夢って、どうやったら叶うんだろう?
努力? 人脈? それとも運?
実は――脳に“プログラミング”することで、叶いやすくなるんです。
ちょっと怪しい響きに聞こえるかもしれませんが、これは科学的な仕組み。
今回紹介する本は「ブレイン・プログラミング」。
少し前の本ですが、内容は今読んでも新鮮。
しかも著者の人生そのものがドラマチックで、ぐいぐい引き込まれます。
「目標を脳に刻むだけで、日常の見え方が変わる」
そんな体験を知ると、きっと行動してみたくなるはずです。
RASにプログラミングするとは?

脳の中には「RAS(網様体賦活系)」というフィルターがあります。
これは脳幹にある神経ネットワークで、五感から入る膨大な情報のうち「重要なもの」だけを意識に届ける役割を持っています。
人は1秒間に数百万の情報を受け取っていると言われます。
でも、そのまま全部を処理するのは不可能。
そこでRASが「必要かどうか」を選び、ほんの一部だけを意識に上げているのです。
たとえば――
街中のざわめきの中で自分の名前だけ聞き取れる。
新しい靴を買ったら、同じ靴を履いている人がやたら目につく。
これもRASの仕組み。
ここで大事なのが「プログラミング」。
つまり、自分が「大事だ」と思い込ませたものは、RASが自動的に優先してくれるんです。
だから「こうなりたい」と明確に目標を描いておくと、
チャンスや情報が自然とアンテナに引っかかるようになる。
ちょっと不思議ですが、脳の“検索エンジン”を味方につけるイメージですね。
夢を叶えるためのシンプルなプログラミング法
RASにプログラミングするといっても、特別な知識や難しい技術は必要ありません。
やることは、とてもシンプル。誰でもすぐに始められる方法です。
ここでは本で紹介されている実践法を、3つのステップに分けて紹介します。
ゴールを具体的に書き出す
まずは「ゴールを文字にする」ことからスタートです。
ただ「成功したい」や「お金持ちになりたい」では、ぼんやりしすぎて脳が反応してくれません。
大切なのは、数字や期限、状況をできるだけリアルに書き出すこと。
たとえば――
- 「3年後に独立して、年収〇〇万円を達成する」
- 「1年以内にTOEICで800点を取る」
- 「半年後に5キロ痩せて、好きな服を着る」
こうして明確に言葉にすると、RASは「これは重要だ」と認識します。
そして日常の中で、そのゴールにつながる情報を優先的に拾ってくれるようになるのです。
映像で思い描く
次のステップは「イメージ」。
文字にしたゴールを、今度は映像として頭の中に描いてみましょう。
できるだけ鮮明に。
達成したときの自分の表情、周りの景色、聞こえる音や、そこで感じる感情まで想像してみます。
例えば「海外旅行に行きたい」という目標なら、飛行機から見える雲、現地のカフェの香り、現地通貨を使っている自分をイメージする。
こうすると、脳はそれを「すでに体験したこと」として処理し、現実とのギャップを埋めようと行動を促してくれるんです。
心理学的にも「イメージトレーニング」はパフォーマンス向上に効果があるとされており、スポーツ選手も多用していますよね。
毎日リマインドする
最後に大切なのは「繰り返し」。
一度イメージしただけでは、RASはすぐに忘れてしまいます。
そこで、毎日思い出す仕組みを作ることがポイントです。
- 毎朝ノートに目標を書く
- スマホの待ち受けにゴールを書いた画像を設定する
- 夜寝る前に「達成したシーン」を頭の中で再生する
こうしたリマインドが習慣になると、RASにしっかりとプログラムされていきます。
「これは本当に大事なことなんだ」と脳が認識するからです。
そして不思議なことに、意識していなかったはずのチャンスや情報が自然と飛び込んでくるようになります。
「あ、これ使えるかも」と気づける瞬間が増えるんですね。
夢を叶えるためのプログラミングは、この3つだけ。
ゴールを具体的に書き出し、映像で思い描き、毎日リマインドする。
とてもシンプルですが、だからこそ続けやすく、効果も出やすい方法です。

著者の波乱万丈な人生から学ぶ
「ブレイン・プログラミング」の説得力は、著者アラン・ピーズ自身の人生にあります。
彼は理論を語るだけではなく、自分の体験そのものを通して「脳にゴールをセットすることの力」を証明してきました。
彼の人生は決して順風満帆ではありませんでした。
信頼して財産を任せていた人物に裏切られ、すべてを失い無一文になったこともあります。
普通なら心が折れてしまうような出来事ですが、彼はそこで諦めませんでした。
「自分はこうなる」とゴールを描き直し、再びRASにプログラミング。
ゼロからの再出発を決意し、行動を積み重ねていったのです。
その結果、やがて彼は妻バーバラと共著で書いた 『話を聞かない男、地図が読めない女』 をはじめとする世界的ベストセラーを生み出し、世界中で知られる存在になりました。
つまり、特別な才能や奇跡ではなく「望む未来を強く描き続け、行動を止めなかった」ことが彼を成功に導いたのです。
このエピソードは、夢を叶える力は「逆境の大きさ」ではなく「諦めない心の強さ」にあることを教えてくれます。
そして、失ったものがあっても「ゴールを設定し直す」ことで再び前に進めるのだと実感させてくれます。

私自身の気づきと実践アイデア
「ブレイン・プログラミング」を読んで強く感じたのは、脳にプログラムすることが思っていたよりもシンプルだということです。
特別な環境も、難しい知識もいらない。
むしろ日常のちょっとした習慣に取り入れることが大切だと気づきました。
私は本を読んだあと、さっそくノートに自分のゴールを書き出してみました。
「こうなりたい」という未来を、なるべく具体的に。
期限や数字も入れて、目に見える形にしました。
それから時々ノートを見返すようにしています。
正直に言えば、まだ実現できていないことのほうが多いです。
でも、不思議なことに、書いているからこそ意識に残り、日々の行動が少しずつゴールに引っ張られている感覚があるんです。
一方で、「これは本当に自分が望んでいることだろうか?」と疑問に思うことも出てきます。
そんなときは書き直したり、新しいゴールを追加したりしています。
この“見直し”のプロセス自体が大事だと思うんです。
ゴールは一度決めて固定するものではなく、人生の変化に合わせてアップデートしていくもの。
むしろ、その柔軟さがあるからこそ続けられるのだと感じます。
さらに、小さな習慣に落とし込む工夫もしています。
たとえば――
- 毎朝ノートに「今日やりたいこと」をひとつ書く
- 夜寝る前に「今日できたこと」を3つ振り返る
- ふと思いついたアイデアをすぐメモしておく
こうした習慣は、大きな夢とは別に、日々の行動にエネルギーを与えてくれます。
「夢に向かう毎日の小さな一歩」も、立派なプログラミングになるのだと感じています。
この本を読んでから、私は「夢は遠い未来にあるものではなく、今日から積み上げられるもの」だと考えられるようになりました。
小さなゴールを積み重ねていけば、RASが自然にチャンスを拾い、未来の自分を引き寄せてくれる。
それを信じて、これからも書き続け、見直し続けていこうと思います。

まとめ
「ブレイン・プログラミング」は、単なる自己啓発書ではありません。
科学的な仕組み(RAS)をわかりやすく解説しながら、実際にどうプログラムすればいいかをシンプルに教えてくれる本です。
しかも、著者自身の人生そのものがストーリー仕立てで描かれていて、読み物としてもぐいぐい引き込まれます。
一度すべてを失いながらも、脳にゴールをセットし直して成功をつかんだ体験は、理論にリアリティを与えてくれます。
私自身もこの本をきっかけにノートへゴールを書き出し、日々見直す習慣を続けています。
「まだ叶っていないこと」もありますが、その過程で新しい気づきや行動のエネルギーが生まれているのを感じています。
夢を叶える方法は、決して難しいものではありません。
ゴールを明確に描き、繰り返し脳にインプットする。
たったそれだけで、RASが自然と未来へ導いてくれます。
著者の人生も面白く、ストーリーと理論が一体となった一冊。
とても分かりやすいので、ぜひ手に取ってみてください。
そして、あなた自身のゴールを脳にプログラミングしてみませんか?



