あなたの職場、リーダーが1週間休んでも同じ成果を出せますか?
もし「うーん…」と迷ったなら、それは危険信号。
今の時代、属人的なやり方には限界があります。
優秀な個人に頼る組織は、変化の波に耐えられません。
人事異動や退職ひとつで、成果がガタ落ちする——そんな脆さを解消するカギが“仕組み化”です。
安藤広大さんの『とにかく仕組み化』は、その作り方を明快に教えてくれる一冊。
しかも難しい理論ではなく、現場で即使える実践的な方法ばかり。
今回は、この本のエッセンスを5つのテーマ——
「責任と権限」「危機感」「比較と平等」「企業理念」「進行感」——で解説し、
そこに私自身の経験と、ビジネスパーソンとしての自己成長視点を加えます。
チームを動かすヒントはもちろん、あなたの働き方そのものを進化させる視点が見つかるはずです。
安藤広大著『とにかく仕組み化』の概要とポイント

この本のテーマはズバリ、「人に依存しない組織を作る」こと。
カリスマ上司や一部のエースだけに頼る時代は、もう終わりです。
安藤さんは、リーダー経験と経営現場での試行錯誤からこう断言します。
成果は偶然ではなく、仕組みで再現できる。
5つの視点
- 責任と権限──役割を明確にする
- 危機感──甘い空気を断ち切る
- 比較と平等──成果を見える化し、公平に扱う
- 企業理念──価値観で意思決定をそろえる
- 進行感──進んでいる実感を全員で共有する
どれも「当たり前」に見えますが、実際はできていない組織が大半。
だからこそ、現場は混乱し、成果が安定しない。
そして面白いのは、この5つの視点は組織だけでなく個人のキャリアにも直結すること。
あなた自身の働き方や成長にも、そっくりそのまま応用できるのです。
視点1:責任と権限|役割の明確化が自走するチームを作る
「責任はあるけど、権限はない」。
これほど現場を疲弊させる状況はありません。
安藤さんは言います。
責任と権限はセットで渡す。
責任だけ渡せば、判断できずストレスが溜まる。
権限だけ渡せば、暴走して組織がバラバラになる。
だから両方をセットで明確にする必要があるのです。
組織視点のポイント
- 誰が何を決めるかを全員が知っている状態を作る
- 判断基準を文書化し、曖昧さを減らす
- 「決定できる範囲・求められる成果・使えるリソース」を見える化
個人の自己成長視点
実はこれ、自分のキャリア形成にもそのまま使えます。
あなたの今の仕事に「権限」が足りないと感じたら、それは成長の機会を奪われているサイン。
小さくても良いので「最後まで自分で決めてやり切る仕事」を持つことが、成長を加速させます。
そして、成果をもとに権限を手にしましょう!
私の経験談
私が実施していたBPRのプロジェクトでは、役割分担を紙に落として全員に配布。
「誰が何を決めるか」が明確になった瞬間、会議の時間が3割減り、実行スピードが倍になりました。
もちろんプロジェクトリーダーである私が最終決定者です。
でも、メンバー間でほとんど調整済みになってましたね。
行動アクション
- 今日から「自分が決定権を持てる範囲」を書き出す
- 権限のない責任を抱えている仕事があれば、上司に調整を提案する
- 自身で成果を上げ、責任と権限を得る
視点2:危機感はチームのアクセル
「危機感」というとネガティブに聞こえますが、安藤さんはこう言います。
危機感こそ、組織を進化させる燃料。
ぬるま湯では、人も組織も沈んでいきます。
逆に、健全なプレッシャーがあれば行動は加速します。
組織視点のポイント
- KPIや進捗をオープンにする
- 現状と理想のギャップを数字で共有する
- 問題を“事実”として可視化し、感情論を避ける
個人の自己成長視点
キャリアにおける危機感は、停滞を打破する原動力。
「今のスキルで3年後も通用するか?」という問いは、健全な危機感を生み出します。
その危機感を感じたら、すぐに学習や挑戦に動くこと。
私の経験談
進捗を可視化したミーティングを毎週実施。
数字が共有された瞬間、チーム全員の表情が引き締まりました。
「俺も漕がなきゃ」という空気が自然に生まれるのです。
行動アクション
- 今月の自分の成果を数値化してみる
- 自分だけの「危機感KPI」を設定(例:新スキル取得数、提案数)
- 外部から情報を取り、自分の市場価値を確認

視点3:比較と平等はチームのスパイス
人は無意識に比較します。
大事なのは、それを競争ではなく成長のエネルギーに変えること。
安藤さんは言います。
比較を“悪”ではなく“力”に変える。
組織視点のポイント
- 成果をオープンにし、透明性を担保
- 評価基準を最初に共有し、不公平感を防ぐ
- 比較は競争ではなく、改善のヒントとして活用
個人の自己成長視点
他人との比較は、自分の強みを知る絶好の材料。
「勝てる部分」「伸ばすべき部分」を見極め、行動計画に落とし込むことで自己成長が加速します。
チームのメンバーにフィードバックをもらうこともオススメです。
自分には見えていない「自分の強み」を知る機会にもなります。
私の経験談
評価表を全員に配った瞬間、雑談の中で「ここ伸ばそうぜ」という会話が増えました。
基準の共有は、組織の空気を変えます。
そして、メンバーのモチベーションも上がります。
行動アクション
- 同業や同僚で成果を出している人を分析し、良い仕組みを1つ真似する
- 比較結果を感情ではなくデータで記録する
- 強みを磨き、弱みを底上げする
視点4:企業理念はチームの羅針盤
数字や締切に追われる時こそ理念が生きます。
理念は飾りではなく、判断の基準。
安藤さんはこう強調します。
理念は飾るものではなく、判断の基準。
組織視点のポイント
- 案件の優先順位や方針決定を理念で判断
- 理念を日常会話や会議で繰り返し確認
- 理念を新入社員や異動者にも浸透させる
個人の自己成長視点
理念は会社だけでなく、あなた自身にも必要。
自分の「仕事の軸(パーソナル理念)」を持てば、迷った時の指針になります。
私の経験談
プロジェクトリーダーは理念を語るのが仕事。
プロジェクトの理念を会議や1on1で繰り返し話すようにしたら、意思決定のスピードが上がり、ズレも減りました。
行動アクション
- 自分版のミッションステートメントを作成
- 「この判断は理念に沿っているか?」を習慣的に自問
視点5:進行感があるチームは強い
人は「進んでる感」がないと不安になります。
進行感を見える化することで、モチベーションは維持されます。
組織視点のポイント
- 大きなゴールだけでなく、小さな達成を可視化
- チェックリストや達成ボードを活用
- 前進を共有し、停滞感を防ぐ
個人の自己成長視点
キャリアでも同じ。
成長や成果を見える化すれば、モチベーションは続きます。
私の経験談
タスク管理ツールで達成項目を見える化した瞬間、チームの空気が一変しました。
また、中長期ロードマップで達成状況を確認した時は、「よくここまできたなあ」という感慨と共に、モチベーションが上がったことも覚えています。
行動アクション
- 1日の終わりに「できたことリスト」を3つ書く
- 月ごとに「成長ログ」を作成し、自分の進行感を可視化
『とにかく仕組み化』から学べる5つの行動アクション(自己成長版)
- 小さな業務から責任と権限をペアで持つ
- 危機感KPIを設定し、自分をアップデート
- 比較データを改善の材料にする
- 自分版理念を作って意思決定の基準に
- 成長ログを毎月つけ、進行感を感じる
まとめ|仕組み化は組織の武器であり、個人の成長戦略
仕組み化は、働きやすさと成果を両立させる強力な武器。
組織を安定させるだけでなく、あなたのキャリアも飛躍させます。
明日から、どれか1つでいい。
小さな仕組み化を始めてみてください。
半年後、今とは違う景色が見えているはずです。

