朝、起きて最初に何をしていますか。
スマートフォンを開いて、ニュースを見る。
SNSを眺める。
メールを確認する。
気づけば、自分で何かを考える前に、たくさんの情報が頭の中に入ってきます。
私は25年以上、朝に本を読む習慣を続けています。
在職中も、退職した今も、この習慣はほとんど変わっていません。
朝になると本を開き、静かな時間の中で少しだけ読みます。
以前は、知識を増やすためという意識が強かったように思います。
年間100冊を目標にしていた時期もありました。
でも長く続けてきて、今は少し違う意味を感じています。
朝読書は、たくさん読むための時間ではありません。
一日の思考を、自分から始めるための時間です。
朝に読んだ本の中に、気になる言葉があった。
少し引っかかる考え方があった。
すると、
その言葉について歩きながら考えたり、日常の出来事と結びつけたりすることがあります。
本を閉じたあとも、思考は少し続いているのです。
朝の10分でも構いません。
他の情報が入ってくる前に、本を一冊開いてみる。
それだけでも、一日の始まり方は少し変わります。
この記事では、
私が25年以上続けてきた朝読書をもとに、無理なく習慣にする方法を紹介します。
朝に本を開くと、一日の思考が変わる

朝読書のよさは、たくさん読めることではありません。
私が長く続けてきて感じるのは、朝に読んだことが、その日の思考の入口になることです。
たとえば、朝に本を読んでいて、ひとつ気になる考え方に出会ったとします。
すると、そのあと仕事をしているときや、散歩をしているときに、
「これは、朝読んだこととつながるかもしれない」
と、ふと思い出すことがあります。
本を閉じても、読書はそこで終わりません。
一冊の本から受け取った問いや視点が、その日の中で少しずつ動き始めます。
私は、これが朝読書の大きな価値だと思っています。
特に朝は、まだニュースやSNS、メールなどの情報がそれほど入っていない時間です。
その時間に本を開くと、
誰かの反応や、その日の出来事に流される前に、自分の中へ一つのテーマを置くことができます。
もちろん、朝に読めば必ず深く考えられるわけではありません。
何も残らない日もあります。
数ページ読んで終わる日もあります。
それでも構いません。
読んでいるうちに、
「これはどういう意味だろう」
「自分ならどう考えるだろう」
そんな小さな問いが生まれることがあります。
その問いが、一日の思考をゆっくり動かしてくれます。
私にとって朝読書は、知識を詰め込む時間ではありません。
一日の思考の方向を、静かに整える時間です。
私が25年以上、朝読書を続けている理由
私が朝に本を読むようになったのは、会社員として働いていた頃です。
日中は仕事があります。
会議が入り、資料をつくり、人と話し、次々とやることが出てきます。
「時間ができたら本を読もう」
そう思っていても、なかなか時間はできません。
そこで、読書の時間を朝に置くようになりました。
朝なら、まだ仕事は始まっていません。
予定に割り込まれることも少なく、自分のための時間を取りやすかったからです。
最初から長い時間を読んでいたわけではありません。
少し早く起きて、本を開く。
そんな小さな習慣から始まりました。
それが少しずつ定着し、気づけば25年以上続いています。
在職中と退職後では、生活のリズムは大きく変わりました。
それでも、朝に本を読む習慣は残りました。
仕事のためだけの読書なら、退職とともに減っていてもおかしくありません。
けれど、今も私は朝に本を読みます。
長く続けるうちに、読書の意味が変わってきたからだと思います。
以前は、
「もっと知識を増やしたい」
「仕事に役立つことを学びたい」
という気持ちが強くありました。
年間100冊を目標にしていた時期もあります。
ただ、今は冊数そのものには、以前ほどこだわっていません。
一冊の本から、
「これは面白い」
「この考え方は、自分にも使えそうだ」
「自分は少し違う考え方をしているな」
そんなことを一つ考えられれば、それで十分だと思うようになりました。
読む本も、その時々で変わります。
仕事について考えていた頃と、人生後半について考えている今では、
自然と手に取る本も違います。
それでも変わらないのは、
朝に本を開くと、自分の思考が動き始める
という感覚です。
だから今は、朝読書を「勉強の時間」とだけ考えていません。
一日を始める前に、自分の中へ一つ問いを置く時間。
そんなふうに感じています。
朝読書は「10分」から始めればいい

朝読書を始めるときに、最初から長い時間を取る必要はありません。
大切なのは、たくさん読むことではなく、朝に本を開く流れをつくることです。
ここでは、始めやすい3つの方法を紹介します。
1.まずは10分だけ時間をつくる
最初は10分で十分です。
数ページしか読めなくても構いません。
いつもより10分早く起きてもいいですし、
朝にスマートフォンを見ている時間の一部を読書に変えてもいいと思います。
無理に早起きする必要はありません。
今の生活の中に、小さな読書時間を置く。
そのくらいから始めた方が続きます。
2.前日の夜に本を一冊置いておく
朝になってから、
「今日は何を読もうか」
と考えると、それだけで迷います。
読みかけの本を机の上に置く。
椅子の近くに一冊置いておく。
それだけで構いません。
朝になったら、その本を開く。
読む本を選ぶところから始めないだけでも、習慣はかなり軽くなります。
3.スマホより先に本を開く
もう一つ意識したいのは、順番です。
朝起きてすぐスマートフォンを見ると、
ニュースやSNS、メールなど、外からの情報が入ってきます。
スマートフォンを見ることが悪いわけではありません。
ただ、その前に10分だけ本を開いてみます。
その時間だけは、誰かの反応や最新情報ではなく、一冊の本に向き合う。
すると、自分の中から考え始める余地が生まれます。
朝読書は、スマートフォンを禁止する習慣ではありません。
自分の思考より先に、他人の情報を入れすぎないための習慣です。
10分だけ時間をつくる。
前日に本を置いておく。
スマホより先に本を開く。
まずは、この3つだけで十分です。
朝読書だけでなく、朝の時間全体を整えたい場合は、朝ルーティンの作り方も参考になります。
私は、振り返り・読書・散歩・今日進めたいことを決める時間を組み合わせています。

朝は何を読めばいいのか
朝読書を始めると、
「朝は、どんな本を読めばいいのだろう」
と考えるかもしれません。
以前の私は、ビジネス書や思考法の本を読むことが多くありました。
仕事をしていた頃は、
「仕事に役立つことを学びたい」
「もっと考える力を磨きたい」
という気持ちが強かったからです。
ただ、今は朝に読む本を、特定のジャンルに決める必要はないと思っています。
大切なのは、
今の自分が、少し考えてみたいことにつながる本を選ぶことです。
仕事について考えているなら、仕事や思考法の本。
これからの生き方について考えているなら、哲学やエッセイ。
社会の見方を広げたいなら、歴史や教養の本。
物語を楽しみたいなら、小説でも構いません。
「朝だから、このジャンルを読まなければならない」
と考える必要はありません。
「今は、この本を少し読んでみたい」
と思えるものを選んだ方が、本を開きやすくなります。
私自身も、読む本はその時々で変わってきました。
それでも朝読書が続いているのは、ジャンルではなく、
本を通して何かを考える時間そのものが好きだからだと思います。
最後まで読むことにも、こだわらなくていいでしょう。
少し読んでみて、
「今は違うな」
と感じたら、別の本に変えてもいい。
以前読んだ本を、もう一度開いてもいい。
朝の読書は、課題ではありません。
一日の始まりに、自分の思考を少し動かしてくれる本を選ぶ。
そのくらい自由な方が、長く続けやすいと思います。
何を読めばよいか迷ったときは、教養を広げる8ジャンルから選んでみるのも一つです。

読んだあと、何か一つ考えてみる

朝読書では、読んだ内容をすべて覚える必要はありません。
きれいにノートへまとめる必要もありません。
私は、
何か一つ、気になることが残れば十分
だと思っています。
たとえば、
「この考え方は面白いな」
「自分の場合はどうだろう」
「少し違う気もする」
そんな小さな引っかかりです。
朝の10分で、すべてを持ち帰ろうとすると読書そのものが重くなります。
だから、
「今日、いちばん気になったことは何だろう」
と一つだけ考えてみる。
答えが出なくても構いません。
そのまま一日を始めます。
すると、散歩をしているときや仕事をしているときに、ふとつながることがあります。
「あの話は、こういうことだったのかもしれない」
「自分の経験にも似たことがあったな」
そんな形で、本を閉じたあとの日常で思考が続いていきます。
もちろん、毎回何かを考えなければならないわけではありません。
何も残らない日があってもいい。
それでも続けていると、ときどき自分の中に残る一文や問いに出会います。
まずは、
本を開く。
一つ気になることを残す。
そのくらいの軽さで十分です。
読んだあとにもう少し考えを深めたいときは、読書後の5分を使って振り返る方法もあります。
読書後に何を考えるかは、別の記事で詳しくまとめています。

1分ワーク|明日の朝に読む本を一冊決める
ここまで読んだら、明日の朝に向けて一つだけ準備してみてください。
やることは、3つだけです。
- 明日の朝に読む本を一冊決める
- 机や椅子の近くに置いておく
- 朝、スマートフォンより先に10分だけ開く
それだけで構いません。
読む量も決めなくていいです。
10分たったら、そのまま閉じても大丈夫です。
もし気になる一文があったら、
「なぜ、この言葉が気になったのだろう」
と少しだけ考えてみてください。
朝読書は、大きな決意から始めるものではありません。
明日の朝に読む本を、一冊決めておく。
まずは、そこから始めてみましょう。
年齢とともに以前のように本が読めなくなったと感じる場合は、
読む量や読み方そのものを変えてみる方法もあります。
人生後半に合う読書法は、別の記事でまとめています。

まとめ|朝の10分を、自分の思考から始める
朝読書は、たくさんの知識を詰め込むための習慣ではありません。
私自身、25年以上朝読書を続けてきました。
在職中も、退職した今も、この習慣は残っています。
長く続けてきて感じるのは、朝読書の価値は「どれだけ読んだか」ではなく、
その日の思考をどこから始めるかにあるということです。
朝起きて、すぐにニュースやSNS、メールを見る。
それも一つの過ごし方です。
でも、その前に10分だけ本を開く。
一冊の本と向き合い、自分の中へ一つの問いを置く。
それだけで、一日の始まり方は少し変わります。
始めるなら、難しく考える必要はありません。
明日の朝に読む本を一冊決める。
手の届くところに置いておく。
そして朝、10分だけ開く。
まずは、それで十分です。
朝の10分を、情報を受け取る時間ではなく、自分の思考を始める時間にする。
その小さな習慣が、自分なりの一日のリズムをつくってくれると思います。
朝読書以外にも、考える・歩く・記録する・振り返るなど、毎日を整える小さな習慣があります。
「人生を整える良い習慣20選」でまとめています。


