただし最後は、

自分たちが本当に目指したい未来として一つにまとめる。

ここまでできて初めて、

AIが出した案ではなく、自分たちの構想になります。


未来像を一つにまとめるときは、
それぞれの要素を並べるだけでなく、どのようにつながっているかを見ることも大切です。

AIを使って複雑な要素の関係を捉える方法は、以下の記事で紹介しています。

事例|BPRのありたい姿をAIで広げるとしたら

たとえば業務改革で、

必要な情報が一度入力されれば、その後の業務へ自然につながり、
必要な人が必要な情報を見ながら判断できる状態

を、ありたい姿として描いたとします。

業務もつながる。

情報もつながる。

判断もしやすくなる。

一見すると、かなり整理された未来像です。

そこでAIに、

このありたい姿を、現場・管理者・顧客の立場から見たとき、抜けている未来像はありませんか

と聞いてみます。

すると、

現場では、

情報を探したり何度も確認したりせずに仕事が進む。

管理者は、

問題が起きてから報告を受けるのではなく、変化を早く把握して判断できる。

顧客は、

社内の部門の違いを意識することなく、一貫した対応を受けられる。

といった未来が見えてくるかもしれません。

ここで気づくのは、

最初の構想が間違っていたということではありません。

「情報と業務がつながる」という一つの方向から未来を見ていた

ということです。

さらに、

「今の組織構造を前提にしないなら、どんな未来が考えられるか」

と聞いてみます。

すると、

部門ごとに業務をつなぐのではなく、顧客の流れを中心に仕事全体がつながっている。

管理者がすべてを判断するのではなく、必要な判断が現場に近いところで行われている。

人が情報を探すのではなく、必要な情報がその人のところへ届く。

といった未来像も考えられます。

これらをそのまま採用する必要はありません。

ただ、

自分が何を前提に未来を描いていたのか

に気づけます。

そこから必要なものだけを選び、

最終的には、

情報と業務がつながり、必要な判断が適切な場所で行われ、
顧客から見ても一貫したサービスとしてつながっている状態

というように、

最初より広い構想へ磨いていけます。

AIが構想をつくったわけではありません。

別の立場と別の前提から未来を見る機会を増やした

のです。

経験がある人ほど、AIで構想の前提を広げられる

経験がある人ほど、AIで構想の前提を広げられる

経験を積むほど、

「この場合なら、こういう未来が現実的だろう」

と考えやすくなります。

これは強みです。

一方で、

この業務は、この部署が担当するもの。

この判断は、管理者がするもの。

この情報は、このシステムで持つもの。

といった前提も増えていきます。

その前提を残したままでは、

構想も現在の延長線上に収まりやすくなります。

そこでAIに、

「今の組織構造を前提にしないなら」

「顧客体験を最優先するなら」

「この役割がなくてもよいとしたら」

と問いかける。

AIの案を使うことが目的ではありません。

「自分は何を当たり前だと思っていたのか」

に気づくためです。

経験で現実を押さえ、

AIで前提を広げる。

この組み合わせができると、今の延長線上だけではない未来も考えやすくなります。

AIで構想するときに気をつけたいこと

最後に、3つだけ気をつけたいことがあります。

1.未来をAIに決めてもらわない

どの未来を目指すのか。

何を大切にするのか。

誰にとって良い状態にしたいのか。

そこには価値判断が入ります。

AIは、

未来を見る角度を増やす相手

として使います。

2.現実の制約を早く入れすぎない

予算。

人員。

今の組織。

現在のシステム。

もちろん現実には重要です。

ただ、最初からすべてを前提にすると、未来像まで今の延長線上に収まりやすくなります。

まず、

本当はどんな状態を目指したいのか

を描く。

そのあとで現実との距離を考えます。

3.途中で「どう実現するか」に降りすぎない

ありたい姿を描いている途中で、

どのシステムを使うか。

誰が担当するか。

どう進めるか。

と考え始めると、手段に引っ張られます。

まずは、

未来の状態そのものを十分に描く。

実現方法は、そのあとです。

まとめ

AIで構想力を広げる流れは、

ありたい姿の骨格を自分で描く
→ AIで抜けや別の可能性を探す
→ 必要な未来像だけを選ぶ
→ 一つの全体像にまとめる

という形です。

AIは、

別の立場から未来を見る。

今の前提を外して考える。

時間軸を変える。

自分では描かなかった未来の候補を出す。

こうしたところで力を発揮します。

でも、

どの未来を目指すのか。

何を大切にするのか。

最後に決めるのは自分です。

自分でありたい姿を描き、AIで未来を見る角度を増やし、自分で構想を決める。

それが、AIで構想力を広げるということだと思います。

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