会議室と自宅の往復。
気づけば、同じ景色ばかり見ている——そんな感覚、ありませんか?
仕事は順調、家庭も安定。
でも、どこかモヤモヤ。
その正体は、人生の折り返し地点で聞こえてくる“かすかにささやく声”かもしれません。
男性なら40代・50代あたりで訪れることが多い、この揺らぎ。
いわゆる「ミッドライフクライシス」です。
そんなときに読んでほしいのが、ボブ・ビュフォード著『ハーフタイム』と、千葉智之・原尻淳一著『ライフキャリア』。
『ハーフタイム』は、その声に耳を傾け、「成功」から「意義」へと舵を切る方法を教えてくれる本。
『ライフキャリア』は、その意義を形にするための設計図です。
この2冊を組み合わせれば、後半戦の人生を、自分らしくデザインできます。
さあ、後半戦のキックオフ、始めましょう。
『ハーフタイム』──ミッドライフクライシスを転機に変える方法

『ハーフタイム』は、人生を前半戦と後半戦に分けて考える本です。
前半戦は「成功」を追いかける時期。
仕事、収入、肩書き——とにかく走り続ける。
でも、40代、50代になると、ふっと立ち止まる瞬間が来る。
心の奥で“かすかにささやく声”がするんです。
「このままで、いいの?」
「もっと意味のあることをしたい」
ビュフォードさんは、これを“ハーフタイム”と呼びます。
スポーツのハーフタイムと同じ。
前半戦を振り返り、後半戦の戦い方を決める時間。
カギは、「成功」から「意義」へのシフト。
ただ休むんじゃない。
自分の経験や才能を、人や社会のために使うんです。
急ぐ必要はありません。
ビュフォードさんも、数年かかることもあると述べています。
まずは静かな時間を持ち、自分の価値観や情熱を見つめ直す。
そこから、小さな一歩を踏み出す。
『ハーフタイム』は、ミッドライフクライシスを危機ではなく、
人生を再設計するためのチャンスとして描いています。
では、そのチャンスをどう形にするのか。
ここで登場するのが『ライフキャリア』です。
『ライフキャリア』──40代からのキャリア再設計フレーム
『ライフキャリア』は、後半戦をデザインするための“設計図”をくれます。
ポイントはシンプル。
「本業」と「特技」を棚卸しして、掛け合わせる。
まずは、本業の棚卸し。
これまでの仕事で培った経験、スキル、人脈。
本書ではこれを「ビジネス創造資産」と呼びます。
肩書きじゃなく、中身を見直す。
数字で出した成果も、苦労して身につけたノウハウも、全部があなたの資産。
次に、特技の洗い出し。
本業以外で得意なことや好きなこと。
文章を書く、相談に乗る、DIY、イベント企画…なんでもOK。
これが「自立資産」。
会社の外でも通用する、あなただけの武器です。
そして、この2つを掛け合わせる。
- 営業経験 × ライティング → ビジネス系ブログ
- マネジメント × キャリア相談 → 副業コーチ
- 経理スキル × 発信力 → 簿記系YouTuber
掛け合わせると、可能性が一気に広がります。
これが「ライフキャリア」。
直線的なキャリアじゃなく、組み合わせてつくる時代です。

心のコンパスと人生のルートマップ
『ハーフタイム』と『ライフキャリア』。
一見、別ジャンルの本に見えますが、実は深くつながっています。
共通点は、「人生後半を意識するきっかけ」を与えてくれること。
『ハーフタイム』は、心の奥で響く“かすかにささやく声”に耳を傾け、
これまでの成功や実績を「意味」に変える大切さを教えます。
ゴールを勝つことから、価値を残すことへシフトする感覚です。
一方『ライフキャリア』は、その気づきを形にするための“行動の地図”をくれます。
本業の棚卸しと特技の発掘。
そして掛け合わせることで、新しい働き方や生き方の選択肢を描ける。
方向性が決まったら、具体的にどう進むかがわかるんです。
言い換えると、
『ハーフタイム』は心のコンパス、
『ライフキャリア』はルートマップ。
コンパスがなければ迷うし、地図がなければ進めない。
この2冊を組み合わせれば、
人生の後半戦を迷わず、自分らしく走れるはずです。
では、そのために「どう実践するのか」を次に紹介します。
実践ステップ(行動提案)
気づくだけでは変わりません。
『ハーフタイム』の精神と『ライフキャリア』のフレームワークを組み合わせて、
後半戦の人生を動かす“実践ロードマップ”を考えてみます。
- 止まって耳を澄ます
→ 朝15分、モヤモヤを書き出す。
コーヒーを飲みながら、自分に「このままでいいのか?」と問いかける時間を作る。 - 振り返る
→ 1週間で「ビジネス創造資産」を棚卸し。
職務経歴書のように堅苦しくなく、箇条書きでOK。成果や失敗もすべて資産です。 - 探す
→ 特技・情熱(自立資産)を10個書く。
趣味、ボランティア、家族や友人から褒められたことも含めます。 - 掛け合わせる
→ 3〜5パターンの新しい可能性を作る。
「本業 × 特技」の組み合わせで、副業やライフワークのアイデアを出す。 - 指針を持つ
→ ミッションステートメントを作成。
「何を大切に、誰のために、どう生きたいか」を1〜3文にまとめる。 - 試す
→ 来週末までに小さな挑戦を1つ。
SNSでの発信、1時間のオンライン講座参加など、小さく始める。 - 話す
→ 信頼できる人に計画を共有。
話すことで頭が整理され、協力者や新しいチャンスが生まれます。
この7ステップを回すことで、「何をしたいか」と「どう実現するか」がどんどん明確になります。
実際に私自身も、7ステップを回しながら「自分の人生を取り戻そう」と試行錯誤しています。
ミッドライフは危機ではなく、“人生のリブートチャンス”。
今日の小さな一歩が、未来の大きな景色につながると思いませんか?

6. まとめ|人生後半戦は「自分の意思」で設計する
人生の折り返し地点。
ふと「このままでいいのかな?」と立ち止まる瞬間、ありませんか?
それ、弱気じゃなくてサインです。次のステージへの合図。
『ハーフタイム』は、かすかにささやく声を聞き、ミッションを見つける本。
『ライフキャリア』は、本業と特技を棚卸しして未来を描く地図。
どちらもゴールは同じ。
“受け身”から“自分で選ぶ”人生へ。
もう会社や肩書きに振り回される時代じゃない。
大事なのは、「何を大切に生きたいか」という自分軸。
その軸は、一気に作るものじゃない。
朝の15分、誰かとの会話、小さな挑戦。
そんな日々の積み重ねで育っていきます。
半年後、あなたは今とは違う景色を見ているかもしれません。
その始まりは、今日の小さな一歩です。
難しい計画はいりません。まずは今日、5分だけでも自分の声を聞く時間を持ってみませんか?
『ハーフタイム』『ライフキャリア』は、「今後のキャリアを考える」40代以降の方におすすめの書籍です。
ぜひ手に取って読んでみてください。
また、以下の記事では 書籍『ライフキャリア』について取り上げています。
ぜひこちらの記事も併せて読んでみてください。
