最近、ふと感じることがあります。
こんなに便利になったのに、なぜか頭が重い。
情報はすぐ手に入る。
ニュースも、SNSも、AIもある。
学ぼうと思えば、いくらでも学べる。
それなのに、考える力が深まっている実感はあるでしょうか。
私は50代になってから、はっきりと気づきました。
足りなかったのは「新しい習慣」ではなく、
やめる勇気だったのだと。
増やし続ける限り、余白は生まれません。
余白がなければ、思考は深まりません。
静かに手放す。
それだけで、頭は驚くほど軽くなりました。
今日は、私が実際にやめてみて
思考に余白が生まれた知的習慣を5つ紹介します。
【この記事でわかること】
やめることで思考に余白が生まれ、頭が軽くなる具体的な知的習慣がわかります。
① ニュースを追いすぎるのをやめた

以前の私は、ニュースをよく見ていました。
朝は新聞。
昼はネットニュース。
夜は情報番組やニュース番組。
「世の中を知っておくことは大切だ」
そう思っていたからです。
でも、あるとき気づきました。
結局、同じニュースを何度も見ているだけではないか、と。
表現や切り口は違っても、
内容はほとんど変わらない。
しかも、繰り返し触れることで、
必要以上に感情を動かされている。
今は、朝食時の新聞と、
夕食時のテレビニュースだけにしています。
それで十分です。
情報は減りました。
でも、不思議と不安は減り、
考える時間は増えました。
ニュースを追う時間を減らして、
代わりに実践的なノウハウをYouTubeで学ぶ。
あるいは、何も入れずに自分で考える。
そのほうが、よほど力になります。
情報量が多いことと、
思考が深いことは、まったく別です。
ニュースを追いすぎるのをやめたら、
頭の中のノイズが減りました。
そしてようやく、
「自分はどう考えるのか」に
意識が向くようになりました。
② 他人と比べるのをやめた
50代くらいから、私は他人と比べることをやめました。
若い頃は、無意識に比べていました。
同期の出世。
周囲の成果。
誰が評価されているか。
比べることが、成長につながると思っていたのです。
そしてその延長で、
プロジェクトの進め方もどこか「勝ち方」を意識していました。
どうやって目立つか。
どうやって成果を出すか。
どうやって強く引っ張るか。
いわば、「カリスマリーダー型」です。
でも、比べるのをやめてから、
少しずつ考え方が変わっていきました。
成功よりも、「納得」。
自分がどうありたいか。
チームがどう進みたいか。
そこを重視するようになると、
リーダー像も変わりました。
引っ張るのではなく、
チームでやる。
自分が前に立つよりも、
メンバーが自分で考え、動ける状態をつくる。
比べないと決めた瞬間から、
外向きだったエネルギーが、内側へ向き始めました。
その結果、
焦りは減り、
思考は深まりました。
比べないというのは、
向上心を失うことではありません。
むしろ逆です。
他人ではなく、自分の昨日と向き合う。
競争ではなく、進化を選ぶ。
私は、他人と比べるのをやめてから、
成功よりも「納得」を大事にするようになりました。
そのほうが、人生も、仕事も、
静かに、でも確実に前に進んでいきます。
他人と比べないという姿勢については、こちらの記事でも詳しく書いています。

③ すべてを記録しようとするのをやめた

若い頃の私は、ほとんどメモを取りませんでした。
会議にも手ぶらで行きます。
ノートも、ペンも持たない。
理由は単純でした。
「記憶に残らないことは、重要ではない」
そう思っていたからです。
極端ですが、その考えは今も少し残っています。
ただ、50代になってから、
メモの取り方は変わりました。
何でも記録するのはやめました。
議事録のように、すべてを書き残すこともしません。
代わりに残すのは、「キーワード」だけです。
会話の中で引っかかった言葉。
本の中で、なぜか止まった一文。
AIとの対話で、妙に残った表現。
それだけを、そっと残しておく。
そして、思考するときは、逆にたくさん書きます。
残しておいたキーワードを起点に、
一気に広げる。
若い頃は、
「記憶に残ったキーワード」を使っていました。
今は、
「残しておいたキーワード」を使っています。
違いはそれだけです。
大量のメモはありません。
でも、思考の種は常に手元にあります。
ときどき、それらを見返します。
すると、不思議なことが起きます。
次の言葉が浮かぶ。
次のアイデアが出てくる。
だから、その言葉もまた残す。
記録を増やすことより、
思考を育てること。
すべてを残そうとするのをやめたら、
メモは「情報の倉庫」ではなく、
「思考の種」になりました。
キーワードから思考を広げる方法は、こちらの記事でも紹介しています。

④ すぐ答えを出そうとするのをやめた
以前の私は、答えを出すのが早いほうでした。
結論をまとめる。
方向性を示す。
判断を下す。
それがリーダーの役割だと思っていたからです。
もちろん、早い判断が必要な場面もあります。
でも、すべてに即答する必要はない。
それに気づいたのは、50代になってからでした。
すぐ答えを出すと、
思考はそこで止まります。
「いったん保留する」
「問いのまま置いておく」
それだけで、思考は深まります。
今は、意識して問いを寝かせることがあります。
3日置く。
1週間置く。
散歩しながら考える。
すると、不思議なことに、
最初に出した答えとは違う視点が見えてきます。
AIを使うときも同じです。
便利だからといって、
出てきた答えをそのまま採用しない。
あえて聞き返す。
あえて角度を変えて問い直す。
あえて時間を置く。
即答は効率的です。
でも、熟考は知的です。
すぐ答えを出そうとするのをやめたら、
思考に深さが生まれました。
結論を急がない。
その余白が、
頭を軽くしてくれました。
AIを“即答装置”にしない工夫については、こちらも参考になります。

⑤ 思考まで効率化しようとするのをやめた

私は、仕事の効率化は徹底します。
無駄な工程は減らす。
プロセスは整理する。
時間は短縮する。
BPRをやってきた人間として、
そこはむしろ得意分野です。
でも、あるとき気づきました。
「思考」まで効率化しようとしていないか、と。
結論を早く出す。
最短距離で答えを見つける。
迷わず進む。
それは仕事では正解かもしれません。
でも、思考まで同じ発想にしてしまうと、
深さが失われます。
遠回りの問い。
答えの出ない時間。
堂々巡りのような思索。
それらは、無駄ではありません。
むしろ、その“非効率”の中で、
言葉は熟成され、
視点は磨かれていきます。
今も、散歩の時間があります。
論語をゆっくり読む時間があります。
手書きで書き続ける時間があります。
どれも、効率はよくありません。
でも、その時間があるから、
思考は軽くなります。
仕事は効率化する。
でも、思考は効率化しない。
思考まで急がなくなったとき、
頭の中に余白が戻ってきました。
そして、その余白から、
次のアイデアが生まれてきます。
思考の余白を守る姿勢は、こちらの記事とも通じています。

1分ワーク
「頭を重くしているもの」をひとつ減らす
① 今、なんとなく頭が重い原因を3つ書き出す
(例:ニュースを見すぎている/SNSを気にしている/結論を急いでいる など)
② その中から
「今日だけやめても困らないもの」を1つ選ぶ
③ 今日はそれをやらないと決める
それだけでいいです。
大きく変える必要はありません。
知的な習慣は、
増やすことよりも、
減らすことから始まります。
まとめ
頭が重くなるのは、
足りないからではありません。
増やしすぎているからです。
ニュースを追いすぎること。
他人と比べること。
すべてを記録しようとすること。
すぐ答えを出そうとすること。
思考まで効率化しようとすること。
どれも、悪いことではありません。
でも、やりすぎると、思考は疲れてしまいます。
私は、「足す」ことよりも
「やめる」ことを選びました。
その結果、
頭の中に余白が生まれました。
余白が生まれると、
焦りが減り、
問いが深まり、
言葉が静かに立ち上がってきます。
やめることは、後退ではありません。
自分の思考を守る、
前向きな選択です。
行動の一言
今日、ひとつだけ。
「やらなくてもいいこと」を、やめてみる。
その小さな余白が、
あなたの思考を軽くします。


コメント