やらないことリストの作り方|思考の余白をつくる3つのステップ

やらないことリストの作り方|思考の余白をつくる3つのステップ

毎日、「やること」に追われていませんか。

ToDoリストに書き出しても、終わったそばから次の予定が増えていく。

一つ片づけても、なぜか頭は軽くならない。

そんなことがあります。

私は25年以上、BPR(業務改革)のプロジェクトに関わってきました。

そこで何度も感じたのは、成果を出すためには「何をやるか」だけでなく、

「何をやらないか」を決めることが大切だということです。

仕事でも、やることを増やし続ければ、判断することも増えていきます。

個人の生活も同じです。

メールを見るか。

SNSを開くか。

この会議に出るか。

今すぐ返信するか。

一つひとつは小さな判断でも、それが積み重なると、思考の余白が少しずつ減っていきます。

そこで役立つのが、「やらないことリスト」です。

やらないことリストというと、

「無駄なことを減らして効率を上げる方法」

と思うかもしれません。

もちろん、そういう面もあります。

でも、私が大切だと思っているのは、少し違います。

やらないことリストは、時間管理の道具ではなく、思考を守るための仕組みです。

あらかじめ「これはやらない」と決めておけば、そのたびに考えなくてよくなります。

考える力を高めようとすると、つい知識や方法を増やしたくなります。

でも、ときには逆です。

考えなくていいことを減らす。

余計な選択肢を少し減らす。

そうすることで、本当に考えたいことへ意識を向けやすくなります。

この記事では、私自身のBPRの経験も踏まえながら、

やらないことリストの考え方と、3つのステップで作る方法を紹介します。

目次

やらないことリストは「思考を守る仕組み」

やらないことリストは「思考を守る仕組み」

やらないことリストは、単なる「やめることのメモ」ではありません。

ToDoリストが「やること」を整理するものだとすれば、

やらないことリストは、その都度考えなくていいことを先に決めておくものです。

たとえば、

  • 朝はSNSを見ない
  • 会議中はメールを開かない
  • 夜は仕事のメールを返さない

と決めておく。

すると、その場になってから、

「見るか、見ないか」

「今やるか、あとにするか」

と毎回考えなくて済みます。

もちろん、一度決めれば何も気にならなくなるわけではありません。

それでも、あらかじめ線を引いておけば、判断する回数は減らせます。

私は、この「判断しなくていい状態」をつくることが、

やらないことリストの大きな役割だと思っています。

やることが多いとき、私たちはつい、

「もっと効率よく進めよう」

「優先順位をつけよう」

と考えます。

それも大切です。

ただ、その前に、

そもそも考えなくていいものはないか

と見直してみる。

やらないことリストは、自分を厳しく管理するためのものではありません。

余計な判断から、自分の思考を守るための仕組みです。

思考が疲れるのは、選択肢が多すぎるから

「考えることが多い」と感じるとき、
実際には大きな問題ばかりを考えているわけではありません。

日常では、小さな判断を何度も繰り返しています。

メールを見るか。

すぐ返信するか。

SNSを開くか。

今やるか、あとにするか。

一つひとつは小さなことです。

でも、それが一日の中で何度も続くと、本当に考えたいことへ意識を向けにくくなります。

だから、考える力を高めたいときに必要なのは、

考える方法を増やすことだけではありません。

考えなくていいことを減らすことも必要です。

ここで、思考整理との違いが見えてきます。

思考整理は、すでに頭の中にあるものを分けたり、並べたり、つなげたりする方法です。

一方で、やらないことリストは、その前の段階です。

そもそも考えなくていいものを減らす。

大切なのは、すべての判断をなくすことではありません。

本当に必要な判断のために、減らせる判断を先に減らしておくことです。

考える力というと、つい「もっと深く考える」「もっと多くの視点を持つ」と考えがちです。

でも、思考には余白も必要です。

何でも考えるのではなく、

何を考えなくていいかを決める。

その線引きが、本当に考えたいことに集中するための土台になります。


頭の中にある考えを整理したいときは、思考整理の方法が役立ちます。

やらないことリストが「考える対象を減らす」のに対し、
思考整理は「すでにある考えを整える」ための方法です。

何をやめるか迷ったら、「思考を奪っているか」で考える

では、実際に何を「やらないこと」にすればいいのでしょうか。

基準は、できるだけシンプルにした方が使いやすくなります。

私が考えやすいと思うのは、

「それは、自分の思考を奪っているか?」

という問いです。

たとえば、

  • なんとなく見ているスマートフォン
  • 必要以上に参加している会議
  • すぐ返信しようとする習慣

こうしたものは、一つひとつを見ると大きな問題ではありません。

でも、何度も繰り返されると、そのたびに注意が切り替わります。

気づけば、自分が本当に考えたかったことから離れている。

そんなことがあります。

ここで大切なのは、

「これは悪い習慣か」

「時間の無駄か」

だけで判断しないことです。

人によって、必要なことは違います。

SNSが仕事に必要な人もいます。

会議に参加することが重要な立場の人もいます。

だからこそ、

今の自分が考えたいことから、時間や注意を奪っているか

という視点で見ます。

たとえば、

朝に考えたいことがあるのに、起きてすぐSNSを見てしまう。

資料を考えたいのに、メールが届くたびに画面を開いてしまう。

そんな行動があれば、一度「やらない」に置いてみます。

永久にやめる必要はありません。

まずは、

「朝はSNSを見ない」

「考える時間はメールを開かない」

というように、小さく線を引いてみる。

やらないことリストは、生活から何かをどんどん削るためのものではありません。

本当に考えたいことのために、余計な反応を少し減らすためのものです。


余計な判断を減らしたうえで、集中しやすい環境や時間の使い方も整えたい場合は、
以下の記事で詳しく紹介しています。

やらないことリストを作る3つのステップ

やらないことリストを作る3つのステップ

やらないことリストは、たくさん作る必要はありません。

最初から10個、20個と決めると、それ自体が新しい管理項目になってしまいます。

まずは、3つくらいで十分です。

大切なのは、立派なリストを作ることではなく、

自分の思考を奪っているものに気づくことです。

1.思考を奪っていることを3つ書く

最初に、

「最近、なんとなく繰り返していることは何だろう」

と考えてみます。

たとえば、

  • 朝起きると、無意識にSNSを開く
  • メールが来るたびに確認する
  • 必要性を考えず、会議に参加している

といったことです。

ここでは、正しいかどうかを考えすぎなくて構いません。

先ほどの問い、

「それは、自分の思考を奪っているか?」

で見てみます。

「あれも、これも」と増やさず、まずは3つだけ選びます。

2.「やらない」を具体的な行動にする

次に、やらないことを具体的にします。

たとえば、

「SNSを減らす」

だけでは少し曖昧です。

そこで、

「朝9時まではSNSを開かない」

と決めます。

「メールを見すぎない」なら、

「考える時間の30分はメールを開かない」

とする。

「会議を減らす」なら、

「目的がわからない会議は、参加する前に確認する」

としてもいいでしょう。

ポイントは、その場になってから判断しなくてもいい形にすることです。

「気をつけよう」と思うだけではなく、

「この時間はやらない」

「この条件ならやらない」

と線を引いておく。

そうすると、実際の生活で使いやすくなります。

3.守れなかったら、反省より観察する

やらないと決めても、実際にはやってしまうことがあります。

そんなとき、

「またできなかった」

「意志が弱い」

と反省する必要はありません。

それよりも、

  • なぜやったのか
  • どんな状況だったのか
  • 何がきっかけになったのか

を少しだけ見てみます。

たとえば、通知が表示されるから見てしまうなら、通知を切ってみる。

スマートフォンが机の上にあると触ってしまうなら、少し離れた場所に置く。

守れなかったことを失敗にするのではなく、次に変えるための材料にするわけです。

これは、私がBPRの仕事で何度もやってきた改善の考え方にも近いものです。

決める。

試す。

うまくいかなければ、条件を少し変える。

そのくらいの軽さで使う方が、やらないことリストは続きます。

やらないことを決めると、優先順位が見えてくる

やらないことを決めると、優先順位が見えてくる

やらないことを決めると、少しずつ残るものが見えてきます。

それは、自分が本当に時間や注意を使いたいことです。

朝にSNSを見ない。

必要のない会議には参加しない。

考える時間はメールを開かない。

そう決めることは、単に時間を空けることではありません。

「自分は何に意識を向けたいのか」

を考えることでもあります。

私は、やらないことリストには、こういう意味もあると思っています。

ただ効率を上げるための道具ではなく、自分の優先順位を確かめるための思考トレーニングです。

何をやらないかを決めるには、

「では、自分は何を大切にしたいのか」

を考える必要があります。

余計な選択肢を減らしていくと、

「これは残したい」

「これは大切にしたい」

というものが見えやすくなります。

やらないことリストは、自分から何かを奪うためのものではありません。

本当に大切にしたいことのために、余白をつくる方法です。


やらないことを減らすと、次に「残った中から何を先にするか」という問いが出てきます。
優先順位を考えるときに使える3つの基準は、別の記事で詳しく紹介しています。

1分ワーク|やらないことを3つ書く

ここまで読んだら、1分だけ使ってみてください。

やることは、3つです。

  1. 最近、なんとなく繰り返していることを書く
  2. 「それは、自分の思考を奪っているか?」と考える
  3. その中から、明日やらないことを3つだけ決める

たとえば、

  • 朝9時まではSNSを開かない
  • 考える時間はメールを見ない
  • 目的がわからない会議は、そのまま参加しない

といった形です。

大切なのは、正しいリストを作ることではありません。

今の自分にとって、余計な判断になっているものを少し減らすことです。

そして、最初から長く続けようとしなくて構いません。

まずは、明日一日だけ試してみる。

うまくいけば続ければいいですし、合わなければ変えればいい。

まずは一つでも構いません。

「これは、明日はやらない」

そう決めるところから始めてみてください。

まとめ|思考は、足すだけでなく減らす

考える力を高めようとすると、つい何かを足したくなります。

知識を増やす。

新しい方法を学ぶ。

やることを増やす。

もちろん、それも必要です。

でも、ときにはその前に、

考えなくていいことを減らす

ことも大切です。

やらないことを先に決めておけば、そのたびに迷ったり、反応したりする回数を少し減らせます。

そして、その分だけ、本当に考えたいことへ意識を向けやすくなります。

やらないことリストは、単なる効率化の道具ではありません。

自分の時間や注意を、何に使いたいのかを確かめる方法でもあります。

何をやるかを決めることは大切です。

でも同じくらい、

何をやらないかを決めることも大切です。

まずは明日一日だけ、

「これはやらない」

と一つ決めてみてください。

その小さな線引きが、本当に考えたいことのための余白をつくってくれます。

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