なぜ習慣は続かないのか?意志力に頼らない習慣の作り方

なぜ習慣は続かないのか?意志力に頼らない習慣の作り方

習慣に関する本は、もう何冊も読んできました。

正直に言えば、

「また同じことが書いてあるな」

と感じることも少なくありません。

それでも、

少し古いこの本を、あえて読み返してみました。

僕たちは習慣でできている 』佐々木典士(著)です。

すると、目新しい知識はほとんどないのに、

何度も、

「そうだよね」

と頷いている自分がいました。

新しいノウハウは、なかった。

でも、これまで自分が積み上げてきた

習慣の作り方が、

間違っていなかったことを

静かに確認できた一冊でした。

この記事では、

習慣が続く人が「意志力」ではなく、

何を整えているのかがわかります。

目次

意志力は減らない。「消耗するのは感情」という視点

すでに選択された静けさ

消耗しているのは、意志力ではなく「判断」

「意志力は使うと減る」。

この考え方は、かなり広く浸透しています。

でも本書では、少し違う視点が示されていました。

消耗しているのは、意志力そのものではなく、感情だという指摘です。

振り返ってみると、

続かなかった日の多くは「やる気がない日」ではなく、

決めることに疲れていた日だったように思います。

今日はやるべきか。

明日でもいいのではないか。

今は忙しいのではないか。

こうした迷いを何度も繰り返すうちに、

行動そのものよりも、

「判断」にエネルギーを使い切ってしまう。


人の行動は「議会制」で決まっている

本書の中で、特に印象に残ったのが、

人の行動は「議会制」で決まるという表現でした。

頭の中には、

「やった方がいい」と主張する派閥と、

「今日はやめておこう」と言い訳を並べる派閥がいる。

毎回その議会が開かれるから疲れる。

そして、多数決で負けた行動は、

「意志が弱かった」という一言で片づけられてしまう。

この表現は、

言い訳同士の戦いを、とてもうまく言語化していると感じました。


意志力が強い人は、そもそも戦っていない

一方で、

習慣として続いている行動を思い返してみると、

そもそも議会が開かれていないことに気づきます。

やるか、やらないか。

その判断を、毎回していない。

時間が来たらやる。

場所に行ったらやる。

そこに感情を挟まない。

意志力が強い人は、

意志で勝っているのではなく、

戦わない仕組みを先に作っている。

この視点は、

「続かない自分」を責める代わりに、

「判断が多すぎたのかもしれない」と

考え直すきっかけを与えてくれました。

習慣とは、気合の問題ではなく、

感情を消耗させない設計の問題なのだと、

改めて腑に落ちた部分です。

習慣は「根性」ではなく、脳の仕様変更

習慣の3要素は、結局ここに戻ってくる

本書では、習慣を構成する要素として

トリガー/ルーチン/報酬

の3つが示されています。

この枠組み自体は、正直、目新しいものではありません。

すでにどこかで聞いたことがある、という人も多いと思います。

それでも、この3要素は、

何度確認しても「やはり外せない」と感じます。

続いている習慣を分解してみると、

必ずどこかにトリガーがあり、

淡々としたルーチンがあり、

そして小さな報酬が用意されている。

逆に、続かなかった習慣は、

このどれかが、かなり曖昧だったことが多い。

やる気が出たらやる。

時間があったらやる。

その時点で、

すでに習慣ではなく「気分任せ」になっています。


習慣化とは、気持ちを変えることではない

本書で繰り返し強調されているのが、

習慣化は、実際に脳を変化させることだという点です。

ここで大事なのは、

「前向きな気持ちを作ること」ではありません。

行動を繰り返すことで、

考えなくても体が動く状態を作る。

それだけです。

先に気持ちを整えようとすると、

どうしても感情に振り回されます。

今日は気分が乗らない。

昨日は疲れていた。

でも、習慣になっている行動は、

そうした感情とは、ある程度切り離されています。


「心は習慣でできている」という感覚

本書の中にある

「心は習慣でできている」

という言葉は、とても静かですが、重い言葉だと感じました。

気持ちが先にあって行動が決まるのではなく、

行動の積み重ねが、

あとから「自分はこういう人間だ」という感覚を作っていく。

だからこそ、

習慣には感性がない、とも言える。

好きか嫌いか。

やる気があるかないか。

そうした感情を判断材料にしないからこそ、

習慣は長く続く。


習慣は、今この瞬間にも作られている

習慣というと、

「これまで積み重ねてきたもの」という印象を持ちがちです。

でも本書では、

習慣は今この瞬間に作られている

という視点が示されています。

今日やったか。

今日やらなかったか。

その一回一回が、

次の自分の基準を静かに書き換えていく。

大きな変化を起こす必要はない。

ただ、今日の一回を、淡々と積む。

習慣とは、

自分の意思を鍛えることではなく、

自分の行動を静かに更新し続けることなのだと、

改めて感じました。

50のステップは「目新しくない」けれど、だから効く

努力のいらない習慣

「新しいことがない」と感じた理由

本書には、

習慣を身につける50のステップが紹介されています。

ただ、正直に言えば、

読んでいて「初めて知った」という内容は、ほとんどありませんでした。

まず辞めることを決める。

今日始める(明日の自分を信用しない)。

大人の時間割を決める。

できたことを記録する。

どれも、

習慣に向き合ってきた人なら、

一度は通ってきた考え方だと思います。

だからこそ、

派手さはないし、

「劇的に人生が変わる方法」でもありません。


それでも「そうだよね」と頷いてしまう

それでも読み進めるうちに、

何度も「そうだよね」と頷いている自分がいました。

理由はシンプルで、

この50のステップが、

実際に続いている人のやり方

ほぼ同じだったからです。

私自身が習慣化してきたプロセスを振り返ってみても、

  • いきなりハードルを上げて始めない
  • まずは辞めるものを決める
  • 難易度を少しずつ上げる
  • 成果ではなく行為そのものに目を向ける

ほとんど重なっていました。

新しいから効くのではない。

使い古されているから、残っている。

そんな印象です。


「明日の自分はスーパーマンではない」

50のステップの中で、

特に印象に残ったのが、

**「今日始める」**という考え方です。

明日の自分は、

今日よりもやる気があって、

時間もあって、

完璧に動ける――

そんな期待を、

私たちは無意識に抱きがちです。

でも実際には、

明日の自分も、今日とほぼ同じ。

だからこそ、

今日できる最小単位で始める。

明日の自分に期待しない。

この視点は、

習慣を「理想」から引き離し、

現実の生活に引き戻してくれます。


目標設定については、こちらの記事でも紹介しています


「大人の時間割」が教えてくれるもの

もう一つ、印象に残ったのが

大人の時間割を決めるという考え方でした。

時間割を作る目的は、

自分を縛ることではありません。

どこまでなら無理がないのか。

どこから先は続かないのか。

時間割を決めることで、

自分の限界が、はっきり見えてくる。

この「限界を知る」という感覚は、

習慣を長く続けるうえで、

とても重要だと感じています。

習慣が続かないのは、意志が弱いからではなく、判断が多すぎるからかもしれません。


報酬は「成長」ではなく「行為そのもの」に置く

本書では、

報酬についても、かなり丁寧に書かれています。

中でも印象的だったのが、

報酬を成長に置かないという考え方です。

成長は、あとから振り返って見えるもの。

毎回の行動のたびに、

実感できるものではありません。

だからこそ、

報酬は「できた」「やった」という

行為そのものに見つける。

この考え方は、

習慣が途中で苦しくなる理由を、

とても的確に説明していると感じました。


「習慣に感性はない」という言葉の強さ

本書の中にある

「習慣に感性はない」

という一文も、強く印象に残っています。

好きか嫌いか。

気分が乗るかどうか。

そうした感情を、

判断基準にしない。

淡々とやる。

できる形でやる。

続く形でやる。

この割り切りがあるからこそ、

習慣は生活の一部になっていきます。

努力と我慢を分けて考えると、続けやすくなる

努力と我慢は、似ているようでまったく違う

本書では、

努力我慢が、はっきりと分けて定義されています。

努力とは、

支払った代償に対して、

見合った報酬が返ってくるもの

一方で、我慢とは、

支払った代償に対して、

正当な報酬がないもの

この切り分けは、とてもわかりやすく、

同時に少し耳が痛い定義だと感じました。


続かない習慣は「我慢」になっていないか

習慣が続かなくなるとき、

私たちはよく

「自分は努力が足りない」と考えがちです。

でも、そこでやっていたのは、

本当に努力だったのか。

それとも、

ただの我慢だったのか。

やっても手応えがない。

やっても意味を感じられない。

やっても、報われた感覚がない。

そうした行動は、

どれだけ正しそうに見えても、

長くは続きません。


努力の扱い方については、こちらの記事も参考になります。


「やりたいこと」に必要な忍耐だけを選ぶ

本書で印象的だったのが、

自分で選んだ、やりたいことをするために必要な忍耐が努力

だという考え方です。

誰かに言われたから。

やった方が良さそうだから。

やらないと不安だから。

そうした動機で始めた行動は、

途中から「我慢」にすり替わりやすい。

一方で、

自分で選んだ行動は、

多少つらくても、

どこかで納得感が残ります。

この納得感こそが、

努力を努力たらしめているのだと思います。


我慢を減らすと、習慣は自然に残る

習慣化のコツは、

努力を増やすことではなく、

我慢を減らすことなのかもしれません。

無理な量をやめる。

期待しすぎるのをやめる。

他人の基準を持ち込むのをやめる。

そうやって、

我慢を一つずつ取り除いていくと、

残るのは、

「続けてもいい行動」だけになります。

習慣は、

自分を追い込むためのものではなく、

自分をすり減らさないための仕組み。

努力と我慢を区別することで、

習慣との距離感も、

ずいぶん変わってくると感じました。


習慣が苦しくなる背景には、自分への期待値の置き方も関係しています。
続かなくなる前に見直したい視点は、こちらで詳しく書きました。

才能は「継続の結果」でしかない

才能とセンスを切り分けて考える

本書では、

才能センスが、明確に区別されています。

才能とは、

継続した結果、身についたスキルや能力

一方で、センスとは、

習得するスピードのこと。

この切り分けは、

才能という言葉に振り回されてきた人ほど、

救いになる定義だと感じました。


「才能がない」という思い込みが、習慣を止める

何かを始めようとするとき、

私たちはつい、

「自分には向いていないのではないか」

と考えてしまいます。

でも、それは才能の問題ではなく、

続く前にやめてしまっただけ

というケースがほとんどです。

続いていない状態では、

才能があるかどうかは、

まだ何もわからない。

それにもかかわらず、

才能という言葉を理由に、

行動を止めてしまう。

これは、とてももったいないことだと感じます。


才能なんて、忘れてしまえばいい

本書には、

才能なんてことは忘れてしまえばいい

という、少し強い言葉が出てきます。

この一文は、

「頑張れ」というメッセージではなく、

「比べなくていい」という許可のように感じました。

早く身につく人がいる。

要領よく進める人もいる。

でも、それはセンスの話であって、

才能の有無とは、あまり関係がない。

自分のペースで続けた人だけが、

あとから「才能がある人」に見える。

その順番を、

取り違えないことが大切なのだと思います。


継続が、あとから意味を連れてくる

才能は、

先にあるものではなく、

あとから付いてくるラベルのようなもの。

続けてきた時間。

積み重ねた回数。

やめなかったという事実。

それらが重なったとき、

初めて「能力」や「強み」と呼ばれる。

才能とは、

選ばれた人の特権ではなく、

続けた人にだけ、静かに与えられる結果。

そう考えると、

才能という言葉は、

少しだけ軽く扱ってもいいのかもしれません。

最大の報酬は「自分を好きになること」

報酬を「未来」に置くと、習慣は続かない

習慣というと、

つい「成長」や「成果」を報酬に置きたくなります。

続ければ変われる。

続ければ結果が出る。

それ自体は間違っていません。

ただ、その報酬は、

あまりにも遠い。

毎日の行動に対して、

毎回実感できるものではありません。

本書が繰り返し伝えているのは、

報酬は未来ではなく、今ここに置く

という考え方です。


行為そのものに、報酬を見つける

やったか、やらなかったか。

その事実だけを見る。

今日はできた。

今日はここまでやった。

それだけでいい。

成長したかどうかは、

その場では判断しない。

評価もしない。

この割り切りがあるからこそ、

習慣は重くならず、

生活の中に溶け込んでいきます。


気づいたら、自分を否定しなくなっている

習慣を続けていると、

ある日ふと、

変化に気づく瞬間があります。

以前ほど、

自分を責めなくなっている。

できなかった一日があっても、

すぐに立て直せる。

それは、

毎日積み上げた「できた」という事実が、

自分の中に、

静かな信頼を作っているからだと思います。

本書で語られている

最大の報酬は「自分を好きになること」

という言葉は、

決して大げさではありません。

習慣とは、

自信を作るための道具ではなく、

自己否定を減らすための仕組みなのかもしれません。


習慣を続けるためには、「何をやるか」よりも「何を判断しないか」が重要になります。
判断を減らすという視点については、こちらの記事でも整理しています。


まとめ|習慣は、今この瞬間にも作られている

習慣は、

特別な才能がある人だけのものではありません。

意志力が強いかどうかでもない。

やる気が続くかどうかでもない。

判断を減らし、

感情を挟まず、

淡々と行動できる形を作る。

それだけです。

この本を読んで、

目新しい発見は多くありませんでした。

でも、

これまで自分がやってきたことを、

静かに肯定してくれました。

習慣は、過去の積み重ねではなく、

今この瞬間の一回で作られている。

今日やったか。

今日やらなかったか。

その小さな選択が、

明日の自分の基準を、

少しずつ書き換えていく。

だから、

特別なことを始める必要はありません。

今日の一回を、

淡々と積むだけでいい。

その繰り返しが、

いつの間にか、

「自分は大丈夫だ」と思える感覚を

作ってくれるはずです。


習慣については、判断・期待値・感情との距離感など、いくつかの切り口で書いています。
関心があれば、習慣をテーマにした他の記事もあわせて読んでみてください。

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