章タイトルで読み解く『ニトリの働き方』に学ぶ成長する人の思考習慣

章タイトルで読み解く『ニトリの働き方』に学ぶ成長する人の思考習慣

この記事でわかること

『ニトリの働き方』の章タイトルから、成長を続ける人が持ち続けている思考の基準を読み解きます。

仕事を長く続けていると、

「正解はだいたい分かっている」

そんな感覚になることがありますよね。

目標を立てること。

計画をつくること。

行動を継続すること。

どれも、目新しい話ではありません。

それでも結果に差が出るのは、

やり方ではなく、判断の置きどころが違うからではないか。

『ニトリの働き方』を読んで、

まず浮かんだのは、そんな問いでした。

この本は、

章のタイトルを眺めるだけでも、

「何を大切にしている会社なのか」がはっきり伝わってきます。

小さな家具屋が、なぜここまで成長できたのか。

そこには、特別な才能よりも、

**迷ったときに立ち戻る“思考の軸”**がありました。

この記事では、

印象的な章タイトルを手がかりに、

それらを個人の仕事や人生にも使える思考の型として読み解いていきます。

目次

ロマンは、判断と行動の「基準」になる

ロマンは、判断と行動の「基準」になる

ロマンという言葉を聞くと、

どこか現実離れした「きれいごと」や「若い人の話」に感じるかもしれません。

けれど、この本で語られているロマンは、

もっと実務的で、もっと泥くさいものです。

ロマンとは、

自分は何に夢を見てきたのか

どんな姿に情熱を感じてきたのか

その原点のことだと、私は読みました。

私自身、仕事で判断に迷う場面は何度もありました。

条件だけ見れば、どちらを選んでも大差はない。

効率、前例、リスク──

頭の中には、もっともらしい理由が並びます。

そんなとき、後になって後悔しなかった判断は、

たいてい「合理的だったから」ではありません。

「こっちの方が、自分は納得できる」

「昔の自分なら、きっとこちらを選んだ」

そういう、夢や情熱に近い側を選んだときでした。

ロマンは、

感情に流されるためのものではありません。

むしろ逆で、判断をシンプルにするための軸になります。

  • この仕事は、自分が大切にしてきた夢に近いか
  • この選択は、情熱を注げる方向か

そう問いかけるだけで、

迷いは驚くほど減ります。

年齢を重ねるほど、

私たちは「失敗しない理由」を上手につくれるようになります。

だからこそ、判断は安全側に寄っていく。

でも、その結果として、

どこか納得感のない選択を積み重ねてしまうことも少なくありません。

ロマンを持つというのは、

無謀になることではなく、

自分が納得できる基準を、もう一度思い出すことなのだと思います。

最近の判断は、
「正しさ」だけで決めていませんか。
それとも、「自分の夢や情熱」に照らして選べているでしょうか。

高いビジョンは、行動の水準を引き上げ続ける

私自身、これまでの仕事を振り返ると、

「ロマン」や「ビジョン」を持たずに動いていた時期は、ほとんどありません。

むしろ、

最初に描いたイメージや方向感が先にあり、

それに合わせて現実を組み立ててきた


という感覚の方が近いと思います。

この章を読んで、

「やはりそうだよな」と腑に落ちたのは、

高いビジョンが果たす役割についてでした。

ビジョンは、

気持ちを高揚させるための旗ではありません。

行動の基準を、常に上に保ち続けるための装置です。

たとえば、

目指す姿が明確にあると、

  • どこまで妥協してよいか
  • どこは絶対に譲れないか
  • 今はやらなくていいことは何か

こうした判断が、驚くほど早くなります。

逆に言えば、

ビジョンが低いと、

一つひとつの判断は楽になりますが、

行動の水準は自然と下がっていきます。

高いビジョンを持つというのは、

常に無理をすることではありません。

「この程度でいいか」という自分を、

静かに許さない状態をつくること
だと感じています。

年齢を重ね、経験を積むほど、

「現実的な判断」はいくらでもできるようになります。

だからこそ、

あらかじめ視点を高く置いておかないと、

判断は簡単に“守り”に寄ってしまう。

ビジョンは、

未来のための言葉であると同時に、

今日の自分を引き上げるための基準でもあります。

今掲げているビジョンは、
今日のあなたの行動水準を、
少しでも上に引き上げているでしょうか。


ロマンやビジョンは、気持ちを高めるためではなく、判断を楽にするためのものです。
人生後半でこの「思考の軸」が効く理由は、こちらの記事でも整理しています。

成長の速さは、目標の「大きさ」で決まる

目標の「大きさ」で決まる

この章のタイトルは、

かなり強い言葉だと感じました。

成長の速さは、能力でも環境でもなく、

目標の大きさで決まる。

耳が痛いですが、経験的にも否定しづらい言葉です。

実際、仕事の現場でも、

「このぐらいなら達成できるだろう」

そう見積もった目標からは、

想定どおりの結果しか生まれません。

一方で、

「正直、簡単ではない」

「本当に届くのか分からない」

そんな目標を置いたとき、人の動きは変わります。

  • 情報の集め方が変わる
  • 相談する相手が変わる
  • 時間の使い方が変わる

無意識のうちに、

行動全体が“その目標にふさわしい水準”へと引き上げられていく。

ここで重要なのは、

目標を大きく掲げることが、

自分を追い込むためのものではない、という点です。

むしろ逆で、

「どうやれば届くか」を本気で考えさせるためにあります。

小さな目標は、

考えなくても達成できます。

だから、成長は限定的になる。

大きな目標は、

考えずには達成できない。

だから、思考も行動も鍛えられる。

年齢を重ねるほど、

私たちは「確実に達成できる範囲」を見極めるのが上手になります。

それ自体は、立派な能力です。

ただし、その能力を使いすぎると、

目標は自然と“安全圏”に収まってしまう。

ニトリの成長を支えたのは、

一発逆転のアイデアではなく、

常に今より少し大きな目標を置き続けたことだったのだと思います。

今掲げている目標は、
「達成できるかどうか」より先に、
あなたの思考と行動を引き上げているでしょうか。

計画は「考えるため」ではなく「動くため」にある

大きな目標を掲げると、

次に必要になるのが「計画」です。

ただ、この章を読んで改めて感じたのは、

計画という言葉が、いつの間にか

“考えるためのもの”にすり替わっていることが多い、という点でした。

本来、計画はとても単純です。

動くためにある。

ところが現場では、

  • もっと精度を上げてから
  • もう少し情報を集めてから
  • 全体像が見えてから

そんな理由で、計画づくり自体が目的化してしまう。

私自身、振り返れば、

「よく考えた計画」と

「実際に動いた計画」は、

必ずしも一致していません。

結果につながったのは、

完璧な計画ではなく、

次の一手がはっきりしていた計画でした。

ニトリの働き方が示しているのも、

同じ姿勢だと感じます。

  • まずやることを決める
  • やると決めたら、徹底して実行する
  • うまくいかなければ、修正する

順番は、

「考える → 動く」ではなく、

**「動く → 考え直す」**に近い。

計画は、

未来を予測するためのものではありません。

迷いを減らすための道具です。

だから、細かすぎる必要はない。

今日、何をやるかが分かればいい。

年齢を重ね、経験が増えるほど、

私たちは「考える理由」をたくさん持てるようになります。

それは強みでもありますが、

同時に、行動を鈍らせる原因にもなり得ます。

大きな目標を掲げたなら、

計画は“立派”である必要はありません。

動けるかどうかだけが基準です。

今持っている計画は、
あなたを「安心させるため」のものですか。
それとも、「今日、動かすため」のものになっているでしょうか。


大きな目標も、行動に落とせなければ意味がありません。
考えすぎずに動くための目標整理は、こちらでまとめています。

成長は「過去を捨てる」と決めた瞬間から始まる

過去を捨てる

(チェンジ:「現状を否定するところから仕事は始まる」より)

この章で語られているメッセージは、

実はとてもシンプルで、かなり厳しい。

過去は捨てろ。

経験を活かせ、ではありません。

成功体験を大切にしろ、でもありません。

一度つくったやり方に、しがみつくな──

それが、この章の本質だと感じました。

仕事を長く続けていると、

過去は「資産」になります。

うまくいったやり方、評価された判断、

周囲から信頼されたスタイル。

ですが同時に、

過去は最も強力なブレーキにもなる。

  • 前はこれでうまくいった
  • 昔は問題なかった
  • このやり方は実績がある

こうした言葉は、

未来に向かう判断を、確実に鈍らせます。

ニトリが成長し続けてきた背景には、

昨日の成功を、今日の正解にしない姿勢があったはずです。

過去を捨てるとは、

経験を無意味にすることではありません。

「もう武器として使わない」と決めることです。

使い慣れた武器ほど、手放すのは難しい。

しかし、それを持ち続けている限り、

新しい戦い方は身につきません。

年齢を重ねるほど、

過去は重くなります。

積み上げてきた時間がある分、

「捨てる理由」を見つけるのが難しくなる。

だからこそ、この章は厳しい。

変わりたいなら、

まず「守っているもの」を疑え。

成長したいなら、

「これまで」を一度、横に置け。

今の判断を支えているのは、
「これから何をつくりたいか」でしょうか。
それとも、「昔うまくいった記憶」でしょうか。


過去を捨てるとは、抱えすぎたものを減らすことでもあります。
判断を軽くするための「手放し方」は、こちらの記事で触れています。

成果を手にする人は「意欲・執念・好奇心」を持ち続ける

意欲・執念・好奇心

(チャレンジより抜粋)

過去を捨てる、と決めたあとに残るものは何か。

この章が示しているのは、とても明快な答えです。

意欲・執念・好奇心。

スキルでも、肩書きでも、経験年数でもありません。

前に進み続ける人のエンジンは、

この3つしかない、と言い切っているように感じました。

特に印象に残ったのは、

これらが「若さの特権」として語られていない点です。

意欲は、

誰かに与えられるものではありません。

「まだやれる」「まだ取りにいく」

そう決め続ける姿勢そのものです。

執念は、

根性論ではありません。

一度決めたことを、

簡単に取り下げない粘りです。

そして好奇心。

これがなければ、

過去を捨てたあとに進む方向が見えなくなります。

私自身、振り返ってみても、

成長が止まった瞬間は、

能力が足りなかったときではありません。

「もうだいたい分かった」

そう思ったときでした。

好奇心が薄れた瞬間、

人は新しい情報を取りにいかなくなり、

知らないやり方を試さなくなります。

ニトリが挑戦をやめなかったのは、

成功していたからではなく、

まだ知らないやり方があると信じていたからではないでしょうか。

人生後半になると、

どうしても「減らす」「守る」「失敗しない」が

賢い選択に見えてきます。

もちろん、それ自体は間違いではありません。

ただ、その選択だけでは、

新しい成果は生まれない。

過去を捨てた先で必要なのは、

完璧な計画でも、万能なスキルでもなく、

まだ試したいと思える気持ちです。

最近、あなたは
「うまくやる方法」ではなく、
「やってみたいこと」を考えていますか。

会社や環境は「自己成長のために使う」もの

(コンペティションより抜粋)

この章のタイトルを読んで、

少しドキッとした人もいるかもしれません。

「会社を大切にしなさい」でも

「会社に尽くしなさい」でもない。

会社を、自己成長のために使いなさい。

かなり踏み込んだ言い方です。

ただ、これは会社を軽視する話ではありません。

むしろ逆で、

自分の成長に本気で向き合う人ほど、

環境を“道具として”正しく使う
、という考え方です。

仕事をしていると、

環境の良し悪しを理由にしたくなる場面は多くあります。

  • 上司がどうだ
  • 組織がどうだ
  • 評価制度がどうだ

もちろん、それらは無視できない要素です。

ですが、この章が突きつけてくるのは、

もっと厳しい問いです。

その環境で、あなたは何を身につけてきたのか。

私自身の経験でも、

本当に力がついたと感じる時期は、

環境が完璧だった時ではありません。

むしろ、

制約があり、思い通りにいかず、

工夫せざるを得なかった場面でした。

ニトリが競争を恐れなかったのは、

勝ち負けそのものよりも、

競争が人を鍛える場になることを理解していたからだと思います。

ここで言うコンペティションとは、

誰かを打ち負かすことではありません。

  • 自分は、昨日より何ができるようになったか
  • この環境で、どんな力を持ち帰れるか

そうした問いを持ち続ける姿勢です。

人生後半になると、

環境を「選ぶ」ことはできても、

「変える」ことは簡単ではありません。

だからこそ、

今いる場所をどう使い切るか、が重要になる。

会社も、組織も、仕事も、

自分を成長させるためのフィールドとして捉え直す。

そう考えるだけで、

同じ環境でも、見える景色は変わってきます。

今いる場所を、
「耐える環境」として見ていますか。
それとも、「力を持ち帰る場」として使えているでしょうか。

素直さは、人間関係を前に進める最強の力

(コミュニケーションより抜粋)

ここまで読み進めてくると、

ニトリの働き方は、かなり厳しい思想で貫かれていることが分かります。

  • ロマンを持て
  • ビジョンを高く掲げろ
  • 目標は大きく
  • 過去は捨てろ
  • 環境は使い切れ

どれも、自分に矢印が向いています。

その中で、この章が語る「素直さ」は、

少し意外に感じました。

ですが読み進めるうちに、

これがなければ、ここまでの思想は成立しない

そうはっきり分かってきます。

素直さとは、

従順さでも、迎合でもありません。

  • 自分の間違いを認められる
  • 他人の意見を一度、受け取れる
  • 分からないことを、分からないと言える

こうした姿勢のことです。

過去を捨てることができる人ほど、

実はとても素直です。

なぜなら、

「これまでの自分が正しかった」という前提に、

固執しないからです。

逆に言えば、

経験が邪魔をするのは、

素直さを失った瞬間から始まります。

仕事でも、人間関係でも、

行き詰まる場面の多くは、

能力不足よりも、

「聞けなくなったこと」に原因があります。

ニトリが人間関係を重視しているのは、

空気を良くするためではありません。

変化と挑戦を止めないためです。

素直な人の周りには、

情報が集まります。

助言も、指摘も、フィードバックも、

自然と集まる。

それは結果として、

個人の成長スピードを加速させます。

人生後半になるほど、

素直さは「意識しないと失われる資質」になります。

経験や実績があるからこそ、

無意識に身構えてしまう。

だからこそ、

この章は最後に置かれているのだと思います。

どれだけ高い目標を掲げても、

過去を捨てる覚悟を持っていても、

素直さを失えば、成長は止まる。

最近、
自分の考えを守る前に、
相手の言葉を受け取れていますか。

まとめ|章タイトルを「思考のチェックリスト」として使う

『ニトリの働き方』を読み終えて、

強く印象に残ったのは、個々のノウハウではありません。

章タイトルそのものが、思考の基準になっている
という点でした。

  • ロマンはあるか
  • ビジョンは高いか
  • 目標は小さくなっていないか
  • 計画は動くためのものになっているか
  • 過去にしがみついていないか
  • 今いる環境を使い切っているか
  • 素直さを失っていないか

どれも、新しい知識ではありません。

むしろ、分かっているはずのことばかりです。

それでも、この章タイトルが効くのは、

判断に迷ったとき、

立ち戻る「問い」として機能するからだと思います。

人生や仕事の後半に入ると、

選択肢は増えるよりも、整理されていきます。

そのときに必要なのは、

正解を増やすことではなく、

自分なりの判断基準をはっきりさせることです。

この本の章タイトルは、

そのまま「思考のチェックリスト」として使える。

全部を一度に実践する必要はありません。

どれか一つ、

今日の判断に使ってみるだけでいい。

いま直面している選択に、
どの章タイトルを当てはめると、
判断が少し楽になるでしょうか。

それを考えるところから、

この本はもう一度、

あなたの中で動き始めます。


成長を続けるための思考については、関連する記事もあわせて読んでみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次